世界的写真家・畠山直哉の密着ドキュメンタリー映画『未来をなぞる 写真家・畠山直哉』が公開
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世界的写真家・畠山直哉の密着ドキュメンタリー映画『未来をなぞる 写真家・畠山直哉』が公開
Documentary Film Of Naoya Hatakeyama To Be On Screen From August 15
「都市と自然」という一貫したテーマで作家としての方法論を確立し、世界的に高い評価を得ている写真家・畠山直哉 (はたけやま・なおや)。1997年、日本各地の石灰石鉱山と工場を撮影したシリーズ『ライム・ワークス』で第22回木村伊兵衛賞を受賞、2001年には世界最大の国際美術展である「ヴェネツィア・ビエンナーレ」に日本代表のひとりとして選ばれるなど、写真のフィールドに留まることなく、広くアートシーンで注目を集めてきた。
「都市と自然」という一貫したテーマで作家としての方法論を確立し、世界的に高い評価を得ている写真家・畠山直哉 (はたけやま・なおや)。1997年、日本各地の石灰石鉱山と工場を撮影したシリーズ『ライム・ワークス』で第22回木村伊兵衛賞を受賞、2001年には世界最大の国際美術展である「ヴェネツィア・ビエンナーレ」に日本代表のひとりとして選ばれるなど、写真のフィールドに留まることなく、広くアートシーンで注目を集めてきた。
畠山氏は1958年生まれ、岩手県陸前高田市の出身だ。最新写真集『陸前高田2011-2014』は、そのタイトルからも察せられるように、彼が東日本大震災直後から3年半にわたり撮り続けてきた故郷・陸前高田の写真の集大成となっている。畠山氏は、震災による津波で母親を失った。その心境は、先に刊行されたドキュメント写真集『気仙川』(2012年) にもエッセイとして記されているが、そこには陸前高田が震災に遇う前の美しい風景 ー 本人いわく、作品として発表する気はなかったという個人的な写真の数々もまた、震災後の写真と対比する形で並べられている。
彼は作家としてのキャリアの中で、プライベートな記録としての写真を撮影することはなかったし、スナップを発表するようなタイプの写真家でもなかった。ところが震災を機に、その価値観は揺るぎ、発表する作品もまた変化していく。
変わり果てた故郷をひたすら歩き、地元の人々と会話を交わしながら、畠山氏が4年にわたって撮り続けている写真は、作家としての彼が作品として撮っているものとは違う。でも今、彼はこれらの故郷の写真を作品として発表している。では、作品とは一体何なのか? この映画からは、そんな根源的な問いも浮かび上がってくる。震災を経て、「気の長い議論のために撮られる写真があってもいい」と彼は思う。写真とは、瞬間のもののようであるが、実は持続の中にあるのではないだろうか。今の世には、性急な写真が多すぎるのではないだろうか。本作は、畠山直哉という写真家の素顔に迫る極めて個人的なドキュメンタリーでありながら、彼の持続的な視線を追い続けるうち、その先にはもっと大きな存在、“未来” へとひらける新たな価値観があることに気づかされる。
<映画情報>
『未来をなぞる 写真家・畠山直哉』
監督・撮影・編集: 畠山容平
音楽: 港大尋
整音: 小川武
編集: 尾尻弘一
製作: 『未来をなぞる 写真家・畠山直哉』製作委員会
配給: CINEMACTION豊劇 -豊岡劇場-
配給協力・宣伝: プレイタイム
協力: タカ・イシイギャラリー
8月15日 (土) より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
HP: www.mirai-nazoru.com