In Conversation With Alban Belloir From Van Cleef & Arpels

Van Cleef & Arpels (ヴァン クリーフ&アーペル) ジャパン代表 Alban Belloir (アルバン・ベロワー) インタビュー

In Conversation With Alban Belloir From Van Cleef & Arpels
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Van Cleef & Arpels (ヴァン クリーフ&アーペル) ジャパン代表 Alban Belloir (アルバン・ベロワー) インタビュー

In Conversation With Alban Belloir From Van Cleef & Arpels

Van Cleef & Arpels (ヴァン クリーフ&アーペル) のメゾンの歴史が始まったのは1896年のこと。宝石商の娘の Estelle Arpels (エステル・アーペル) と宝石職人の息子 Alfred Van Cleef (アルフレッド・ヴァン クリーフ) の婚約により幕を開けたストーリー。なんとロマンティックなことだろう。しかしロマンティックなのは誕生秘話に限ったことではない。宝石業界の総本山、ヴァンドーム広場に本店を構えながらも、革新的な技術と耽美的なデザイン美学で伝統を塗り替えてきたクリエイションは、世界中のロイヤルやセレブリティをロマンスの世界へと誘ってきた。

Van Cleef & Arpels (ヴァン クリーフ&アーペル) のメゾンの歴史が始まったのは1896年のこと。宝石商の娘の Estelle Arpels (エステル・アーペル) と宝石職人の息子 Alfred Van Cleef (アルフレッド・ヴァン クリーフ) の婚約により幕を開けたストーリー。なんとロマンティックなことだろう。しかしロマンティックなのは誕生秘話に限ったことではない。宝石業界の総本山、ヴァンドーム広場に本店を構えながらも、革新的な技術と耽美的なデザイン美学で伝統を塗り替えてきたクリエイションは、世界中のロイヤルやセレブリティをロマンスの世界へと誘ってきた。

目を見張るようなハイジュエリーから、名作「アルハンブラ」まで、時代を超えて愛され続けるジュエリーたち。そのストーン・パワーを享受すべく訪れたのは、3月に新たにオープンしたヴァン クリーフ&アーペル銀座店。メゾンのジャパン プレジデントを務める Alban Belloir (アルバン・ベロワー) 氏のインタビューとともに、魅惑のジュエリーの世界の扉を開いてみよう。

ヴァンクリーフ&アーペル 銀座本店外観 | © Van Cleef & Arpels

ヴァンクリーフ&アーペル 銀座本店外観 | © Van Cleef & Arpels

― Van Cleef & Arpels (ヴァン クリーフ&アーペル) の新たな旗艦店となる銀座本店のオープンおめでとうございます。今回の店舗では、Jouin Manku Agency (ジュアン・マンク・エージェンシー) がストアコンセプトを手がけられたとのこと。東京という都市から、どのようなイメージを思い描かれたのでしょう?

今回オープンしたヴァンクリーフ&アーペル 銀座本店は、パリのヴァンドーム広場の本店、NY の本店、そして香港のランドマーク プリンス店に次ぐ第4店舗目となる特別なコンセプトのブティックです。店舗設計では、東京というアイコニックな都市とメゾンの歴史をリンクさせた世界観を思い描きました。

具体的に、東京らしいコンセプトについて教えて頂けますか?

まずファサードで一際目をひくメッシュ状の素材は、Van Cleef & Arpels のシグネチャーでもある「ロザンジュ」の形を組み合わせたもの。このモノグラムにはよく見るとヴァンドーム広場の塔が描かれています。加えて、日本的なアプローチとして取り入れたのが二重構造の仕切り。これは、伝統的な障子に着想を得て Jouin Manku Agency がデザインしたもので、これによって店内はまるでヴェールをかけたような柔らかな自然光が包み込むのです。

同じく洗練された空間を作り出すため、インテリアも全てライトトーンで統一しています。

  Van Cleef & Arpels といえば、日本で初めて単独のブティックをオープンしたフランスのハイジュエラーとしても知られていますが、日本においてこれほどまでに長く、そして広く親しまれている理由についてどのように思われますか?

その通り、Van Cleef & Arpels が初めて日本にブティックをオープンしたのが1973年のこと。実に40年以上もの間日本の文化と共に歩んできました。メゾンのフィロソフィーと日本の文化は多くの点においてリンクしています。まず自然を大切にすること。日本では古くから自然を愛する文化が根付いていますが、それは Van Cleef & Arpels においても同じこと。実際、コレクションの多くは自然からインスピレーションを得て制作されたものです。自然を愛でること、そして繊細で女性的な感覚でそれを表現すること。日本の美的感覚は、メゾンのクリエイションにおいてもとても重要な役割を果たしています。

Van Cleef & Arpelsのジュエリーに一目でわかるようなロゴは必要ない

  ジュエリーの世界は往々にして「男社会」だと揶揄されることが多いなかで、Van Cleef & Arpels のジュエリーは極めて女性的なデザインが多いように見受けられます

