マリア・グラツィア・キウリによるディオール秋冬コレクションが誘う、深遠なる青の時代
News
マリア・グラツィア・キウリによるディオール秋冬コレクションが誘う、深遠なる青の時代
Blue Period, Prelude To Rose. Maria Grazia Chiuri's Dior Fall 2017
Maria Grazia Chiuri (マリア・グラツィア・キウリ) による Dior (ディオール) の2017-18年秋冬 ウィメンズウェア コレクション。インスピレーションとなったのは、メゾンの創設者 Christian Dior (クリスチャン・ディオール)、通称ムッシュによって1949年秋冬 オートクチュールコレクションで発表されたフレアシルエットのセットアップ『Chevrier (シェヴリエ)』。ネイビーというアイコニックな色をベースに、全68体のルックがランウェイを彩った。
偉大なるスペインの画家 Pablo Picasso (パブロ・ピカソ) の黎明期にあたる「青の時代」。Joan Miró (ジョアン・ミロ) の代表作「Triptych Bleu I, II, III (青い星)」。Marc Chagall (マルク・シャガール) が手がけたザンクトシュテファン教会の青いステンドグラス。そして Johannes Vermeer (ヨハネス・フェルメール) の代表作『真珠の耳飾りの少女』を傑作たらしめたラピスラズリの青い色彩。深淵なる輝きを湛えたこの青という色彩を、かつてムッシュ Christian Dior (クリスチャン・ディオール) は自著『The little dictionary of fashion』において「ブラックにひけをとらず、同様の素晴らしい効果をもたらすことができる唯一の色」と表現した。
the only one which can ever compete with black
今回 Dior (ディオール) の2017-18年秋冬 ウィメンズウェア コレクションにおいて、アーティスティック ディレクターの Maria Grazia Chiuri (マリア・グラツィア・キウリ) は、1949年秋冬 オートクチュールコレクションにおいて発表された『Chevrier (シェヴリエ)』に着想を得て、様々な解釈の「ブルー」を表現している。
ファーストルックで登場したのは、双子モデルの Ruth Bell (ルース・ベル)。祭服をイメージしたフード付きのウールのプルオーバーには、先シーズン2017年春夏コレクションに引き続きジェンダーレスなパンツが合わせられている。
全68体のルックが登場したランウェイでは、中盤にかけてワークウェアから影響を受けたと見られるデニムのルック、そして後半ではオーガンザやプリーツのジョーゼット、タフタ、ベルベットなど様々なクチュールファブリックを用いてデイルックとイヴニングルックを交錯させたドレス群が登場。終盤でいくつかエクリュやゴールドのルックが登場するも、ほぼ全てのルックがネイビーブルーという徹底ぶり。
神秘的でありながら実用的、静謐でありながら情熱的。Nina Simone (ニーナ・シモン) の『Blue Prelude』の退廃的な音色に乗せて繰り広げられる Maria Grazia による「青の時代」は、その単調なカラーストーリーに反して、無限の可能性と深遠さ、そしてこれから続くであろう「バラ色の時代」を示唆しているように見える。
問い合わせ先/クリスチャン ディオール 0120-02-1947
HP: www.dior.com