yoshio kubo (ヨシオクボ) 2016年春夏コレクション、異国の地で出会った面影を追い求めて
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yoshio kubo (ヨシオクボ) 2016年春夏コレクション、異国の地で出会った面影を追い求めて
MBFWT Yoshi Kubo 2016 S/S Runway Show And His Squard Of Urban Warrior
中でも注目といえば、ニューヨークから招致されたデザイナーの TODD SNYDER (トッド・スナイダー)、X Japan (エックスジャパン) の Yoshiki (ヨシキ) による着物ブランド YOSHIKIMONO (ヨシキモノ)、はたまた海外から急遽来日した大御所ジャーナリストの Suzie Menkez (スージー・メンケス) といったところだろうか。
Editor – Shunsuke Okabe
メルセデス・ベンツ・ファッションウィーク東京、通称東京コレクションが今季2016年春夏シーズンも開催された。
瞬く間にやってきて過ぎ去っていく、といった感じだろうか。実際にファッションショーに参加するか否かはさておき、関係者にとってはとにかく慌ただしい一週間だったことだろう。
中でも注目といえば、ニューヨークから招致されたデザイナーの TODD SNYDER (トッド・スナイダー)、X Japan (エックスジャパン) の Yoshiki (ヨシキ) による着物ブランド YOSHIKIMONO (ヨシキモノ)、はたまた海外から急遽来日した大御所ジャーナリストの Suzie Menkez (スージー・メンケス) といったところだろうか。
東京といえば若手デザイナーの宝庫。その一方で毎シーズン安定感のあるコレクションで定評のあるデザイナーも少なくない。
その筆頭株がデザイナー久保嘉男による yoshi kubo (ヨシオクボ) だ。2004年のブランドローンチ以降、一貫してトレンドとリアリティを両立を実現してきた久保は、荒削りなデザイナーが多い東京コレクションの中で数少ない “安心して見られる” ショーを発表してくれる。
美しいテーラリング、スポーツウェア、ストリートファッションの定番アイテムなど、ありとあらゆる要素を融合させ、独特のハイブリッドスタイルを確立させた yoshio kubo。今季コレクションでは、異国の地で出会った一人の男から想像を膨らませてコレクションへと落とし込んだという。
民族的なスタイルに着想を得たコレクションは先シーズン2015-16年秋冬から継続されているが、今季のルックでは、中東、東南アジア、ヨーロッパ、中国など各国の伝統的な装いが取り入れられた。
無国籍なスタイルに統一感を持たせるのは、ムスリムのスカーフ使いをアレンジしたスタイリング。また灼熱の太陽を想起させる真っ赤なライティングが照らされたランウェイ、どこの海から漂着したのか妄想を膨らませる舞台演出、そしてスモークの中を蛇行するウォーキングなど、情緒に溢れた演出は今季も健在だ。
強いて言うのであれば、足元のバリエーションがもう少し見たかったというのが本音だ。トロピカルなツイードをあしらったスニーカーは、コレクションのテーマをタウンユースに巧く落とし込んだ手堅いチョイスだが、安心感とまんねりは紙一重であることを認識し、東京きってのトレンドセッターとして更なる挑戦を見たいと願うのはあまりに無責任なファン心理だろうか。