Chanel (シャネル) の支援によるサンマルコ大聖堂の修復プロジェクトがその全貌を披露
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Chanel (シャネル) の支援によるサンマルコ大聖堂の修復プロジェクトがその全貌を披露
Chanel Supports The Restration Of Lion Statue Of Saint Mark
マドモアゼル Chanel (シャネル) が初めてヴェネツィアに足を踏み入れたのは1920年のこと。彼女にとって最初のブティックとなるパリ、カンボン通りの帽子屋をオープンする前から約10年に渡り交際関係にあったボーイ カペルを不慮の事故で亡くしマドモアゼルは、親しい友人であった Josep Maria Sert (ホセ=マリア セール) と彼の妻 Misia (ミシア) の説得のもとヴェネツィアに初めて足を踏み入れたのだ。
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マドモアゼル Chanel (シャネル) が初めてヴェネツィアに足を踏み入れたのは1920年のこと。彼女にとって最初のブティックとなるパリ、カンボン通りの帽子屋をオープンする前から約10年に渡り交際関係にあったボーイ カペルを不慮の事故で亡くしマドモアゼルは、親しい友人であった Josep Maria Sert (ホセ=マリア セール) と彼の妻 Misia (ミシア) の説得のもとヴェネツィアに初めて足を踏み入れたのだ。
当時最先端であったパリから一転、中世の趣を色濃く残すヴェネツィアを見た彼女が最初に受けた印象は、決して好意的なものではなかった。しかし数日間の滞在の中で、ラ サルーテ聖堂などの教会荘厳な静けさに身をゆだねるうちに次第に心地よさを見出した彼女は、その後現地の美術館や宮殿を目にする。そして彼女が訪れたのが、ビザンツ様式の傑作サンマルコ大聖堂。荘厳な祭壇の後ろに掲げられた、磨き上げられた半球型の宝石を全面にあしらった、長さ3m以上もある黄金の衝立 (ついたて)、Pala d’Oro (パラ ドーロ) を目にした彼女は、その後生涯忘れることのない衝撃を受けたという。当時のことについてマドモアゼルは、作家である Paul Morand (ポール・モラン) に以下のように語った。
「ある日、リドで、高齢で上品なアメリカ人女性がパラソルの下に座っているのを見たの。これから泳ごうとしている若いアメリカ人たちは皆、彼女に自分のジュエリーを預けていた。しまいにはその女性は宝石で飾られたオーヴェルニュの聖マリア像のような姿になっていたは。サンマルコ大聖堂の宝物も、彼女のそばでは色褪せてしまうくらいだった。」
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そしてマドモアゼルがヴェネツィアに魅せられたもう一つの理由に、この都市が獅子をシンボルとし、街のいたるところにブロンズ像が飾られているということも忘れてはならない。獅子といえば、言うまでもなくマドモアゼルが生まれた8月19日の星座であり、彼女のシンボルだ。
こうして遭遇した数々の出会いが、その後のマドモアゼルのクリエイション、ひいては生涯において及ぼした影響は計り知れず。ビザンチン装飾に影響を受けたジュエリー、獅子のモチーフを取り入れたスーツのボタンやバッグのクラスプ。そしてこれらのモチーフが、現在の Chanel (シャネル) のコレクションにおいても大きなインスピレーションとなっていることは、今年の9月に新しく発表されたファインジュエリーコレクション「Sous le Signe du Lion (スー ル シーニュ デュ リオン)」などを見れば一目瞭然だろう。
長い歴史の中でマドモアゼル、そして Chanel というブランドに多大なるインスピレーションを与えてきたヴェネツィア。今度は Chanel からヴェネツィアにお返しをする番だ。Chanel の支援のもと、ヴェネツィアの象徴であるサンマルコ大聖堂が修復作業を終え、その姿が披露された。「ヴェネツィア保護のためのフランス委員会」が実施するプログラムの一環として行われたこのプロジェクトでは、2つのチームが数ヶ月をかけてゴールドがちりばめられたブルーのモザイク、そして獅子像の酸化した表面を修復。こうして生まれ変わった大聖堂は、マドモアゼルが出会った当時をその威厳に満ちた輝きを再び取り戻したのだ。
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マドモアゼルとヴェネツィアの永遠の絆を示す今回のプロジェクトだが、一方でイタリアが誇る永遠の都、ローマでは最新の2015/16年メティエダールコレクションが披露されたばかり。Chanel とイタリアの “ラブストーリー” の今後の進展に注目が集まる。
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