そう感じるのは、恐らくメゾンの歴史にも理由があるのではないでしょうか。Van Cleef & Arpels は、創業者である Alfred Van Cleef (アルフレッド・ヴァン クリーフ) Estelle Arpels (エステル・アーペル) の結婚から始まった、言うなればラブストーリーによって誕生したジュエリーメゾンです。

また一方で、メゾンが誕生した1906年はジュエリーの世界においても新たなデザイン様式や技術、素材などが生まれた時代であることも大きな理由でしょう。女性的な曲線美を巧みに取り入れた Van Cleef & Arpels のジュエリーは、従来の概念に囚われない斬新なデザインとして重宝されました。

中でも代表的なアイコンコレクション「アルハンブラ」では、マラカイトやオニキス、マザー オブパール、コーラル、ラピスラズリなど、それまであまり用いられることのなかった素材をいち早く取り入れてきました。

ヴァンクリーフ&アーペル 銀座本店 内装イメージ | © Van Cleef & Arpels

ヴァンクリーフ&アーペル 銀座本店 内装イメージ | © Van Cleef & Arpels

 

  時を経て変わることのない価値を持つジュエリーですが、また同時にその価値を次世代へと継承していくことが現代のジュエリーメゾンに求められる最大の役割のように思います。その一環として取り組まれている、「L’Ecole Van Cleef & Arpels (レコール ヴァン クリーフ&アーペル)」について教えて頂けますか?

宝石は化石であり、ジュエリーは過去の遺産です。しかしながら、ジュエリーデザインやそのクラフツマンシップという意味で見れば、常に未来を見据え、またそのノウハウを次世代へと継承していかなければなりません。絵画や彫刻も時代によって形を変えるように、「生きたアート」であるジュエリーも常に時代とともに進化していかなければならないのです。

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歴史、伝統、デザイン、技術、ノウハウ、これらを次世代へと継承していくことが「レコール ヴァン クリーフ&アーペル」の役割です。具体的には、ジュエリーや時計の世界に関心を持つ18歳以上の方に、あらゆる専門知識や「サヴォアフェール」を学び、体験し、実践する場所と機会を提供しています。

  制作する側と同じく、顧客に対するアプローチも新しい取り組みが求められる時代ではないでしょうか

もちろんラグジュアリーマーケットにおける世代交代は大きな課題です。しかしそれと同時に、Van Cleef & Arpels のジュエリーはこれまでもあらゆる世代の方々に支持されてきました。

例えば先の「アルハンブラ」コレクションは、20代の若いお嬢さんから、何十年もメゾンのファンでい続けてくださる顧客の方まで、様々な世代の方々が購入されます。

タイムレスなクリエイションは年齢やトレンドに関係なく生き残ります。だからこそ私たちは、自分たちの DNA を曲げたり、表面ばかりのトレンドを追い求めるのではなく、常に最高峰のクリエイションを突き詰めることが必要だと考えています。

Van Cleef & Arpels のジュエリーには、一目でわかるようなロゴは必要ありません。着用する人の個性に寄り添い、輝きを与えること。これこそが Van Cleef & Arpels のフィロソフィーなのです。

  Van Cleef & Arpels 3つのワードで表現するとしたら、どんな言葉を思いつきますか?

Beauty (美しいこと)Elegance (優美であること)Poetry (詩的)。ジュエリーが美しいことは言うまでもないでしょう。優美であること。決して宝石ばかりが目立ってはいけません。そして中でも Van Cleef & Arpels のクリエイションにおいて詩的であることは重要な要素です。夢と現実の狭間に存在する限りなく詩的な世界です。

  もし私から一つだけ追加するとしたら Honesity (誠実で高潔) といったところでしょうか。

素晴らしい言葉ですね!光栄です。

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Alban Belloir (アルバン・ベロワー)

Ecole des Hautes Etudes Commerciales (HEC パリ 経営大学院) 経営学部卒。ソルボンヌ大学で哲学の学士号を取得、パンテノン・アッサス大学で法律の学士号を修める。Van Cleef & Arpels を傘下に持つ Richemont (リシュモン) グループに加わる以前に、Lancome (ランコム)、Ralph Lauren (ラルフローレン) のフレグランス部門、Fauchon (フォション) などの著名なラグジュアリーブランドで多くの研鑚を積む。

2010年には Van Cleef & Arpels (ヴァン クリーフ&アーペル) 中東&インド地区のマネージング・ディレクターとしてドバイに拠点を移す。その後、2015 年 9 月に Van Cleef & Arpels ジャパン プレジデントに任命された。

店舗名 ヴァンクリーフ&アーペル 銀座本店
営業時間 11:30~20:00
住所 東京都中央区銀座 3-5-6
電話番号 03-3563-1906
HP www.vancleefarpels.com