TFP Recommends Exhibitions

【開催中】 今週のTFP的おすすめ展覧会

©︎ Peter Sutherland

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【開催中】 今週のTFP的おすすめ展覧会

TFP Recommends Exhibitions

現在開催中の展覧会や写真展、アートイベントから、The Fashion Post (ザ・ファッションポスト) のおすすめを毎週ピックアップ。今週はどこへ行こう。毎週火曜日更新。

※新型コロナウイルスの感染予防の取り組みに関する最新の情報については、各施設の公式サイトにてご確認をお願いします。

1月28日〜2月3日

桑田卓郎+く「窯上げうどん」

©︎ Atsushi Harata

桑田卓郎は、1300年以上続く美濃焼きの伝統をもとにしつつ、その造形に現代的な再解釈を加えた独自の表現で知られている陶芸家。大胆な模様や質感を追求した創造性に富む桑田の作品は、世界各地のパブリックコレクションに収蔵されているほか、コムデギャルソンでの展示、TOD’S (トッズ) や LOEWE (ロエベ)、CFCL (シーエフシーエル) などファッションブランドとのコラボレーションでも知られている。本展では、桑田が以前に釉薬を混ぜる為にうどんを捏ねる機械を取り入れたことをきっかけに、スタジオを訪れたゲストにうどんを振る舞うようになったことから着想を得ている。桑田の代表作である梅花皮 (表面の釉薬が縮れ、その下の表地が見えることで凸作られる凸凹模様を指す) の技法を用いた作品に加え、原点といえる「食」に関する手仕事のクラフトライン「く」による道具を展示する。会期中には、実際に桑田の作品を使って食事をする体験を実施予定。桑田が自身の多治見のアトリエで来客に振る舞うことがあるうどんをGallery & Restaurant 舞台裏の箱石和行シェフがアレンジして提供する。桑田の伝統に則りつつ挑戦的な新境地を、ぜひ楽しんで。

場所: Gallery & Restaurant 舞台裏
住所: 東京都港区虎ノ門5丁目8 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA B1F
会期: 2025年1月25日 (土)〜3月16日 (日)
時間: 11:00-20:00
休廊日: 月
入場料: 無料
HP: artsticker.app

トレヴァー・ヤン、毛利悠子「帰ってきたやまびこ」

香港を拠点に活動する Trevor Yeung (トレヴァー・ヤン) と、東京を拠点にするアーティストの毛利悠子。トレヴァー・ヤンは、個人的な経験と社会への鋭い観察を織り交ぜ、写真作品から大規模なインスタレーションまで多岐にわたり制作を続けてきた。毛利悠子は、既製品、ファウンド・オブジェ、自作の装置を組み合わせて、展示環境の諸条件によって変化していく事象を生成するインスタレーション作品を発表してきた。それぞれが第60回のヴェネチア・ビエンナーレの日本代表、香港代表としてパヴィリオンの展示を手がけ、東アジアを代表するアーティストとして活動の場を広げるヤンと毛利。コスモポリタン的な感性を同じくする二人は本展に向けて、ヴェネチアと東京での滞在を通して進行を深めてきた。その間に交わされた会話や目にした情景が、日常における些細な事象を掬い上げる共通のプロセスの起点となり、本展での作品に反映されている。やまびこが音を反響するように、ヴェネチアと東京、過去と現在の間で呼応し合うふたりの新たな実践とコラボレーションを会場でご覧になってほしい。

場所: Yutaka Kikutake Gallery Kyobashi
会場: 東京都中央区京橋1-7-1 TODA BUILDING 3F
会期: 2025年1月24日 (金)〜3月8日(土)
時間: 11:00-19:00
休廊日: 日、月、祝日
入場料: 無料
HP: www.yutakakikutakegallery.com

