From Portugal To World; 5 Designers To Know From Moda Lisboa

リスボンファッションウィーク特集、ポルトガルから発信される次世代のスターデザイナー5組

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From Portugal To World; 5 Designers To Know From Moda Lisboa
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リスボンファッションウィーク特集、ポルトガルから発信される次世代のスターデザイナー5組

From Portugal To World; 5 Designers To Know From Moda Lisboa

ポルトガルの夏は暑い。地中海気候のこと、毎年暑かったり寒かったり予測できないとはいえ、日中の強い日差しを前にサングラス無しでは過ごせまい。ポルトガルといえば、16世紀から貿易で栄え、日本でも「南蛮渡来」といえばこの国のことを指すほどよく知られた国だが、最近ではめっきり日本人人観光客が少なくなったと聞く。イタリアやフランス、スペインのように派手な観光名所も無いことが原因か。しかし、中世の趣を色濃く残す街づくりと近代的な工業施設、開放感溢れる地中海気候とパームツリー、そしてどこか田舎っぽさを感じさせる街のいたるとことに描かれたストリートグラフィティは、ヨーロッパのほかの国には無い独特の郷愁を放っている。

ポルトガルの夏は暑い。地中海気候のこと、毎年暑かったり寒かったり予測できないとはいえ、日中の強い日差しを前にサングラス無しでは過ごせまい。ポルトガルといえば、16世紀から貿易で栄え、日本でも「南蛮渡来」といえばこの国のことを指すほどよく知られた国だが、最近ではめっきり日本人人観光客が少なくなったと聞く。イタリアやフランス、スペインのように派手な観光名所も無いことが原因か。しかし、中世の趣を色濃く残す街づくりと近代的な工業施設、開放感溢れる地中海気候とパームツリー、そしてどこか田舎っぽさを感じさせる街のいたるとことに描かれたストリートグラフィティは、ヨーロッパのほかの国には無い独特の郷愁を放っている。

何故突然ポルトガルに来たかというと、スペイン人の友人でありファッション誌『Fucking Young(ファッキン・ヤング)』の編集長 Adriano Basista (アドリアーノ・バティスタ) の誘いをうけ、「リスボン・ファッションウィーク (通称 Moda Lisboa (モーダ・リスボア)」に招待してもらったことがきっかけである。聞くところによると、ポルトガルでは首都のリスボンにて開催される「Moda Lisboa」に加え、北の方に位置する港町ポルトにて開催される「ポルトガル・ファッションウィーク」の2つのファッションウィークが毎シーズン行われ、前者は民営、後者は国の文化省が主催しているとのこと。それぞれ34日間に限定され、指定の会場で毎日89ものショーが矢継ぎ早に開催。現地の若手デザイナーから、現地のファッションシーンを牽引する人気デザイナー、そして海外から招聘されたゲストデザイナーまで参加ブランドは様々で、そのほとんどがまだ日本ではあまり知られていない。今回、初参戦の「Moda Lisboa」で発掘した5人の将来有望なデザイナーの最新2017年春夏コレクションを紹介したい。新しいヨーロッパデザイナーを血眼になって探しているバイヤー勢の参考になれれば、これ幸い。

「リスボン・ファッションウィーク」期間中に開催される若手デザイナー支援プロジェクト「Sangue Novo (サングエ・ノヴォ)」。2013年よりローンチし、今季で7回目を迎えるこのコレクティブ・ショーは、ポルトガル国内、そしてヨーロッパの諸外国から選定された若手デザイナー10組前後がピックアップして一つのショーとして披露する、言わば日本の装苑賞のようなもの。今季2017年春夏シーズンにおいては、過去最大となる11組のデザイナーをキュレート。中でも目を引いたのは、ドイツからゲストデザイナーとして招待された Hermione Flynn (ハーマイオニ・フリン) だ。デザイナーの Hermione Flynn (ハーマイオニ・フリン) は、デザイナーのほかにパフォーマンスアートや映像制作など幅広いフィールドで手腕を発揮する気鋭アーティストだ。ブランドのコンセプトは「メンズのためのドレス」。特にジェンダーレスファッションが浸透する東京のファッションシーンで大いに受け入れられるのではないか、と想像しながらブルーのタフタがはためく様子に目を凝らした。

