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「今、観るべき」「今からでも観れる」映画を月替わりでご紹介。東京都心で公開中の映画を中心に、
The Fashion Post (ザ・ファッションポスト) 編集部おすすめの作品を、大型シネコンからミニシアターまでセレクト (毎週火曜更新)。
アンディ・ウォーホール「ANDY WARHOL – SERIAL PORTRAITS」

©The Andy Warhol Foundation for the Visual Arts, Inc. / Licensed by Adagp, Paris 2025 Courtesy of the Fondation Louis Vuitton, Paris / Photo credits: Jérémie Souteyrat / Louis Vuitton
ポップアートを代表するアメリカ出身のアーティスト Andy Warhol (アンディ・ウォーホル)。20世紀のアメリカ文化を代表するアイコン Marilyn Monroe (マリリン・モンロー) や、Elvis Presley (エルヴィス・プレスリー) などを印象的に描き、大衆に親しみある作品を数多く残した人物である。「ANDY WARHOL – SERIAL PORTRAITS」展では、Warhol が生涯にわたり着目し続けた、アイデンティティやイメージの操作とは何かという問いをテーマに焦点を当てる。会場には、初期の貴重なドローイング作品から代表的な晩年のセルフポートレート、知られざる作品まで、厳選して紹介される。映画やテレビをはじめとする、あらゆるメディアに露出していた同氏は、ウィッグやサングラスを用いた多彩なキャラクターになりきり、注目を集めていたという。そんな数々の人物像が収められたポートレートは、外見を自在に操ることのできる Warhol の手腕を物語っており、アイデンティティやイメージの操作とは何かという問いを鑑賞者に投げかける。同氏の革新的な発想力に迫る本展にぜひ立ち寄ってみては。
会場: エスパス ルイ・ヴィトン東京
住所: 東京都渋谷区神宮前5-7-5 ルイ・ヴィトン表参道ビル 7F
会期: 10月2日(木)~2026年2月15日(日)
時間: 12:00-20:00
HP: jp.louisvuitton.com
「TYPE-XIII Atelier Oï project A-POC ABLE ISSEY MIYAKE : 一枚の布から生まれる、新しい光のかたち」

1988年に、ISSEY MIYAKE (イッセイミヤケ) より発表されたプロジェクト A-POC (エイポック) とは、「A Piece of Cloth (ア ピース オブ クロス)」の略称。その名の通り「一枚の布」というブランドの根幹にある理念を体現し、服づくりのプロセスを変革し、着る人が参加する新しいデザインの在り方を提案してきた。2021年には、このプロジェクトの持つ無限の可能性を社会に現実化「ABLE」 させていく A-POC ABLE ISSEY MIYAKE が生み出された。今回のエキシビションでは、建築やインテリアデザインなど多岐に渡る活動で知られる、スイスのデザインユニット Atelier Oï (アトリエオイ) と共同で創り出したインスタレーション作品を紹介。2025年4月のミラノデザインウィークで発表された「一枚の布」と「一本のワイヤー」を融合させた2つの新たな照明器具シリーズがお披露目される。ミラノでの発表時に公開されたプロトタイプを中心に、東京会場では新たな構成で展開される。お互いの視点や技術を交差させ、「一枚の布」という視点を追求した本プロジェクト。国際的に認められた、美しさと機能性を兼ね備えた照明の世界を心ゆくまで体感してみてほしい。
会場: 21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3
住所: 東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
休廊日: 火
会期: 10月1日(水)~11月24日(月)
時間: 10:00-19:00
HP: www.isseymiyake.com
ジェレミー・エルキン「Upmost for the Highest」

東京を拠点に活動するカナダ人の写真家兼、映像作家 Jeremy Elkin (ジェレミー・エルキン)。スケートボードから得た独自の哲学、バックグラウンドを活かした作品で知られており、映像・写真・音楽といった領域を横断しながら、主要ブランドやアーティストとともにコンセプトからリリースまで手掛けている。本展は、SUPER LABO (スーパーラボ) より刊行された、Jeremy Elkin の初写真集『Upmost for the Highest』を記念して開催される。また、2009年に東京に設立された SUPER LABO STORE TOKYO が再出発するにあたり、その新たな門出を記念する特別なエキシビションでもある。同書に収録された59点の写真は、彼が構想中の映画に向けて2度訪れたジャマイカで記録されたもの。ミュージシャン、レコードディレクターなど、現地の音楽を支える人々との出会いを、フィルムカメラならではの質感で一層リアルに捉えている。その中には、レゲエの伝説的アーティスト Barrington Levy (バリントン・リーヴィ) の自宅での貴重な姿も収録。その他にも、ダブのパイオニア Augustus Pablo (オーガスタス・パブロ) の息子である ADDIS PABLO (アディス・パブロ) が Bob Marley (ボブ・マーリー) が創設した Tuff Gong International Studio (タフ・ゴング・インターナショナル・スタジオ) で行ったレコーディングセッションの様子も掲載されており、見どころ満載な展示となっている。今まで高解像度で記録されてこなかったジャマイカのミュージックシーンの背景に焦点を当てた本展。Elkin の作品群からジャマイカの歴史の真髄にぜひ触れてみてほしい。
会場: SUPER LABO STORE TOKYO
住所: 東京都千代田区神田猿楽町 1-4-11
会期: 9月26日(金)~10月25日(土)
休館日: 月、火
時間: 12:00-18:00
HP: superlabo.com
国立新美術館 「ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧」

