yoshio kubo 2017 Spring Summer Runway

いざネクストステージへ、yoshio kubo (ヨシオクボ) 2017年春夏コレクションの舞台裏に潜入

yoshio kubo 2017 Spring Summer Runway
yoshio kubo 2017 Spring Summer Runway
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いざネクストステージへ、yoshio kubo (ヨシオクボ) 2017年春夏コレクションの舞台裏に潜入

yoshio kubo 2017 Spring Summer Runway

東京デザイナー yoshio kubo (ヨシオクボ) による2017年春夏コレクションバックステージに潜入。オフィシャルスケジュールから3ヶ月前倒しのオフスケジュールで発表された今季、ブランドのシグネチャーである端正なテーラリングとスポーツウェアのミックススタイルをミニマルかつ都会的にシフトさせたルックが登場した。

これまで『The Fashion Post』ではあまり東京のブランドについてフォーカスしてこなかった。決して関心が無いわけではない。しかしパリやミラノ、NY のブランドに比べ、クリエイションという目線で見てワクワクするブランドが格段に少ない、というのが正直なところだ。

しかし yoshio kubo (ヨシオクボ) だけは別だ。贔屓目かもしれないが、東京ファッション・ウィークのスケジュールの中で、これほど安定感があり、実際に消費者として袖を通したいと思わせ、東京らしく、またクリエイションの面で置いても高いレベルを維持しているブランドは無いと断言出来る。だからこそ今回、オフスケジュールのランウェイショーを開催すると聞いたときワクワクしたのだ。オフィシャルのスケジュールから前倒しして開催した理由は他でもない、グローバルマーケットを視野に入れてのこと。創立12年を迎え、再び新たなステージに挑むべくロゴも一新した。ちなみに新ロゴは、デビュー当時に使われていた名前を用いている。

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今季ファーストルックで登場したのは、メッシュのインナーを合わせたテーラリングルック。いつものことながら、シャープなテーラリングのジャケットには、スリーブ部分にスポーティーな異素材の切り替えが取り入れられている。これまでの yoshio kubo のショーであれば、ここにアヴァンギャルドなヘアメイクを合わせるところだろう。しかし今回のヘアメイクはいたってシンプルかつクリーンに整えられていたのが逆に好印象だった。前半で登場したテーラリングルックではその他に、先シーズン2016-17年秋冬コレクションに続き新たに取り入れられたワイドレッグのトラウザー、そしてところどころほつれさせたルーレックス糸が表情豊かなゴールドのツイードをミックスさせたジャケットなどが登場。極めてシンプルなスタイリングからは、一目で分かるプリントや色使いではなく、よりディティールに注力した服作りで勝負したいという久保の意向が見て取れる。

中でも注目は、中盤で登場したメッシュ素材のシャツにプリントスカーフをサッシュ状に垂らしたルック。一見シンプルに見えるアイテムを、巧妙に組み合わせたハイブリッドなスタイリングは、エフォートレスでありながら東京らしくあり、極めてスタイリッシュだ。

ただし一つだけリクエストするとすれば、シューズにバリエーションが欲しかった。イーグル柄のジャカードやパテント、ルーレックスファブリックなど多様な素材で登場したベルクロのスニーカーは洋服との相性を考えてのことだろう。しかしブランドの次なるステップとして、トータルルックでのスタイルを打ち出すためには少々安全牌のように見えてしまう。ブランドにとって新たなステージを迎え、海外への挑戦を本格的に進めていく今、何を継承し、何を刷新していくのか。オーディエンスの期待は、これまで以上に高い。

HP: www.yoshiokubo.jp