It's time to seriously consider how to communicate within the Japanese fashion industry: part 4

そろそろマジメにファッション業界のコミュニケーションを考えてみよう part 4

It's time to seriously consider how to communicate within the Japanese fashion industry: part 4
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そろそろマジメにファッション業界のコミュニケーションを考えてみよう part 4

It's time to seriously consider how to communicate within the Japanese fashion industry: part 4

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文: 飯山 満  英語翻訳: 倉増アンバー

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©Taka cooper

既にさまざまなところでご覧になっているとおり、海外ではファッションブロガーが、既にブランドコミュニケーション戦略において重要なポジションを確保しつつある。しかし海外で成功していると言われているスキームを、そのまま日本国内で同様の形で展開させようとすると、その成功の可能性は途端に低くなることが容易に想像できる。それは前回も述べたように、ファッションブロガーを取り巻く環境、つまり業界構造が、そもそも日本と海外において大きく異なるからだ。実際、さんざん悩んだ結果、海外事例をそのままなぞらえるような形で、安易にファッションブロガーを軸にコミュニケーション施策を考え、結果残念なパフォーマンスに終わってしまうことも少なくない。

では、日本の場合、どのような形で展開させていけば良いのだろう?いや、それ以前に、そもそもファッションブロガーはブランドコミュニケーション戦略の中で、高いパフォーマンスを維持した状態で機能するのだろうか?というのが、ここから先のテーマとなる。

まず、これは私たちが必ず前提として考えなくてはならない点だが、現状、ある意味「サロン」化した閉鎖的なコミュニティに依存しきっているファッション業界のマーケティング・コミュニケーション構造は、そう簡単には変わらない。これは「絶滅危惧種」的なものと言われて久しいが、依然存在し続けているし、今後も何らかの形で残るだろう。少なくともソーシャルメディアの力だけで業界構造までが変わることは一朝一夕には考えられないし、仮に変化するとしても、長い過渡期を経た上の話になるはずだ。

2/3ページ:「事件は会議室でも現場でもなく、このコミュニティの中で起こっているのが現実だ。」

実際、いまもなお、この閉鎖的なコミュニティは元気に、その影響力を業界内に誇示し続けているし、来年の春夏はおろか、秋冬のトレンドでさえ、その中で動いている。事件は会議室でも現場でもなく、このコミュニティの中で起こっているのが現実だ。そのため、まずは、このコミュニティありきでコミュニケーション戦略を考えていかざるをえない。我慢しよう。少なくともしばらくの間は。

現実問題として、コミュニティありきで考えるというのは、ある意味非常に楽なやり方でもある。いままで同様、ほんの少しだけ、コミュニティにおける暗黙のルールを我慢しつつ守ってしまいさえすれば、この上なく簡単に進められるのだから。実際、現時点で非常に悩ましい課題になっているデジタル方面へのアプローチでさえ、これまでどおり雑誌をベースにしたコミュニケーションと同様に、コミュニティ内におけるパワーバランスや、内部の人間関係を上手にマネージするやり方でできてしまうわけだ。なぜならいま現在ファッション業界の人間が見ているデジタルの世界なんて、所詮紙の上に刷られている広告枠やペイパブ枠が、デジタルという技術の力によって、紙からブラウザに場所を変える形で拡張されただけなのだから。

Photography: aditza121 via flickr

ではなぜ、このような状況になっているのだろう?これはいまさら説明するまでもないが、日本国内におけるファッション雑誌の種類が、海外に比べ突出して多いからだと考えられる。実際少し調べればわかるが、ことファッション雑誌に関して言えば、出版不況とはとても思えないくらい種類だけは多い。

3/3ページ:「海外の場合、雑誌という形でメディアもとい「サロン」化されたコミュニティによってカバーされていない領域が非常に多い」

tavi gevinson's blog

海外の場合、雑誌という形でメディアもとい「サロン」化されたコミュニティによってカバーされていない領域が非常に多いため、そういった領域に対して、ファッションブロガーが、ある意味自分のテリトリーのようなものを確立させている。そして、特定のクラスタに対して何らかの影響を与えるというような構図になっている。

ところが日本の場合、このような特定のクラスタそれぞれに対して既に雑誌が存在するがゆえに、ファッションブロガーになれるような、いわゆるインフルエンサーが、ファッションブロガーになる以前に、雑誌を中心としたコミュニティのメンバーになってしまっている。

もちろん最近では、このように細かくセグメントされた雑誌(そもそも発行部数もそれほど多くはないので)の一つや二つを軽く上回るような規模を持つブログを書かれているファッションブロガーも出て来てはいるものの、それはまだまだ少数派だろう。いま現在、多くのファッションブロガーがテリトリーとしている領域は、非常に細かくセグメントされた雑誌でもカバーしきれない、非常にニッチ極まりないものに過ぎない。つまり一般の消費者よりも少しだけ声が大きな人くらいのスケールでしかないのが現状である。

そのため、海外の事例をなぞらえる形でファッションブロガーを使っても機能する可能性が非常に低いのだ。非常にニッチな世界のインフルエンサーを、単純に海外で成功していると言われているフレームワーク通りに 10 人や 20 人集めてブログを書かせたところで、その波及規模やコマーシャルインパクトは推して知るべしだと思った方がいい。少なくとも現在の日本において、オンライン上である程度の波及規模が得られるような展開を考えるのであれば、黙って「サロン」化したコミュニティを上手く使って、ファッション雑誌と連携しつつ、そこに紐付いているインフルエンサーのブログにも一緒に書いてもらうようなタイアップを考えた方が、まだROIは高いと思われる。

ただ、もちろんいつまでも、こんなやり方を続けていても行く末は先細っていくばかりになるので、少し未来を見据えた話をしたいと思う。次回はもう少しソーシャルメディアの領域に踏み込んだ形で考えてみよう。

 

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