open the door to a new world of scents vol.5 Palosanto

【香料連載】 第5回 パロサント

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【香料連載】 第5回 パロサント

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photography: So Mitsuya
text: AYANA
edit: miwa goroku

フレグランスを構成する<香料>を軸に、ファッションフレグランスからニッチなメゾンフレグランスまで、気になる香りをピックアップ & アーカイブしていく本連載。ビューティライターの AYANA が香りの魅力を紐解きます。ヴィジュアルは、独自のデジタルコラージュで注目を集める写真家・三ツ谷想が担当。5回目のテーマは「パロサント」。浄化のインセンスとして注目を集める香木は、フレグランスの香料としても最近気になる存在です。

Le Labo (右): シダーウッド、ラブダナム、インセンス、パチュリをプラスしたホームフレグランス。あたたかで思慮深い香りが空間に満ちる。WOODLOT (左): エクアドルに生息するパロサントから、倒れた木のみを選別したサスティナブルなスティック

人間が生活のなかで香りを使う、そのはじまりは紀元前3000年のメソポタミアといわれます。木や樹脂を火にくべて焚く「薫香」です。香りの煙は神々に祈りや感謝の意を捧げるものであり、個人的に身につけるものではありませんでした。薫香文化はいまでもインセンスとして残っており、空間の浄化や、ヨガや瞑想などの精神コントロールサポートを目的として使われます。

20世紀末あたりのお香ブームを経て、いま浄化のインセンスとしてメジャーなのは、まずインディアンの儀式で使われてきたホワイトセージが挙げられますが、ここ数年でメキメキと頭角を現しているのがパロサントです。パロサントは何千年も前からペルーに存在し(原産はエクアドルのガラパゴス諸島)、空間の浄化や、宗教・魔術的儀式に使われてきた香木です。「聖なる木」の名前の通り、邪悪なスピリットはこの香りを忌み嫌い、善良なスピリットは惹かれるとされ、南米では病気の治癒をサポートするためにも使われます。

パロサントの木片は樹脂を豊かに含むため、火をつけるとすぐ炎が煙に変わり、クリーミーで神秘的な甘い空気を放ちます。あたたかさのなかに、どこかきりっとした苦味が潜んだ樹木ならではの神聖な香り。これは怒りや緊張といった感情に働きかけ、落ち着きとバランスを携えた楽観的な心の状態をもたらすともいわれます。

このパロサントの香りを扱ったフレグランスもまた続々と誕生しています。パロサントは浄化の香りではありますが、意識をクリアにする澄んだ印象というよりは、重い荷物を手放して、喜びを胸に軽やかに生きて行こうよ、というメッセージが感じ取れます。インスピレーションに満ちたやわらかな世界への道しるべを、昨今の調香師たちが求めているのかもしれません。

 

(左から) NEBBIA: 苔や露の織りなすしっとりとした世界にあわさるパロサントの香りが幻想的。CELINE: 太陽と音楽。開放的な夢の世界をアイリスやツリーモスのパウダリーノートとともに。ORRIS SAGUARA PERFUMES: カリフォルニアのハンドメイド。セージや月桂樹などによるマニッシュで神聖な空気。Regime des Fleurs: クロエ・セヴィニーとの共作。彼女の愛するモチーフを詰め込んで

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