1884年ローマで創業した宝飾品ブランドであり、世界5大ジュエラーにも数えられているBVLGARI (ブルガリ)。10年ぶりの日本開催となる本展「ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧」は、日本における過去最大規模の企画展として行われる。展覧会タイトルに含まれる「カレイドス」は、「美しい (カロス)」、「形態 (エイドス)」を意味するギリシャ語を由来としており、美と創造性が調和した、変化し続ける色彩世界を象徴する言葉となっている。メゾンが誇る豊かな色彩にフォーカスした展示は、ブルガリ・ヘリテージ・コレクションをはじめ約350点ものマスターピース、そして没入型のインスタレーションにより構成。集結したジュエリーは、メゾンの創造の歩みを辿りながら、イタリアと日本のアート、デザインに対する情熱を描き出している。また本展は、「色彩の科学」、「色彩の象徴性」、「光のパワー」という3つの章で展開されており、BVLGARI の色彩の魅力を解き明かす貴重な機会となる。第1章「色彩の科学」では、色彩の効果に科学的にアプローチし、厳選したアイコニックなジュエリーを通して色彩の相互作用を明らかにしていく。第2章「色彩の象徴性」では、色の文化的・象徴的な側面を深く掘り下げ、色彩の選択を通じてどのように意味や感情を伝えられるのかについて注目。最終章「光のパワー」では、我々が色を感知する際の光の役割に着目し、シルバーやゴールドといった反射する素材において光がどのように作用するかを観察する。BVLGARI が誇る色彩豊かなジュエリーを通してメゾンの物語を辿る本展。展覧会に足を運び、さながら万華鏡のように鮮やかな彩りの世界へ飛び込んでみてほしい。
場所: 国立新美術館
住所: 東京都港区六本木7-22-2
会期: 9月17日(水)~12月15日(月)休館日: 毎週火曜日
時間: 10:00-18:00 (毎週金・土は20:00まで) *入場は閉館30分前まで
入場料: 一般2300円、大学生1000円、高校生500円 *中学生以下は入場無料、障害者手帳をご持参の方 (付添の方1名を含む) は入場無料 *日時指定制
HP: www.nact.jp
松永圭太、橋本知成「The Shape of the Intangible 触れられないもののかたち Keita Matsunaga Tomonari Hashimoto」

1986年生まれ、岐阜県出身の陶芸家・松永圭太と、1990年生まれ、滋賀県信楽を拠点に活動する橋本知成。この二人の作品が一堂に会する展覧会「The Shape of the Intangible 触れられないもののかたち Keita Matsunaga Tomonari Hashimoto」は、まさに現代陶芸の新たな地平を切り拓く試みだ。松永圭太は泥漿 (粘土を液状化させたもの) を型に流し込む鋳込み成形という技法を用いた作品で知られる。近年は、アメリカのアートギャラリー Nonaka Hill (ノナカ・ヒル) で定期的に展覧会を開催するなど、精力的に活動を続けているアーティスト。橋本知成は、陶芸という枠に収まらず、特徴のある金属質な表情をもった作品群で高い評価を得ている。彼の作品の魅力は、インスタレーションが空間そのものと共鳴し、新たな風景を生み出すところにある。異なる技法と視点を持つ2人が織りなす、「The Shape of the Intangible 触れられないもののかたち Keita Matsunaga Tomonari Hashimoto」展では、「土」という共通の素材に光を当てた新作の立体作品が並ぶ。両氏がどのように、「触れられないもの」に「かたち」を与えるのか。「かたち」があるようで「かたち」にならないものの探求を表現する試みである本展。静謐でありながら、強い存在感を放つ作品を目の当たりにしてみて。
会場: 和光 本店地階 アーツアンドカルチャー
住所: 東京都中央区銀座 4-5-11
会期: 10月2日(木)~10月15日(水)
時間: 11:00-19:00
HP: www.wako.co.jp
Life is beautiful「衣・食植・住 ”植物が命をまもる衣や家となり、命をつなぐ食となる”」

東京・祐天寺のレストラン babajiji house / eatrip kitchen (ババジジハウス / イートリップ) を主宰する料理人の野村友里。料理人として生産者と関わる中で、「食」の多くは「植物」であり、あらゆる生命の循環のベースとなる「土」にあるという意識を持つようになったという。本展のタイトル「Life is beautiful (ライフ・イズ・ビューティフル)」は、料理という生業がこの循環の一部となれるよう、現代にふさわしい「食」と「暮らし」の関係を見つめ直すという意味が込められたもの。2021年には、命をまもる「衣」を、2023年には安心して暮らす「住」をテーマにした展示を開催してきた。そして、シリーズの最終章となる本展では、私たちの衣食住のすべてに精通する「米」を「食」の視点から着目する。稲の収穫後に残る茎「稲わら」)に焦点を当て、伝統技法と現代的感性を融合させた衣服や家具などを制作するクラフトユニット・Straft (ストラフト)。土の力強さや温かみが感じさせる陶芸家・小野哲平。岐阜県多治見市を拠点に、型や手捻り、ろくろなど多様な手法で器や壺を生み出す陶芸家・故金あかり。そして田畑で土から育み食材を栽培することと、食のための器をつくることを地続きの行為として行う陶芸家・十場 天伸など、さまざまな表現者の作品を紹介。「日本人は、なぜお米を食べるのだろう?」という根源的な問いを見つめ、鑑賞者とともに「衣食住」の未来へと思いを巡らせるエキシビションとなる。都会の喧騒にいるとつい忘れがちになってしまう、「食」への感謝。本展を訪れることで、命を紡ぐ「衣食住」の本質がきっと見えてくるはず。
会場: GYRE GALLERY
住所: 東京都渋谷区神宮前5-10-1
会期: 10月10日(金)~11月27日(木)
時間: 11:00-20:00
HP: gyre-omotesando.com
ボアダムス「mapocy」

