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5月の TFP 的おすすめ本

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5月の TFP 的おすすめ本

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「本は時代を映す鏡」とも言われている。さまざまなメディアから情報を得やすくなった昨今、紙をめくりながら文化に触れる味わいを体感してほしい。そんな思いから、代官山 蔦屋書店、Hi Bridge Books、flotsam books が “今” 読んでほしい本を独自の視点でピックアップ。今月は、ビジュアルブックを中心にジャンルレスなセレクトを手がける Hi Bridge Books から4冊ご紹介。

Fountains 22-23

ニューヨークを拠点に活動するアーティスト Nick Atkins (ニック アトキンス) による『Fountain 22 – 23』。10年間にわたり、Foutain (噴水) をモチーフにインスタレーション、ドローイング、ペインティングなどの手法を用いて、人や場所、歴史的なストーリーを彼独自の解釈で捉えアート制作を行っています。本作は日本で開催した2つの個展のドローイング作品をまとめた ZINE で、今年 Hi Bridge Books で開催した展示、アメリカ人のポートレートとして噴水を描いたシリーズ ”Juceful” のドローイング作品も含まれています。光と影が同居する、独自のイマジネーションから生まれた作品が見どころです。

Luna 10 Years


2012年に発足したアート・コレクティブ「8 – Ball Community」の共同設立者でもある Lele Saveri (レレ サヴェリ) の写真集 『Luna 10 Years』。本書は2014年10月から2024年10月までに制作された『Luna』全124冊の ZINE をまとめた一冊。Luna は月が写真家の個人的な生活に与える影響を記録したビジュアルアーカイブ。サヴェリが満月のたびに自主制作のジンを発行しサヴェリが経験した出来事、出会い、そして周囲の風景が記録されています。ニューヨーク市の街角の風景 (現在サヴェリは救急医療サービスで働いています)、友人や見知らぬ人々のポートレート、街頭抗議活動、そして日常の中で見落とされがちな静かな一瞬などが含まれています。5月12日(月)満月の日には HiBridge Books で Lele Saveri を招いて Luna 10 Years の展示イベントを開催します!

atlas

メキシコを拠点に活動するクリエイティブユニット「Xpan」が2024年に創刊したマガジン『atlas』Xpan は Made in Mexico でハンドメイドでスピーカーをつくり、スペースを生み出し音楽を通じてコミュニティを形成しています。サウンド・システムを連想させるクラシックなスタイルですがクリエイティブはかなり最先端。創刊号となる今号はこのプロジェクトで形成したメキシコのアーティストコミュニティで構成されており、私の知らないメキシコ、いままさに始まっている新しいカルチャーがここにはありました。現在、2号目も製作していると聞いているので、次号も楽しみです。

Shaniqwa Jarvis


本書は現在 L.A をベースに活動するアーティスト Shaniqwa Jarvis (シャニクワ ジャービス) の2017年に出版され瞬く間に完売し、長らく絶版状態だった同タイトルの仕様を一新し発売したセカンドエディション。同写真集はシャニクワの深く個人的なストーリーと「SUPREME」や「NIKE」などの彼女がこれまでに撮り下ろしてきたブランドのキャンペーンビジュアルが収録されています。エネルギッシュな彼女の鮮やかなポートレートは彼女自身のように多くの人を惹きつける魅力的な写真です。旧友でもある写真家 Ryan McGinley (ライアン・マッギンレー) による序文が収録されています。