ピーター・サザーランド「Sweater Weather」

1976年に生まれ、コロラド在住のフォトグラファーでフィルムメーカーの Peter Sutherland (ピーター・サザーランド)。彼にとって日本では9年ぶりの個展となる本展では、写真を使ったコラージュ作品を中心に近作を展示。これまでに撮り溜めていた写真や使っていたアウトドア用品の一部、見つけた布、旅をしている時に見つけた物などをキャンバスに作品集を編集する作業の様に貼り付け、縫い合わせた作品で構成されている。これらには一つのキャンバスに様々なストーリーが展開されており、見応えのある作品が並ぶ。ピーターがどんなことにフォーカスを置いて作家活動をしているのかが垣間見える展覧会となっている。

場所: GALLERY TARGET
住所: 東京都渋谷区神宮前5-9-25
会期: 2025年1月28日(火)〜2月18日(火)
時間: 12:00-19:00
入場料: 無料
休廊日: 日、月、祝日
HP:www.gallery-target.com/2025

「今津景 タナ・アイル」

《Hainuwele》2023 油彩、ジュート 350×800 cm トゥムルン美術館(インドネシア) courtesy of The Artist and ROH

今津景は、インターネットやデジタルアーカイブといったメディアから採取した画像を、コンピュータ・アプリケーションで加工を施しながら構成、その下図をもとにキャンバスに油彩で描く手法で作品を制作しているアーティスト。2017年インドネシアのバンドンに制作・生活の拠点を移し、近年、インドネシアの都市開発や環境汚染といった事象に対するリサーチをベースにした作品制作に取り組んでいる。本展は、今津にとって初めての大規模展。「タナ・アイル」とは、インドネシア語で「タナ(Tanah)」が「土」、「アイル (Air)」が「水」を意味し、二つの言葉を合わせると故郷を指す言葉。このタイトルには、現在生活するインドネシアと自身のルーツである日本という二つの土地に対する経験と思いが反映されている。彼女の作品を通して、鑑賞者は自分自身の生きる場所について考える機会となるだろう。

場所: 東京オペラシティ アートギャラリー
会場: 東京都新宿区西新宿3-20-2
会期: 2025年1月11日 (土)〜2025年3月23日 (日)
時間: 11:00-19:00
休廊日: 月曜 *月曜日が祝日の場合は開館し翌火曜日休館、2月9日は休館
入場料: 一般¥1400、大学生・高校生¥800、中学生以下 無料
HP: https://www.operacity.jp/ag/exh282/

Waku Fukui「在在 (ザイザイ)」

Waku Fukui.「像」形光. 2025. 10mm glass tubes, krypton gas, stainless steel, rubber sheet, wood. 1750 × 1100 × 600 mm. Courtesy of Gallery Common.

1996年東京生まれの福井和来は、ネオンライトの探求を中心に活動するアーティスト。素材や形、要素に対する私たちの認識を問い直す作品を制作している。「いたるところ」という意味を持つ「在在」と名付けられた本展では、「ネオン」というメディウムに加え、溶接された鉄による骨格やファウンド・オブジェクト (発見された物体)などの様々な新しい素材を取り入れ、彫刻的アプローチを展開。この新たな試みでは、ネオン職人としての経験を活かし、光を自在に操る福井のアプローチがより有機的な表現へと進化している。福井自身が感動を覚える瞬間を大切にしながら、自由に創造を広げてきたその先に現れた、光と形が織りなす新たな世界を体験することができる。

場所: Gallery Common
会場: 東京都渋谷区神宮前5-39-6 B1F
会期: 2025年1月25日(土)〜2月23日(日)
時間: 12:00-19:00
休廊日: 月、火
入場料: 無料
HP: www.gallerycommon.com

シグリッド・サンドストローム「Dusk」

#A2 Sigrid Sandström, Shadows of Time (detail), 2024. Acrylic on canvas, Framed : 125.4 x 125.4 cm | 49 3/8 x 49 3/8 inch. Courtesy of the artist and Perrotin.