伝説的バンド BOREDOMS (ボアダムス) は、EYE (アイ) が中心となり1986年に結成された日本のオルタナティブ・ロックバンド。アメリカのロックバンド Nirvana (ニルヴァーナ) のオープニングアクトや同じくアメリカのロックバンド Sonic Youth (ソニック・ユース) との共演で知られている。世界のアンダーグラウンド音楽シーンで確固たる地位を築いたBOREDOMS は、創設者である EYE を中心に実験的なパフォーマンスを展開し続けてきた。今回のエキシビション「mapocy」は、ビジュアルアーティストとしても活躍する EYE の個展となる。展示されるのは、1990年代以降、数多くのアートワークを発表してきた彼の最新作品。建設現場などで使われる緑と黄色の「合板 (コンパネ)」を素材とし、セル・オートマトンのオートマタ理論から着想を得た世界では、LED、シンバル、大型木枠 (ポップコーン) などを用いたインスタレーション空間が広がる。彼の独創的な眼差しが光るエキシビションをぜひ覗いてみて。
会場: SAI
住所: 東京都渋谷区神宮前 6-20-10 RAYARD MIYASHITA PARK South 3F
会期: 10月9日(木)~10月29日(水)
時間: 11:00-20:00
HP: saiart.jp
CHANEL「la Galerie du 19M Tokyo」

2021年、CHANEL (シャネル) が立ち上げた複合施設 le19M (ル ディズヌフエム)。この施設は、ファッション、インテリアを極めた約700人の職人が伝統技術を継承、発展させるために集ったユニークな複合施設である。今回、その思想を日本に伝えるプロジェクトとして開催される「la Galerie du 19M Tokyo」。本展は3つの章で構成され、工房の技術を映し出す没入型インスタレーション「le Festival (ル フェスティバル)」、日本とフランスの約30人の職人やアーティストによる作品を紹介する「Beyond Our Horizons (ビヨンド・アワー・ホライズンズ)」、そして創設100周年を迎える刺繍アトリエ・ Lesage (ルサージュ) の歴史をたどる「Lesage 刺繍とテキスタイル、100年の物語」が展開される。日本とフランスの伝統的な手仕事に敬意を表し、芸術、工芸、文化が垣根を越えて対話を追求し続ける le19M の姿勢を体現した「la Galerie du 19M Tokyo」展。この刺激的で遊び心溢れる自由な旅へ足を運んでみて。
会場: 東京シティビュー・森アーツセンターギャラリー
住所: 東京都港区6-10-1
会期: 9月30日(火)~10月20日(月)
時間: 10:00-18:30 (最終入館17:30) *毎週金曜日・土曜日・祝前日は19:30まで (最終入館18:30)
HP: www.chanel.com
「T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO」

2025年で7回目を迎える日本最大級の都市型アートフェスティバル T3 (ティースリー)。本イベントは、東京・八重洲、日本橋、京橋、銀座エリアを舞台にフェスティバル、フェア、育成事業の3つの柱をベースに展開される。主軸となるのは、東京の都市空間を活用して国際的なアーティストの作品を紹介し、写真を通じた文化観光の促進を目指す都市型芸術祭「T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO」。このコンテンツは、「庭/Garden」をテーマに、4つの企画展により構成されている。「City as Garden (シティ・アズ・ガーデン)」と題した企画展では、アメリカ・ニューヨーク出身のフォトグラファー Stephen Shore (スティーブン・ショア) やオランダ出身のフォトグラファー Melissa Schriek (メリッサ・シュリーク) が個展形式で出展。また、同時開催される「T3 PHOTO ASIA」は、アジアのギャラリーやアーティストが集結するアートフォト市場を形成し、グローバルな写真文化を牽引するアートフェアとなっている。今年は台湾をゲスト国に迎え、その豊かな写真遺産とアジアのクリエイティブ・コミュニティにおける存在感にスポットライトを当てた。セクションの1つである Masters (マスターズ) 展では、中国の伝説的な作家 Lang Jingshan (ラン・ジンシャン) のヴィンテージ・プリントの展示が行われる。都会の喧騒を忘れさせてくれる特別な写真展。東京に国際的アーティストの作品が一堂に会するこの機会をお見逃しなく。
会場: 東京・八重洲、日本橋、京橋、銀座エリアの屋内、屋外会場
住所: 東京都中央区八重洲
会期: 10月4日(土)~10月27日(月)
HP: t3photo.tokyo
「永遠なる瞬間 ヴァン クリーフ&アーペル ― ハイジュエリーが語るアール・デコ」

