10月の TFP 的おすすめ本
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10月の TFP 的おすすめ本
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「本は時代を映す鏡」とも言われている。さまざまなメディアから情報を得やすくなった昨今、紙をめくりながら文化に触れる味わいを体感してほしい。そんな思いから、代官山 蔦屋書店、Hi Bridge Books、flotsam books が “今” 読んでほしい本を独自の視点でピックアップ。今月は、ビジュアルブックを中心にジャンルレスなセレクトを手がける Hi Bridge Books から4冊ご紹介。
MENKO TOYS 2
パリを拠点に活動するアーティストであり蒐集家(しゅうしゅうか)の一面ももつ Antwan Horfee (アントワン・オルフィー) による、メンコのコレクションを網羅した一冊。本書は2019年に出版され、今ではセカンダリーマーケットでも入手困難となっている『MENKO BOYS』の続編にあたるもの。私たちにはどこか懐かしく、世代によっては聞いたことがあるような、ないような庶民の遊びメンコ。さまざまな形に切り抜かれた台紙の上には、当時の人気キャラクターや野球選手、力士などが色鮮やかに描かれている。馴染みのあるものだからこそ、どんな視点で眺めるかは人それぞれ。スマートフォンをスワイプする手を一度止めて、ページをめくりながら記憶と空想の世界に浸りたくなる一冊だ。
XO1
ニューヨークでマルチディシプリナリー アーティストとして活動する Sara Yukiko (サラ・ユキコ) が、自身の記憶や衝動、そして偶然の狭間から生まれたイメージを集積させた本作。内容は、パーソナルな感覚でありながら、どこかインターネット上に漂う消費の記号のようにも感じさせる。そのような次世代の感性が、現代に新たな価値と視点をもたらす。10月末には、Sara Yukiko 本人を招いたサイン会が Hi Bridge Books にて開催予定。ぜひ足を運んでみては。
PSYLYF BOOK
オーストラリアのファッションブランド Perks And Mini (パークス アンド ミニ) のファウンダーでもある、Misha Hollenbach (ミーシャ・ホレンバック) による約10年間に及ぶスナップショットを424ページにわたりまとめた傑作。パリ、ロンドン、オーストラリア、日本と多岐にわたり撮影された本書は、ビビットな色彩で構成され、まるで Misha Hollenbach の夢の中に引き込まれるよう。デザインは、彼の旧友でもあるクリエイティブユニット M / M PARIS (エムエムパリス) が担当。近年ではなかなか出会えない、見応えと完成度を兼ね備えたスナップ本だ。
SILENT AUCTION 2020
大阪のショップ Essential Store (エッセンシャル ストア) が、2020年に開催した「SILENT AUCTION (サイレントオークション)」に出品されたオブジェクトをまとめた作品集。世界各地から時代を超えて集められた品々は、当初の文脈から離れ、まったく新しい視点のもと、これからの私たちの価値を作っていくものたち。この内容を5年前に発表していたという事実には、その先見性を感じずにはいられない。