1970年生まれのスウェーデン人アーティスト・Sigrid SANDSTRÖM (シグリッド・サンドストローム) は、版画や染み、アーチを描くブラシストローク、ときにはオイルスティックを融合させたような技法を用いて、作品に流動感を与えるのが特徴的だ。日本初の個展となる本展では、北欧の大自然の中で育った幼少期の影響が色濃く反映されており、長きに渡ってサンドローム魅了してきた「Dusk (夕暮れ)」を描いた作品を展示。サンドストロームにとって「夕暮れ」とは、単なる時をあらわすものではなく、光が折り重なる瞬間であり、次第に訪れる変化や新たな段階へと導くような時間帯だという。彼女が捉えたその「夕焼け」の美しさと、変わりゆく光の表現をぜひご覧になってみて。

場所: ペロタン東京
住所: 東京都港区六本木6-6-9 PIRAMIDE BUILDING 1F
会期: 2025年1月17日 (金)~3月22日 (土)
時間: 11:00-19:00
入場料: 無料
休廊日: 日、月、祝日
HP: leaflet.perrotin.com

那須佐和子「ライナスの布」

Sawako Nasu《Landscape》2024, Oil on canvas, 65.2 x 100 cm © Sawako Nasu, Courtesy of KEN NAKAHASHI (Photo by Yuya Saito)

アーティストの那須佐和子による展覧会「ライナスの布」は、彼女の創作姿勢を象徴する作品が並ぶ。タイトルは、漫画『ピーナッツ』に登場するライナスの毛布に由来し、幼少期の安心感や愛着を象徴する「毛布」をキャンバスに重ねることで、那須自身の創作活動を表現。古いキャンバスに刻まれた時間と痕跡を重要な要素とし、微細な加工を施すことで新たな物語を引き出している。本展では、大作とともに小作品が入れ替わる柔軟な展示設計が採用され、展示空間そのものが変化し続ける。時間と記憶をまとったキャンバスの変容をぜひご覧になってほしい。

場所: KEN NAKAHASHI
住所: 東京都新宿区新宿3丁目1-32 新宿ビル2号館5階
会期: 2025年1月10日 (金)〜3月29日 (木)
時間: 13:00-20:00
休廊日: 日、月
入場料: 無料
HP: kennakahashi.net

金村修「FORMALIN FRESH」

flotsam books (フロットサムブックス) にとって2025年初となる展覧会は、写真家・金村修による個展。本展では、金村氏が日常の中で撮影したインスタントカメラによる写真を、彼が普段描いているドローイングを台紙として構成した作品群を展示する。この表現は、複数の写真を組み合わせて構成する写真表現「組写真」の手法を、ドローイングとインスタント写真の組み合わせで再解釈したもの。また、コラージュ作品の展示も予定している。展示に合わせて、限定の ZINE も販売する。

場所: flotsam books
住所: 東京都杉並区和泉1-10-7
会期: 2025年1月16日 (木)〜1月26日 (日)
時間: 14:00〜20:00
入場料: 無料
休業日: 水曜
HP: www.flotsambooks.com

TEZZO NISHIZAWA + YOSHIHISA TANAKA CHANCAE FAVORS THE PLAYFUL MIND

本展は、建築家・西澤徹夫が2023年9月にTOTOギャラリー・間での展示会に際して発売した作品集「Tezzo Nishizawa: CHANCE FAVORS THE PREPARED MIND」のスペシャルエディションボックス (特装版) の販売を記念して開催されるもの。西澤徹夫事務所と田中義久率いる centre Inc. は、今回の展示における特装版のあり方について話し合いを重ねてきた。会場には、エディションボックスとセットで制作された、組み立てられる紙の「リトルチェア」や、作品集の制作過程ででた模型や束見本、素材サンプルなどを組み合わせた作品を展示する。会期中にはトークイベントでは、西澤徹夫と田中義久とのトークイベントも実施されるので、この機会にぜひ足を運んでみて。

場所: POST
住所: 東京都渋谷区恵比寿南2-10-3
会期: 2025年1月10日 (金)〜2月9日 (日)
時間: 11:00〜19:00
入場料: 無料
休業日: 月曜
HP: post-books.info