絡み合う花々、赤と白のローズ ブレスレット 1924年 プラチナ、エメラルド、ルビー、オニキス、イエローダイヤモンド、ダイヤモンド ヴァン クリーフ&アーペル コレクション © Van Cleef & Arpels
1906年にパリのヴァンドーム広場で誕生したハイジュエリー メゾン Van Cleef & Arpels (ヴァン クリーフ&アーペル)。世界5大ジュエラーの1つに数えられ、メゾンのシグネチャーである四つ葉のクローバーをモチーフにした「Alhambra (アルハンブラ)」コレクションは幸運のシンボルとして人気を博している。本展は、Van Cleef & Arpels のハイジュエリー作品を通じて「現代装飾美術・産業美術国際博覧会 (アール・デコ博覧会)」の100周年を祝す記念展。メゾンは、1925年に開催されたアール・デコ博覧会の宝飾部門においてグランプリを受賞しており、大きな話題となった。本展は、その博覧会の影響を大いに受けたという朝香宮邸 (現・東京都庭園美術館) を舞台に100年の時を経て、固い絆で結ばれた両者が出会う特別なエキシビションとなっている。会場に並ぶのは、グランプリに選ばれた作品の1つ「絡み合う花々、赤と白のローズ ブレスレット」 (1924年) や、メゾンの「パトリモニー コレクション」を中心とした歴史的な作品群。Van Cleef & Arpels に今なお引き継がれる匠の技の数々にはぜひ注目したい。アール・デコ博覧会100周年を記念する祝祭的な本展では、2つの美が織りなすハーモニーを感じさせてくれるはず。
会場: 東京都庭園美術館
住所: 東京都港区白金台5-21-9
会期: 9月27日(金)~2026年1月18日(日)
休館日: 毎週月曜日および年末年始(12月28日–1月4日) *祝日の月曜日(10月13日、11月3日、24日、
時間: 10:00-18:00 *11月21日(金)、22日(土)、28日(金)、29日(土)、12月5日(金)、6日(土)は20:00まで (入館はいずれも閉館の30分前まで)
入場: 予約制
HP: art.nikkei.com
藤岡亜弥「Life Studies」

©Aya Fujioka
1972年生まれ、広島県出身の写真家・藤岡亜弥。日本大学芸術学部写真学科を卒業後、台湾に渡り、その後ヨーロッパやブラジルなど世界を横断しながらカメラを用いて記録し続けてきた。代表作として、終戦後70年が経過した広島の今を捉えた作品集『川はゆく』がある。2007年から約5年間にわたって滞在したニューヨークにて撮影した写真をもとに制作された新刊写真集『Life Studios (ライフ ストゥディオス)』の刊行を記念した本展。藤岡がニューヨークのカオスティックな暮らしの中で、移ろう光を収めたスナップが紹介される。本シリーズからカラーとモノクロを織り交ぜた写真集収録168点から厳選し、さらに未収録作品も加えた35作品での構成に仕上がった。写真弘社の創業75年を祝し、新設されるギャラリー KOSHA KOSHA AKIHABARA (コウシャ コウシャ 秋葉原) にて開催される。ギャラリーのこけら落としとなる「Life Studies」を通して藤岡が持つ独特の眼差しを、ぜひ肌で感じてみて。
会場: KOSHA KOSHA AKIHABARA
住所: 東京都千代田区 東神田3-2-3
会期: 9月26日(金)~11月8日(土)
休廊日: 日・月
時間: 10:00-18:00
HP: www.shashinkosha.co.jp
LA MUSEUM「THE [DINNER] JEANS CLASSICS」

2002年創業のヴィンテージショップ LAILA (ライラ) が手掛けるオンラインミュージアム LA MUSEUM (ラ・ミュージアム)。今回の展覧会では、 N.HOOLYWOOD (N.ハリウッド) のデザイナー・尾花大輔が長年にわたりコレクションしてきた「ディナージーンズ」を公開。もともと作業着ジーンズが、ポケットに刺繍やセンタープレスを施すことでドレッシーなアイテムへと昇華した過程に、尾花は強く魅了され、収集するようになったという。「ディナージーンズ」という一言では、その多様性を捉えきれない本アイテムの多様性や、ジーンズのバックグラウンドをたっぷりと堪能することができるエキシビションとなっている。また、オンライン展覧会に合わせ、実際に手に取ることのできるオフライン展示も、東京と大阪で実施する。それぞれ異なる視点から、このジーンズの奥深さを感じ取れる機会となる。新しい芸術鑑賞のプラットフォームを通じて、ファッションの歴史そして息遣いを紐解いてみては。
場所: (1)LA MUSEUM
(2)Mister hollywood
(3)the newly
住所: (2)東京都渋谷区神宮前4-13-16 Mister hollywood 3F
(3)大阪府大阪市西区南堀江1-14-5 Mister hollywood Osaka 3F
会期: (1)9月25日(木)~
(2)9月25日(木)~10月5日(日)
(3)10月12日(日)~10月19日(日)
時間: (1)12:00スタート
(2)12:00-20:00
(3)12:00-20:00
HP: www.la-museum.com
永井天陽、川谷光平「The Garden」

