ライアン・レイノルズ主演＆ティム・ミラー監督『デッドプール』の新しきヒーロー像と10のトリビアについて

映画をあまり見ないあなたにも、映画好きのあなたにも。新作旧作取り混ぜながらお送りする映画企画。あらすじとショートレビュー、ネタバレと、映画が少しだけおもしろくなるトリビアをご紹介します。

第4弾は、マーベル・コミック原作、 Ryan Reynolds (ライアン・レイノルズ) 主演、Tim Miller (ティム・ミラー) 監督の『X-MEN』シリーズ初 R15 指定作品『デッドプール』を取り上げます。

＜あらすじ＞
ストーカーから女性を守るために働いている元傭兵のウェイド・ウィルソン。高級娼婦ヴァネッサと知り合い、付き合い始める。末期ガンであることが発覚したウェイドは、ガン治療と引き換えに人体実験の被験者となることを決めるのだが……。

＜レビュー＞
スーパーヒーローものの第一作にありがちな、「ヒーローになるまでのあれこれが長い問題」を、うまく回避しています。すでにヒーロー（デッドプールの場合、ヒーローと言っていいのかどうか、やや悩みもしますが……。ヴィジランテでもありませんし……）となりアクションをバンバンこなしている状況に、回想などとして「ヒーローになるまでのあれこれ」を組み込んでいるんですね。おかげでテンポよく、だれることなく見ることが出来ます。そして、デッドプールは「第四の壁」を破ります。「自身が虚構の存在であること」を認識しており、観客に向かって話しかけてきたりするのです。この手法は珍しいものではありませんが、『デッドプール』のコミカルな作風にはとてもマッチしています。とんでもなく下品なシモネタから、映画好きなら思わずクスリとしてしまう小ネタまで、さまざまな仕掛けが施された「新しいヒーロー映画」。低予算映画かつR15でありながら、各国でヒットを飛ばしているのもうなずけます。

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1/5

1. デッドプールのコスチュームは最初、筋肉の層がつけられていました。しかし、Ryan Reynolds (ライアン・レイノルズ) にはきつすぎたのと、彼が元々筋肉質だったために、あまりにも大きく見えすぎるという理由で取り除かれました。 

2. ウェイドが「緑のスーツとCGは嫌だ！」と言うのは、Ryan Reynolds が主演してあまりヒットしなかった映画『グリーン・ランタン』（2011年）のことを意味します。また、映画のオープニングでグリーン・ランタンのカードが映ります。

3. ウェイド・ウィルソンという名前は、DCコミックス『バットマン』などに出演する悪役デスストローク（本名／スレイド・ウィルソン）へのオマージュです。

4. 映画のはじめのほうで、ウェイドはピザの配達人と口論になります。配達人が持っている箱には「Feige’s Favourites」と書いてあります。これはマーベル・スタジオの制作社長、Kevin Feige (ケヴィン・ファイギ) が元ネタです。

5. 『X-MEN』シリーズでウルヴァリンを演じている Hugh Jackman (ヒュー・ジャックマン) が2度、写真で登場します。1度目は雑誌の表紙、2度目は映画のラスト近くでデッドプールがマスクを脱ぐ下の顔が Hugh Jackman になっています。また、デッドプールはウルヴァリンのことを「ポルヴァリン」と言います。

No go @VancityReynolds – the 11th day is #Wolverine‘s https://t.co/Qx0HAwRj2i #Snikt #12DaysOfDeadpool pic.twitter.com/QEpfU4vyge

— Hugh Jackman (@RealHughJackman) 2015年12月24日

6. エンドクレジットの後、デッドプールが着ている縞模様のガウンの元ネタは、Matthew Broderick (マシュー・ブロデリック) 主演＆John Hughes (ジョン・ヒューズ) 監督『フェリスはある朝突然に』（1986年）です。

7. ウェイドが彼女に向かって「リーアム・ニーソンの娘を誘拐する夢を見た」と言います。これは Liam Neeson (リーアム・ニーソン) 主演＆Pierre Morel (ピエール・モレル) 監督『96時間』（2008年）が元ネタです。Liam Neeson は、Clint Eastwood (クリント・イーストウッド) 主演＆Buddy Van Horn (バディ・ヴァン・ホーン) 監督『ダーティ・ハリー5』（1988年）、原題『The Dead Pool』 に出演しています。

8. ウェイドのガンを「治せる」と言いに来る人物をウェイドは「エージェント・スミス」と呼びます。元ネタはKeanu Reeves (キアヌ・リーブス) 主演＆ ウォシャウスキー兄弟（当時）監督『マトリックス』（1999年）に出てくる警察組織のソフトウェアです。

9. デッドプールがコロッサスと戦って手足を骨折するシーンの元ネタは、Terry Gilliam (テリー・ギリアム) 監督『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』（1974年）、手足を失っても「痛くない」と言って戦い続ける黒騎士です。

10. 映画の最初に映るスターバックスのカップには「Rob L」と書かれています。これは『デッドプール』の生みの親、Rob Liefeld (ロブ・リーフェルド) のことです。また、ストリップクラブのDJとして Stan Lee (スタン・リー) がカメオ出演しています。

Robertliefeldさん(@robliefeld)が投稿した写真 – 2016 4月 25 11:45午後 PDT

Source:
marvel-movies.wikia.com/wiki/Deadpool_(film)_Trivia
www.uselessdaily.com/movies/deadpool-40-things-you-didnt-know-about-the-movie-list/