HP: www.hermioneflynn.com

聞くところによると、ポルトガルのファッションシーンきっての実力派メンズウェアデザイナーだという。デザイナーの名前は Nuno Gama (ヌノ・ガマ)。今季コレクションの会場には、リスボン中心地に構える国営施設 Museu de Marinha (海洋博物館) が選ばれた。ルネサンスの古き良き時代を思わせる船舶がところ狭しと陳列されたランウェイで登場したのは、テーラリングをベースにしたマリンルック。中には「南蛮渡来」の趣を感じさせるオリエンタルな意匠が取りれられたルックも登場し、古くから貿易産業で栄えたポルトガルの文化的背景が垣間見えるラインナップとなった。ポルトガルらしいこんがり焼けたテラコッタスキンに隆々しい筋肉質のモデル。それをさらに際立たせるようなタイトなサイジングとマイクロミニのショーツ。日本ではなかなか見られないような、蛍光色にも見えるほど真っ白なシャツに強烈なタンジェリンオレンジのコントラスト。プレス向けの室内のショーに次いで、外の庭園で行われた一般の観客向けのショーが終わるころには、あまりの熱気に軽く目眩がするほどだった。これは気候によるものか、はたまたお色気モデルによるものか。

HP: www.nunogama.pt

どの国にもローカルセレブリティというものは存在する。しまいには隣の美女が熱烈なフォトコールを受けるのを見ながら「この人は誰なんだろう」と考える始末。しかしポルトガルにもインターナショナルセレブリティはいる。その中の一人が、メンズモデルの Luis Borges (ルイズ・ボルジェス)。個性的なアフロヘアと彫刻のような端正な顔立ちで、世界中のランウェイに引っ張りだこのイットボーイは、ポルトガルファッションシーンのスーパースターだ。彼がランウェイで歩いたブランドのひとつ Kolovrat (コロヴラット) は、今季スケジュールの中でも印象に残ったメンズブランド。テーラリングをモダンに解釈したミニマルスタイルには、オリエンタルなキモノシルエットやパンクテイストのディティールなどが取り入れられ、そのまま東京のストリートキッズにも似合うのではないかと想像を膨らませられた。

東コレに同じく、ポルトガルのファッションウィークはメンズが強い。ウィメンズウェアといえば「誰が着るの?」と聞きたくなるようなコスチュームや、「これランウェイショーで見せる必要ある?」と疑問に思うような退屈なリアルクローズばかりが目につく一方で、メンズウェアは比較的リアリティがありながらクリエイティブとの両立で成功しているケースが多く見受けられた。その代表的な例が、Dino Alves (ディーノ・アルヴェス)。ポルトガルの漁村、アナディアに生を受けた Dino Alves (ディーノ・アルヴェス) は「リスボン・ファッションウィーク」でもよく知られた中堅デザイナーだ。今季2017年春夏コレクションでは、チュールを幾多にも重ねたコンセプチュアルなウィメンズウェア、そしてポップな色使いとオーバーシルエットが印象的なメンズウェアを発表。フィナーレでは砂をかぶったモデルが登場し、異国情緒溢れるストーリーを完成させた。

HP: www.dinoalves.eu

アヴァンギャルドを持ち味にするデザイナーにとって、パブリシティはブランドの成功における必要必須要素だと言えるだろう。だからこそ、才能あるデザイナーはパリやロンドンに拠点を移す。ランウェイで披露されたルックをそのまま着られるコマーシャルブランドと異なり、プレゼンテーションでいかにジャーナリストやスタイリストに強い印象を与えられるか。それによって、スターデザイナーになるか、時代遅れのモード至上主義者になるかが分かれる。それを踏まえた上で、ポルトガルのファッションシーンにおけるアヴァンギャルドの騎手、Richardo Andrez (リチャード・アンドレス) のコレクションを見てみよう。今季で8シーズン目となる2017年春夏コレクションでは、モデル全員が全身タイツを着用し登場。キッチュなプリントと端正な仕立て、そしてパンクスタイルを思わせるディティール使いはなかなかの完成度だが、あまりに異様な黒子の演出に、逆に洋服に目が行かなかったというのが正直なところだ。エキセントリックなものを求めてポルトガルに来ている人がどれだけいるかは謎だが、シンプルなヘアメイクで見せた方が洋服の印象が残ったのではないかとも思う。

HP: ricardoandrez.blogspot.jp