1991年生まれの彫刻家・永井天陽。物や出来事へのささやかな疑いをきっかけに、人が無意識に抱く感覚や常識、認識への問いをテーマに活動してきた。どのような素材、技術を織り交ぜることで「まだ誰もみたことがないもの」を創作できるか。その可能性を探求し続けている。1992年生まれのフォトグラファー・川谷光平。東京を拠点に、商業プロジェクトと作品制作を軸に活動の幅を広げてきた。近い距離感から色鮮やかに被写体を捉える独自の作風は国内外から注目を集める。二人展「The Garden」では、庭をテーマにしたエキシビションを実施。どこか懐かしさを帯びた空間に、彫刻と写真の新作が展示される。「見る」という行為に着目した本展では、庭を単なる風景の要素としてではなく、鑑賞者に新しい視点を与えるモチーフとして捉えている。彫刻と写真で描く「庭」の世界は、日常を省みる機会、そして違う角度から捉え直すきっかけを与えてくれるはずだ。
会場: parcel
住所: 東京都中央区日本橋馬喰町2-2-14 まるかビル 2F
会期: 9月20日(土)~10月19日(日)
休廊日: 月・火・祝日
時間: 14:00-19:00
HP: parceltokyo.jp
小浪次郎「I.D 1986」

1986年生まれ、現在ニューヨークを拠点に活動するフォトグラファー・小浪次郎。ファッションブランドの広告ビジュアル、著名人の撮影などを幅広く手掛け、その鋭い視線で切り取る写真は、世界中のクリエイターから注目を集めている。彼の活動において、一貫しているのは、被写体との出会いを瞬時に捉える洞察力と生の強度であり、どの一枚にもリアリティとエネルギーが刻まれている。小浪の軌跡を辿ることのできる個展「I.D 1986」では、初期の一枚から東京での作品、ニューヨークで近年撮影した作品まで、100点以上を紹介。展示される写真群は、個々に力強い存在感を放ちながらも、同時にひとつのインスタレーションとして構成されている。また、会場では本展と同タイトルの作品集、agnès b. (アニエスべー) とのコラボレーションによるアーティストTシャツも発売される。ファッションフォトとはまた違う、アート性のある美しい写真群、そして1986年から始まった小浪の道を鑑賞できるエキシビション。この贅沢なひとときを agnès b. の世界観とともに楽しんでみて。
会場: agnès b. galerie boutique
住所: 東京都港区南青山5-7-25 ラ・フルール南青山2F
会期: 9月19日(金)~11月2日(日)
休廊日: 月 *10月13日(月)除く
時間: 12:00-19:00
HP: www.agnesb.co.jp
国際芸術祭「あいち2025」

2010年から3年ごとに開催されており、今年で6回目を迎える「あいち」の国際芸術祭。本展は、国内外から多数のアーティストが参加する、国内最大規模のアートイベントである。舞台芸術などを含めた、多様な現代美術の潮流を「あいち」から発信することが目的とされている。今回は、シリア出身の詩人 Adonis (アドニス) の詩から着想を得た「灰と薔薇のあいまに」をテーマのもと、多様なバックグランドを持つ全61組が「あいち」に集結。杉本博司やアメリカ人アーティストの Simone Leigh (シモーヌ・リー) などをはじめ国内出身26組を含むアジアのアーティストに加え、先住民族にルーツを持つ作家や、さまざまな理由で出身地域とは異なる場所で活動しているアーティストのように、自らの社会的・文化的アイデンティティを見つめ直しながら表現を模索するアーティストも数多く参加する。世界各地で活躍する彼らの多様な挑戦は、これまで欧米中心に紡がれてきた歴史を解きほぐし、複雑化していく世の中を新たな切り口から考えるきっかけを与えてくれるだろう。
場所: (1)愛知芸術文化センター
(2)愛知県陶磁美術館
(3)瀬戸内市のまちなか
住所: (1)愛知県名古屋市東区東桜1丁目13-2
(2)愛知県瀬戸市南山口町234番地
会期: 9月13日(土)~11月30日(日)
時間: (1)10:00-18:00 *金曜は20:00まで、入館は閉館の30分前まで
(2)9月末まで 9:30~17:00、10月以降は9:30-16:30 *入館は閉館の30分前まで
休館日: (1)月曜日 *月曜日が祝休日の場合は翌火曜日、9/16(火)、11/25(火)は臨時開館
(2)月曜日 *月曜日が祝休日の場合は翌火曜日
HP: aichitriennale.jp
国立新美術館「時代のプリズム:日本で生まれた美術表現1989-2010」

小沢剛『ベジタブル・ウェポン-さんまのつみれ鍋/東京』2001年 Cプリント
国立国際美術館蔵 ©Tsuyoshi Ozawa
日本のアートシーンを彩った革新的な表現にフィーチャーする本展「時代のプリズム:日本で生まれた美術表現」。昭和から平成に移りゆく新しい時代の幕開けとなった1989年から2010年までの間に、日本ではどのようなアートが生まれ、発信されたのかを検証する企画展だ。本展では、国内外の50を超えるアーティストの作品を、3つのテーマで紹介する。1章「過去という亡霊」では、戦争、被爆のトラウマ、戦後問題に向き合い続ける探求を。2章「自己と他者と」では、自他の眼差しの交換の中でアイデンティティやジェンダー、文化的ヒエラルキーを問う実践を。3章「コミュニティの持つ未来」では、既存のコミュニティとの関わりや新たな関係性の構築の可能性を探るプロジェクトを紹介。これら3つのレンズを通すことで、鑑賞者は一面的なものでなく、複数の視点で捉え、深く思索を巡らせることができる。国立新美術館と香港のグローバルミュージアム M+ (エムプラス) の協働キュレーションにより、ナショナリティという枠を超えた国際的な視座から、日本の変化に富んだ時代を見つめ直すエキシビションとなっている。
会場: 国立新美術館
住所: 東京都港区六本木7-22-2
会期: 9月3日(水)~12月8日(月)
時間: 10:00-18:00 *毎週金・土曜日は20:00まで
休館日:毎週火曜日 *ただし9月23日(火・祝)は開館、9月24日(水)は休館
HP: www.nact.jp
田部井美奈「光と図形と、その周辺」

