ひとつの詩が紡ぎ出す過去と現在、そしてチャーリー・ブラウン。Gucci (グッチ) 2016-17年秋冬メンズコレクション
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ひとつの詩が紡ぎ出す過去と現在、そしてチャーリー・ブラウン。Gucci (グッチ) 2016-17年秋冬メンズコレクション
Poetic Reactivation And Charlie Brown Drives Gucci 2016-17 Fall Winter Menswear Collection By Alessandro Michele
「過去の形跡とは、正気を失い化石化した遺跡でも、ミュージアムに幽閉されたオブジェでもない。むしろ、既ににあったもの (das Gewesene) に仕掛けられた起爆剤に点火することが出来る花火のようなものだと解釈するべきです。その花火は未来あふれる星座を生み出し、その未来において過去が現在と出会うのです」
「過去の形跡とは、正気を失い化石化した遺跡でも、ミュージアムに幽閉されたオブジェでもない。むしろ、既ににあったもの (das Gewesene) に仕掛けられた起爆剤に点火することが出来る花火のようなものだと解釈するべきです。その花火は未来あふれる星座を生み出し、その未来において過去が現在と出会うのです」
ドイツの文芸批評家、そして哲学者である Walter Benjamin (ヴァルター・ベンヤミン) によって記された『The Arcades Project (邦題: パサージュ論)』からの引用である。どうやら Gucci (グッチ) の Alessandro Michele (アレッサンドロ・ミケーレ) は相当のポエム好きようだ。昨年の10月に上海にて開催されたコンテンポラリー・アートエキシビション「No Longer / Not Yet (もはや/いまだ)」展において、Giorgio Agamben (ジョルジョ・アガンベン) の著書『コンテンポラリーとは何か』の一節を用いて現代という命題に疑問を投げかけた Alessandro Michele。対して今回のコレクションでは現代に軸を置きながら、過去への回想に試みている。
“Poetic Reactivation (ポエティックな甦生)” という領域を探求した Gucci 2016-17年秋冬メンズコレクション。それが何を意味するかというと、現代という視点から過去を振り返ることで、その概念を根絶すると同時に、過去という存在を解放し、未来へと転換していくということだ。
具体的にルックを見てみると、確かにファーストルックで登場したジャカード織のコートはレトロなインテリアのようにも見えるが、その一方で素肌を強調したスタイリング、そしてデコラティブなアクセサリー使いが醸し出すグラマラスな男性像は大凡レトロとは結びつかない、大胆でロマンティックな印象だ。
Snoopy is like a philosopher
またランウェイでは故 David Bowie (デヴィッド・ボウイ) へのオマージュとして制作されたエンブロイダリーのブルゾンや、Charles Monroe Schulz (チャールズ・M・シュルツ) による世界的人気のアニメキャラクター、スヌーピーがモチーフとして登場。米『Vogue (ヴォーグ)』の取材において Alessandro Michele は「(スヌーピーは) 偉大な思想家だからね」と語り、コレクションの裏に隠されたユーモアを覗かせた。
問い合わせ先/ グッチ ジャパン カスタマーサービス 03-5469-6611
HP: www.gucci.com