トークイベント
日時: 2025年1月25日 (土) 18:00-20:00
定員: 25名
立金: 無料
予約サイト: 20250125-talkevent-soutei-kenchiku.peatix.com

立木義浩「舌出し天使 CONTACT SHEETS – 眼差しの軌跡 –」

本展は、87歳の今も精力的に活躍する写真家の立木義浩が27歳で発表した傑作、「舌出し天使」の発表から60年を記念した写真展となる。本展のために立木自身が新たにセレクトしたゼラチンシルバープリント25点とともに、同作のコンタクトシート (OKカットを選ぶ際に用いられる、1本分のフィルムを1枚にまとめたプリント) 24点を初公開。撮影は高度経済成長のただ中にあった1964年に行われたもの。コンタクトシートは通常公開されることはないが、作家と被写体が創り上げた時間、その取り組み、足どり、息づかいが感じられる一枚となっている。多彩なシーンと移り変わる表情から、若き日の立木義浩の眼差しの軌跡をご覧あれ。

場所: FUJIFILM SQUARE 写真歴史博物館
住所: 東京都港区赤坂9丁目7-3
会期: 2025年1月6日 (月)~3月26日 (水)
時間: 10:00-19:00 *最終日は16:00まで、入館は終了10分前まで
入場料: 無料
HP: fujifilmsquare.jp

テオ・ヤンセン「-Fossielen en Schetsen – Kinetiek Esthetiek」

本展は、オランダ出身の現代アーティスト、Theo Jansen (テオ・ヤンセン) によって作り出された「ストランドビースト」の制作過程が覗けるスケッチ展。「ストランドビースト」はプラスチックチューブやペットボトルなど、身近な素材から構成され、風力によって歩行などを行う仕組みを備える架空の生物。オランダ語で「砂の生命体」を意味するこのビーストたちは、現在の形に至るまで、試行錯誤と進化を繰り返してきた。会場には、彼の独創的なストランドビースト誕生の秘密を感じられるスケッチと、ビーストのフォッシル (化石)と呼ばれるストランドビーストのパーツの標本を展示販売する。

場所: MEDEL GALLERY SHU
住所: 東京都渋谷区神宮前 4-28-18 カトル・バン原宿 B1
会期: 2025年1月17日 (金)〜1月29日 (水)
時間: 13:00-19:00 *最終日17:00まで
入場料: 無料
休業日: 木
HP: medelgalleryshu.com

草野庸子「SCALES」

国内外で高く評価されている写真家の草野庸子。前回開催されたグループ展「幽霊の道具」では、タイで暮らした亡父の痕跡を辿るプライベートでありながらコンセプチュアルな映像作品とプリントを披露したが、「SCALES (鱗)」と題した本展はスプラウトとの特別な取り組みで、シルバー、ゴールドを使用した2種類のデュオトーンのプリントを発表する。デュオトーンは、2色を組み合わせて印刷された技法だが、角度によって鈍く光り、見る時間によっても印象が変わる展示となっている。

場所: SPROUT CURATION 1006
住所: 東京都港区六本木6-12-4 六本木ヒルズ・レジデンスD-1006
会期: 2024年11月16日 (土)〜2025年1月25日 (土)
時間: 13:00-19:00
入場料: 無料
休廊日: 日〜火、祝祭日
HP: sprout-curation.com