埼玉県生まれ、アートディレクター兼グラフィックデザイナー・田部井美奈。2003年よりグラフィックデザイナー・服部一成に師事した後、2014年に独立して田部井美奈デザインを設立。独立後、自分にしかできないビジュアル表現を探求し、写真の持つ「光と影」という偶然の現象を二次元の紙面上に落とし込んでいく実験的なアプローチを展開。そのアプローチから仕上げられた本やパッケージには、凛とした品位のなかに明るいやさしさがあり、華美ではないにもかかわらず、見る者の目を惹きつける魅力が溢れている。2018年から追求する「光と図形」シリーズ最新作が公開される本展は、空間ごと作品を体感できる貴重な機会である。合わせて、制作過程を物語る断片も同時に鑑賞できるのも見どころの一つだ。これまでに手掛けてきたブックデザインやパッケージ、ポスターなどのグラフィックデザインも展示予定だ。個性的でありながらも、作品群が一体となって、美しく見えるデザインは、まさにタベミナイズムといえる。本展「光と図形と、その周辺」を通じ、タベミナイズムの深淵に触れてみてほしい。
会場: ギンザ・グラフィック・ギャラリー
住所: 東京都中央区銀座7-7-2 DNP 銀座ビル 1F/B1F
会期: 9月5日(金)~10月22日(水)
時間: 11:00-19:00
休廊日: 日・祝
HP: www.dnpfcp.jp
永井天陽、川谷光平 「Playful Prayer」

1991年埼玉県生まれの彫刻家・永井天陽。物や出来事へのささやかな疑いをきっかけに、人が無意識に抱く感覚や常識、認識への問いをテーマに活動してきた。どのような素材、技術を織り交ぜることで「まだ誰もみたことがないもの」を創作できるか。その可能性を探求し続けている。1992年生まれ、島根県出身のフォトグラファー・川谷光平。東京を拠点に、商業プロジェクトと作品制作を軸に活動の幅を広げてきた。近い距離感から色鮮やかに被写体を捉える独自の作風は国内外から注目を集める。永井と川谷による2人展「Playful Prayer」。本展では、彫刻と写真という異なる表現を通して、見過ごされがちな日常に新たな境界線を引き、視覚的なコントラストを生み出すことで、当たり前とされる認識に対して疑問を投げかける。物質性と像、実体と虚構。そのはざまに意識的に身を置く彼らの姿勢は、彫刻や写真が役割や定義を超越し、新しい表現領域を切り拓いてきた歴史への応答といえるだろう。SNS やニュースなどを通し「見ること」、そこから生まれる「知ること」、「信じること」の倫理に対し、小さくも確かな抵抗を示す本展。2人が紡ぐその疑問は、日常生活を省みる機会を与えてくれるに違いない。
会場: H BEAUTY&YOUTH (エイチ ビューティー&ユース)
住所: 東京都港区南青山3-14-17
会期: 8月29日(金)~11月26日(水)予定
時間: 平日12:00-20:00 休日11:00-20:00
HP:united-arrows-global.com
「上田義彦 いつも世界は遠く、」

1957年、兵庫県生まれの写真家・上田義彦。都市、自然の風景、ポートレイト、広告写真など幅広い分野で活躍し、国内外で高い評価を得てきた。瞬間を捉える感性と卓越した技術で、時代とともに変容する作風でありながら一貫して普遍的な美が作品に込められている。公立美術館において、約20年ぶりの個展となる本展では、代表作から未発表の初期作品、最新作まで自ら現像とプリントを手掛けた約500点を通じ、40年の軌跡を辿ることができる。これまで展示の機会の少なかった映像作品、チベットの人々を記録した最新作は特に見どころ。上田のすべてが紡がれた大回顧展。二度とないこのチャンスにぜひ足を運んでほしい。
会場: 神奈川県立近代美術館 葉山
住所: 神奈川県三浦郡葉山町一色 2208-1
会期: 7月19日(土)~11月3日(月)
時間: 9:30-17:00
休館日: 月
HP: www.moma.pref.kanagawa.jp
「ペドロ・コスタ インナーヴィジョンズ」

