「都市」を主題に1950年代末より撮り続けてきた写真家・高梨豊の展覧会が開催
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「都市」を主題に1950年代末より撮り続けてきた写真家・高梨豊の展覧会が開催
Yutaka Takanashi To Hold Solo Photo Exhibition At Taka Ishii Gallery Photography / Film
高梨豊の個展「ニッチ東京」が、8月22日(土)から9月26日(土)まで、タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルムにて開催される。本展では、高梨が「ノスタルジア」「囲市」に続くカラー三部作の一つと位置づける最新作「ニッチ東京」より、作品13点を展示。
高梨豊の個展「ニッチ東京」が、8月22日(土)から9月26日(土)まで、タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルムにて開催される。本展では、高梨が「ノスタルジア」「囲市」に続くカラー三部作の一つと位置づける最新作「ニッチ東京」より、作品13点を展示。
高梨は1950年代末より写真家としての活動を始めて以来、一貫して「都市」を主題に、様々な方法論を駆使し多くのシリーズを発表してきた。本作「ニッチ東京」においては、田中純の生態学的視点を用いた都市の様相に関する分析と島田雅彦の小説『ニッチを探して』(2012年) から着想を得た「ニッチ」の探索を視座に、対象となる都市の変容自体に眼を向けるのではなく、無数の人の行為によって利用された事物の痕跡を集積することで、環境の輪郭を浮かび上がらせ、都市の「生態学的景観」を捉えている。1965年の「東京人」、及びその10年後に同様のスナップショットという方法論を用いて時代の変化の観察を試みた「東京人1978-1983」以来はじめて、東京という都市名を冠することとなった本シリーズはまた、抽象的な都市ではなく具体的な空間を見つめ直す試みでもある。
8月29日 (土) には、オープニング・レセプションを開催。また、本展の開催にあわせて作品集『ニッチ東京』が刊行される。
高梨豊 (たかなし・ゆたか)
1935年東京都生まれ。1957年に日本大学芸術学部写真学科卒業。写真家大辻清司との出会いから1959年に桑沢デザイン研究所リビングデザイン科 (夜間) へ入学、1961年に日本デザインセンターに入社。広告写真の第一線で活躍する傍ら、1964年に第8回日本写真批評家協会新人賞、1967年に第5回パリ国際青年ビエンナーレ写真部門最高賞を受賞。1968年、中平卓馬、多木浩二、岡田隆彦とともに写真同人誌『PROVOKE』を創刊 (1970年活動休止) 。1984年度及び1993年度日本写真協会賞年度賞、1991年には、第3回写真の会賞を受賞。1993年、赤瀬川原平、秋山祐徳太子と「ライカ同盟」を結成。代表作に『都市へ』(1974年)、『町』(1977年)、『東京人1978-1983』(1983年)、『初國』(1993年)、『地名論』(2000年)、『NOSTALGHIA ノスタルジア』(2004年)、『囲市』(2007年)など。2009年、個展「光のフィールドノート」(東京国立近代美術館)を開催。2012年、写真集『IN’』で第31回土門拳賞受賞。同年、個展「Yutaka Takanashi」(アンリ・カルティエ=ブレッソン財団、パリ)を開催。
<展覧会情報>
高梨豊「ニッチ東京」
会期: 2015年8月22日 (土) – 9月26日 (土)
時間: 11:00 – 19:00 (日月祝休廊)
オープニング・レセプション: 8月29日 (土) 18:00 – 20:00
場所: タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム
住所: 東京都港区六本木5-17-1 AXISビル 2F
Tel: 03-5575-5004
入場料: 無料
HP: www.takaishiigallery.com
<書籍詳細>
高梨豊『ニッチ東京』
販売価格: ¥8,400
タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム刊(2015年)
200部限定(全冊サイン入り)、ソフト・カバー、112頁、掲載作品55点、H29.8 x W21 cm、0.5kg
倉石信乃によるテキストと高梨豊によるあとがきを収録(英語・日本語)