スティーヴ・ジャンセン「The Space Between」

©︎ Steve Jansen

1980年代初頭、絶大な人気を誇ったイギリスのバンド Japan (ジャパン) のドラマーとして知られる Steve Jansen (スティーヴ・ジャンセン)。彼は写真家としても活動しており、これまでに数多くの作品を撮影してきた。また2015年に刊行した自身初の写真集『Through A Quiet Window』では、髙橋幸宏プロデュースのもと、日本オリジナル編集として Japan と互いのレコーディングやツアーに参加するなど深い交流のあった、YMO の髙橋幸宏、坂本龍一、細野晴臣との深い交流を写した写真も多数収められている。本展では、2022年秋にジャンセンが来日した際に撮影した新作を展示。展覧会のテーマは、東京都心の建物が乱雑に並ぶ不規則な建築構造からインスピレーションを得た「レジステンシャリズム」。このテーマは、無機物が人間に対して陰謀を企てているというユーモラスな考察で、無機質な物体がまるで悪意や敵意を持っているかのように感じさせる錯覚を引き起こすもの。ジャンセンはその視点から、都市空間における人々の営みを俯瞰することを作品で問いかける。ぜひとも作品にじっくり鑑賞して。

場所: NEW
住所: 東京都渋谷区神宮前5丁目9-15 B1F
会期: 2025年1月10日 (金)~1月23日 (木)
時間: 12:00-19:00
入場料: 無料
休廊日: 2025年1月12日 (日)、1月19日 (日)
HP: newwwauction.com

「1 BOOKs」

本展は、書店や出版社など本に関わる人たちが「私が勧める1冊」という条件で、1冊のみを選書し、販売するというもの。参加するのは、ブックショップ flotsam books (代田橋)IACK (金沢)POST (恵比寿)、夢眠書店(下北沢)、アートブック専門のディストリビューター twelvebooks、アートギャラリーの POETIC SCAPE (中目黒)、出版レーベルの TISSUE PEPARSHeHe888books。それぞれが選んだ本を、本の解説や本を選んだ理由を交えて楽しめる内容となっている。また、今回はフォトグラファーの石田真澄と野田祐一郎の2名も参加し、本と同様にそれぞれ写真作品1点のみの展示と販売を行う。選書の理由は会場でしか読めないので、この機会に直接手にとってご覧になってみてはいかが?

場所: CANDLE CAFE & Laboratory ∆II
住所: 東京都世田谷区北沢2−37−3−2A
会期: 2025年1月11日 (土)〜2025年2月11日 (火)
時間: 11:00-翌5:00 *営業日はSNSにて要確認
入場料: 1ドリンクオーダー制
HP: www.laboratory12.jp

イッセイ ミヤケ「On Kamiko ー紙衣によせてー」

ISSEY MIYAKE (イッセイミヤケ) の服づくりに新たな表現をもたらしてきた「和紙」。2025年春夏コレクションでは和紙や紙素材への深い着想から生まれたコレクションを発表しており、そのコレクションは「The Beauty of Paper (紙の美しさ)」と名付けられた。本展では、「和紙」にフォーカスを当て、コレクションで発表した紙衣を中心に、その過程を追った映像を上映。希少な国産麻を種から育てる麻農家や、1300年の歴史を持つ和紙工房とのものづくり現場を映し出しながら、和紙の魅力、完成した紙衣について語る工房の声を映像で伝える。また、和紙の紙素材を探求するに至った背景やインスピレーションの源となった広島・尾道の宿泊施設 LOG を舞台に撮影した2025年春夏のシーズンビジュアルを展示する。国産麻の収穫から加工を得て、手漉きされた和紙を折り、何度ももみほぐす作業を重ねて生まれた現代の紙衣には、自然と人の技が織りなす有機的な時間の流れが込められている。和紙で設えた空間に身を包み、その美しさを会場で体感して。

場所: (1)ISSEY MIYAKE GINZA 445「CUBE」
(2)ISSEY MIYAKE SEMBA「CREATION SPACE」
住所: (1)東京都中央区銀座4-4-5
(2)大阪府大阪市中央区南船場4-11-28
会期: (1)2025年1月6日 (月)〜1月28日 (火)
(2)2025年1月6日(月)〜1月26日(日)
時間: 11:00-20:00
入場料: 無料
HP: www.isseymiyake.com