1958年ポルトガル生まれの鬼才 Pedro Costa (ペドロ・コスタ) 映画監督。日本のスクリーンに幾度も登場した彼の映像作品の魅力は、静寂な夜のシーンや、暗闇と明暗の強いコントラスト、そしてアフリカの移民たちの過酷な日々にフォーカスし、社会構造に鋭く切り込んでいるところにある。総合開館30周年の記念展となる「インナーヴィジョンズ」は、東京では初めての美術館での個展であると同時に、日本最大規模となるエキシビジョンである。本展は、同氏が10代の頃に出会い深い影響を受けた、ミュージシャン Stevie Wonder (スティービィー・ワンダー) のアルバム『Innervisions (インナービジョンズ)』(73年) と同名のタイトルがつけられた。音楽を通じて、社会と個人の関係に迫ったこのアルバムの美学は、Pedro Costa の映像制作のアプローチとも深く響き合っている。今回展示されるのは、ポルトガルで暮らすアフリカ系移民の歴史を照らし出した『Horse Money (ホースマネー)』(14年) など、同氏の作品において重要な役割を担う、移民労働者 Ventura (ヴェントゥーラ) をはじめとする登場人物や、彼らが生きる場所に関わる映像作品に加え、東京都写真美術館が所持するコレクションが公開される。Pedro Costa の映像表現とその背景に介在する歴史的・社会的問題に触れることで本タイトルについて考えを深める機会となる。この特別な展覧会では、映画が持つ力と同氏の世界観の奥行きを新たな角度から楽しむことができるはず。
会場: 東京都写真美術館
住所: 東京都目黒区三田1-13-3
会期: 8月28日(木)~12月7日(日)
時間: 10:00-18:00 *木・金 20:00まで、8月28日(木)~9月26日(金)の木、金は21:00まで
休館日: 月 *月曜日が祝休日の場合は開館し、翌平日休館
HP: topmuseum.jp
「開館30周年記念展 日常のコレオ」

ジョナタス・デ・アンドラーデ《Jogos Dirigidos (Directed Games)》2019 年
東京都現代美術館の開館30周年を祝し、開催されるエキシビション「日常のコレオ」。本展は、アーティスト、鑑賞者とともに、現代美術を通してこれからの社会を多角的に思考するプラットフォームの構築を目指し、作品展示に加え、鑑賞者参加型のパフォーマンスやワークショップも展開する。国内外で活動する幅広い世代のアーティスト約30名が集う。展覧会では、様々な都市における人々の営みや身振りに目を向け、それを生み出す創造性やユーモアについて考えを膨らませた。そして、日常に内在し、互いに絡み合う文化的、政治的、経済的諸力の関係を掘り下げながら、社会構造に組み込まれ不可視化された暴力や抑圧を作品群に浮かび上がらせている。タイトルに含まれる「コレオ=コレオグラフィー (振付)」は、社会のルールや規範にただ従うだけでなく、そうした統制に対する批判的な考えを通して、日常を振り返り、新たな場や生き方を創造するアプローチを指している。本展は、アーティストと鑑賞者が、視点を共有しながら、それぞれの「日常」の域を問い直す契機を創出する場となる。忙しない日常の中で、社会に流されてしまいそうになる現代人。彼らの作品群は、そんな目まぐるしい社会について再考する機会を提示してくれるはず。
場所: 東京都現代美術館
住所: 東京都江東区三好4丁目1−1
会期: 8月23日(土)~11月24日(月)*8・9月の毎金曜日は21:00まで
時間: 10:00-18:00
休館日: 月(祝日の場合は翌平日)
HP: www.mot-art-museum.jp
坂本龍一 + YCAM「Forest Symphony」

©山中慎太郎 (Qsyum!)
音楽家・アーティストの坂本龍一と山口情報芸術センター [YCAM] が手掛けるサウンドインスタレーション作品「Forest Symphony (フォレスト・シンフォニー)」。東日本大震災以降、坂本が構想していた本展は、樹木が発する微弱な生体電位をもとに生成した音を用いたプロジェクトだ。YCAM InterLab は、生体電位や周囲の環境 (温度・湿度・照度・気圧) を計測するデバイスを開発し、世界各地の樹木に設置。会期中、そのデータがインターネットを通じて会場に送られ、坂本のディレクションによるアルゴリズムで音楽へ変換される。環境情報を映像化したビジュアルも加わり、季節や天候に応じて変化する「森のような空間」が出現する。会場は「雪舟庭」で知られる常栄寺。自然や名跡の新たな魅力を感じられる場となるだろう。
場所: 常栄寺
住所: 山口県山口市宮野下2001-1
会期: 8月8日(金)~11月30日(日)
時間: 10:00-16:30
HP: www.ycam.jp
scopic measure #17 : マヤ・エリン・マスダ「Ecologies of Closeness 痛みが他者でなくなるとき」

《Pour Your Body Out》(2023年)京都芸術センター
撮影:Takuya Matsumi
ベルリンを拠点に活動する、気鋭アーティストのマヤ・エリン・マスダ。映像や液体を用いた作品を通して、人間中心の社会が自然や動植物に与えてきた影響を再考し、「クィア・エコロジー」という視点から、国家が生命や出生を管理する「生政治」とテクロノジーの関係を探求し続けている。本展では、放射線による皮膚の変容や、汚染に晒された動物や土地に起こる変化にまつわるリサーチをもとに制作した新作を主軸に展示。その他、チェルノブイリや福島での原発事故や核にまつわる問題に着目したインスタレーション作品「Pour Your Body Out (ポア ユア ボディ アウト)」(23-25年) も展示される。これらの作品は、目に見えにくい「毒性」とともに生きざるを得ない現実を浮かび上がらせ、人間とその影響を受ける存在との奇妙で親密な関係性を描き出す。「クィア・エコロジー」の視点から出発した、美しさとグロテスクが交錯する複層的な空間に、ぜひ足を運んでみて。
場所: 山口情報芸術センター [YCAM] スタジオB
住所: 山口県山口市中園町7-7
会期: 7月5日(土)~11月2日(日)
時間: 10:00-19:00
HP: www.ycam.jp
「LA MUSEUM NANA KOMATSU」

