Anthony Vaccarello (アンソニー・ヴァカレロ) による Saint Laurent (サンローラン)、デビューコレクションをパリで発表

Anthony Vaccarello (アンソニー・ヴァカレロ) による Saint Laurent (サンローラン) のデビューコレクションが、現地時間27日に発表された。今回ショーの会場となったのは、オルセー美術館からほど近いベルシャス通りの歴史的建造物。2014年までフランス軍に所有されていたこの建物は、2年後の2018年には Saint Laurent のヘッドクォーターとして改修される予定だという。

コレクションのインスピレーションとなったのは、メゾンの創設者 Yves Saint Laurent (イヴ・サンローラン) のミューズでありデザイナーの Paloma Picasso (パロマ・ピカソ)、そして彼女にインスパイアされて1972年に発表されたかの有名な「Scandal (スキャンダル)」コレクション。昨年の7月には、パリの Fondation Pierre Bergé-Yves Saint Laurent (ピエール・ベルジェーイヴ・サンローラン財団) にて展覧会が開催されたことも記憶に新しいこの伝説のコレクションは、ナチス占領下の40年代のフランスをテーマにしていること、また過激なセクシャルイメージで、その名の如く大きなスキャンダルとなった。そして今回のコレクションでは、この「Scandal」コレクションをはじめ、メゾンの膨大なアーカイブから多様なインスピレーションを得て制作されたようだ。

ファーストルックで幕を切ったのは、ブラックのレザードレス。特徴的なバストのカットラインと、ギャザーを寄せたショルダーのディティールは、ブラックのレザードレス。アメリカ版『Vogue (ヴォーグ)』の Sarah Mower (サラ・ムーア) 評によると、このルックは1982年に発表されたパフスリーブのドレスをアレンジしたものだという。

比較的ミニマルなブラックのルックが登場した前半に比べ、中盤にかけてショーは次第に華やかさと過激さを帯びていく。トップスはブラックレザーからシフォンやレースをはじめシアーな素材に代わり、パフスリーブはサッシュベルトで繋がれた片側のみのショルダーピースへとアレンジされた。そしてフィナーレには、ワイルドなアニマル柄のベルベットを用いたワンショルダードレスが登場。ショルダーラインは、なるほど先のアーカイブを思わせる鋭角に尖ったシェイプへと仕上げられている。

「スタイリングではなく、デザインで勝負したかった」と『Business of Fashion (ビジネス・オブ・ファッション)』のインタビューで語っている通り、ミニマルなスタイリングとヘアメイクでまとめられていたのは、恐らく新たなブランドの方向性を見定める上で重要な要素だろう。実際、大きくせり出したショルダーラインのドレス、そしてメゾンの象徴的な「カサンドラ」ロゴをヒールに用いたユニークなシューズは、ソーシャルメディア上で一晩のうちに世界中で大きな話題となっている。

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問い合わせ先／イヴ・サンローラン 0570-016655
HP: http://www.ysl.com