テオドラ・アクセンテ、ヴィトリオ・マレッラ、ロバート・ボシシオ「Dialogue with a Suspended Moment in Light」

ロバート・ボシシオ Untitled, 2024 mixed media on canvas 18 x 18cm ©Robert Bosisio

イタリア出身のアーティスト Robert Bosisio (ロバート・ボシシオ) がキュレーションを手がけるという初の試みとなる本展では、ボシシオ自身の新作に加え、これまで104GALERIEで3度個展を開催しているルーマニア出身のアーティストの Teodora Axente (テオドラ・アクセンテ)、そして日本で初めてご紹介するイタリアの作家、Vittorio Marella (ヴィトリオ・マレッラ) の作品を合わせて11点を展示する。それぞれ自らの国の美術の伝統から影響を受けながら、深い親交を結んできた3名の対話を感じ取ることができる作品展示となっている。ボシシオは3名の作品の特徴を以下のようにコメント。「テオドラの作風にはビザンチン文化の影響が見られますが、ヴィットリオと私は、初期ルネ サンスからモランディ、カーラ、デ・キリコ、カゾラティなどの作品に至るイタリア絵画の流れを受け継いでいます。 作品の中で、私たちは3人とも人物像を描いていますが、アプローチはそれぞれ異なります。」

場所: 104GALERIE
住所: 東京都目黑区⻘葉台1-20-4 FORCE ビルB1F
会期: 2024年12月14日 (土)〜2025年2月8日 (土)
時間: 11:00-17:00
休業日: 日曜・祝日
入場料: 無料
HP: 104galerie.com

村上隆 エディション展 

©Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.

先日、Louis Vuitton (ルイ・ヴィトン) との20年ぶりのコラボレーションを発表したアーティストの村上隆。本展では、版画からエディションプリント、そしてフィギュアまで、村上隆のエディション作品を一挙に展示。壁一面に広がるトレカ版画の一挙展示や、京都市京セラ美術館で開催していた「村上隆 もののけ 京都」に関するエディション作品の展示のほかに、カイカイキキがアーカイブしているエディション作品も展示販売する。この機会に会場に足を運んでみて。

場所: Kaikai Kiki Gallery
住所: 東京都港区元麻布2-3-30 元麻布クレストビルB1F
会期: 2025年1月9日 (木)〜2月14日 (金)
時間: 11:00-19:00
休業日: 日曜日、月曜日、祝日
入場料: 無料
HP: gallery-kaikaikiki.com

永井誠治「化身/Slant」

永井誠治

古着屋「DEPT」の創業者であり、現在は東京を拠点に作品制作を行う永井誠治。「HARD CORE」展(2015)、「Heavymetal」展(2019)と、Vacant/Harajuku では過去2回の展示で、ネオン管を使った作品や古錆びた金属を使ったブリコラージュの立体作品を発表してきた。今回の展示では、車のオブジェを用いた平面・立体作品を含めた、最新の連作が並ぶ。押しつぶされた車の姿は、斜め上から見下ろす俯瞰的な視点で描かれた「大和絵」のように、実世界とは異なる立体感を放つ。それは動きを留め、その姿かたちを改めて観察するための「標本」のようにも見える。これまでに作家が発表してきた、どの作品にも通底する、古いものへの愛着、素材のセレクトと、その掛け合わせに溢れている遊び心。Vacant/Centre で展示される今回の作品にも独特のユーモアとユニークネスを放つ。

場所: Vacant/Centre
住所: 東京都渋谷区元代々木町27-6
会期: 2025年1月17日 (金)〜2月3日 (月)
時間: 13:00-18:00
休館日: 火〜木
入場料: 無料
HP: www.vacant.vc

マーク・マンダース「Silent Studio」

「MM_1」 Mark Manders Nightfall Scene 2024 Painted bronze, painted canvas, painted wood, iron, painted epoxy 51 x 42 x 23 cm