2002年創業のヴィンテージショップ LAILA (ライラ) が手掛けるオンラインミュージアム LA MUSEUM (ラ・ミュージアム)。今回のオンライン展覧会では、『余命10年』(22年)や、『糸』(20年)、また2025年8月に公開を控える『8番出口』にも出演する、女優・小松菜奈が被写体として登場。本展にて彼女が纏ったのは、現在同サイトで公開中の「1950s-2010s History of Modern Fashion Desgin」展から抜粋された歴史的衣服たち。イギリス、フランス、アメリカ、ベルギー、日本など多様な文化背景を持つ、才能溢れるデザイナーたちによって創作されたワードローブを、3D になった小松菜奈が自由自在なポーズとともに、紹介している。生きた人体がマネキン役を演じ、袖を通すことで服自体の持つシルエットを最大限引き出すことが可能に。フィジカルな美術館では実現し得ない本展は、ファッションシーンに新たな解釈、大いなる可能性を見出すことになるだろう。ヴァーチャルミュージアムだからこそ、体験できるこの空間は、きっと見る者の胸を躍らせてくれる。
場所: LA MUSEUM
会期: 7月18日(金)~2026年1月11日(日)
HP: www.la-museum.com/lp
YAYOI KUSAMA 「INFINITY- SELECTED WORKS FROM THE COLLECTION」

大阪・関西万博の開催に合わせ、ESPACE LOIUS VUITTON OSAKA (エスパス ルイ・ヴィトン大阪) にて開かれる、日本を代表するアーティスト草間彌生の個展「INFINITY- SELECTED WORKS FROM THE COLLECTION」。アヴァンギャルドなアートにより、強烈なインパクトを与える彼女の世界観。強迫的に反復されるモチーフは、彼女の表現手法であり、創作の主題でもあった。本展では草間彌生の美学をテーマに、国際的なアートシーンで登場した初期の作品から近年にいたるまで、長い年月に及ぶ作品群を紹介する。草間彌生の代名詞でもある水玉模様によるインスタレーションや、絵画作品が一堂に会する貴重な機会になっている。注目作である「無限の鏡の間-ファルスの原野」は、草間の“無限の鏡の間”シリーズ第1作であり、鑑賞者を果てしない水玉の空間へと誘うインスタレーションだ。同シリーズは、鏡張りの部屋の中に様々な作品を配置することで、無限に広がる空間を演出したものであり、世界的に人気を集めている。数々のコラボレーションを展開するこのタッグ。なかでも今回は、彼女の軌跡をたどることができるまたとないチャンスなので近くを訪れた際は、ぜひ足を運んでみて。
場所: エスパス ルイ・ヴィトン大阪
住所: 大阪市中央区心斎橋筋2-8-16 ルイ・ヴィトン メゾン 大阪御堂筋 5F
会期: 7月16日(水)~2026年1月12日(月)
時間: 12:00-20:00
HP: www.espacelouisvuittontokyo.com
「flotsam zines tour 2025」

東京・代田橋に構える flotsam books (フロットサムブックス) が主催の「flotsam zines tour 2025」。2022年に初めて開催された本企画。今回は総勢150組を超えるアーティストが参加し、日本16箇所を巡回して ZINE の販売をする。本企画のルールは、1年以内に制作されたものであること、販売価格3,000円以内であること、レターパックに入るサイズであること以外特になし。審査も参加費も一切ないため、ZINE 本来の雑多で自由な魅力を直に体感できる。 flotsam books にてスタートし、6月上旬から10月上旬にかけて書店やギャラリー、ショップをツアー形式で巡る予定だ。インディペンデントな集いでは、日本のアートブックシーンを存分に味わえるはず。
場所: flotsam booksから全国各地
住所: 東京都杉並区和泉1-10-7
会期: 6月13日(金)~6月15日(日)から巡回
時間: 14:00-20:00
HP: flotsambooks.com
ライアン・ガンダー「ユー・コンプリート・ミー」

イギリス出身の Ryan Gander (ライアン・ガンダー) は、絵画、彫刻、映像、テキスト、VRインスタレーションから建築、出版物や書体、儀式、パフォーマンスに至るまで、幅広く活動するアーティスト。多元的な作品と実践を通して国際的な評価を確立してきた彼は、作家としてのアクションだけでなく、テレビ番組の制作・出演を通じて芸術や文化の普及にも携わっており、現代におけるアーティスト像を更新し続けている。日本国内でも高い人気を誇る彼の作品を一堂にお目にかかれる本展では、日本初公開の新作を含む全18点を展示。なかでも特に注目したいのは、世界的に人気の高い「アニマトロニクス」シリーズである。本シリーズは、幼い子供の声を用いており、彼と子供たちとの間でどのような信頼とコミュニケーションがあるのか、という視点から作品を展開している。また、箱根のポーラ美術館にて開催される本展では、Ryan Gander が生み出した不思議な動物たちと出会うことができる。自然溢れるポーラ美術館にて、Ryan Gander の世界感を存分に楽しんでみて。
場所: ポーラ美術館
住所: 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285土
会期: 5月31日(土)~11月30(日)
時間: 9:00-17:00
HP: www.polamuseum.or.jp