Mark Manders (マーク・マンダース) は1980年代後半より、彫刻や家具、日用品や建築部材などを「想像上の」部屋に、緻密に練られた配置図に基づいて配するインスタレーションを制作してきた。本展では、ギャラリーの空間を半透明の薄いビニールで囲い、アーティストのスタジオに一変させ、新作を含む9点を公開。展示空間の中央には、「Bonewhite Clay Head with Two Ropes」(2018-2024年)が配され、作業台の上に置かれた乾燥してひび割れたかのような彫刻はロープで留められ、今にも崩れそうな緊張感を与える。これらの作品がスタジオの設えに配されることで、作業の途中であるかのような印象を見る者にもたらし、静かなスタジオに作家がそれまでその場にいたかのような、あるいは長い間放置されたかのように感じさせる。

場所: ギャラリー小柳
住所: 東京都中央区銀座1-7-5 小柳ビル 9F
会期: 2024年12月18日 (水)〜2025年3月8日 (土) *冬期休廊:12月28日 (土)〜1月6日 (月)
時間: 12:00-19:00
入場料: 無料
休館日: 月、日、祝日
HP: www.gallerykoyanagi.com

「坂本龍一 | 音を視る 時を聴く」

Photo by Neo Sora ©2017 Kab Inc.

本展は、坂本龍一が生前に東京都現代美術館のために遺した展覧会構想をもとに、坂本の創作活動における長年の関心事であった「音と時間」をテーマにした作品を展示する。会場には、未発表の新作と、これまでの代表作から成る没入型・体感型サウンド・インスタレーション作品10点あまりを、美術館屋内外の空間に展開。映画監督・アーティストの Apichatpong Weerasethakul (アピチャッポン・ウィーラセタクン)、Carsten Nicolai (カールステン・ニコライ)、真鍋大度、高谷史郎、Zakkubalan、岩井俊雄、中谷芙二子など7名のアーティストとのコラボレーションを通して、坂本の創作活動の軌跡を辿るとともに、類稀なアーティストの一面を広く紹介する。

場所: 東京都現代美術館 企画展示室 1F/B2F ほか
住所: 東京都江東区三好4-1-1
会期: 2024年12月21日 (土)〜2025年3月30日 (日)
時間: 10:00-18:00 (展示室入場は閉館の30分前まで)
入場料: 一般 ¥2,400/大学生・専門学校生・65 歳以上 ¥1,700/中高生 ¥960、小学生以下無料
休館日: 月 (1月13日、2月24日は開館)、12月28日〜1月1日、1月14日、2月25日
HP: www.mot-art-museum.jp

アントニー・ケアンズ「MaViCa CTY」

©︎ Antony Cairns, Courtesy of Akio Nagasawa Gallery

Antony Cairns (アントニー・ケアンズ) は、1980年ロンドン生まれのアーティストで、ヨーロッパや米国、日本など世界各地で作品を発表し、現在はロンドンを拠点に活動する。本展では、ヴィンテージのカメラを、喜多俊之デザインのシャープ製テレビに接続して展示。アントニーはここ数年、SonyのFD2000初期型デジタルカメラを収集しており、これを現代のデジタルメディアとしての写真技術を変えた先駆的なカメラと考えている。今回の作品では、「夜の都市風景」をテーマに、スライドショーとしてさまざまな大都市の景観が映し出される。カメラの内蔵エフェクトを利用して、画像に抽象的な層を重ねている。また、古いメディアを再利用して、映像の美学と技術を融合させることで、観客に特定の感情を引き起こすような効果を生み出す。会場でぜひご覧あれ。

場所: Akio Nagasawa Gallery Aoyama
住所: 東京都港区南青山5-12-3 Noirビル2F
会期: 2024年12月5日 (木)~2025年2月1日 (土)
時間: 11:00-13:00 / 14:00-19:00
入場料: 無料
休廊日: 日〜水、祝日 *12月28日 (土)〜2025年1月6日 (月)は冬期休廊
HP: www.akionagasawa.com

再開館記念「不在」 ―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《ロイ・フラー嬢》、1893年、リトグラフ/紙、フランス国立図書館蔵

本展は、2023年4月から設備メンテナンスのために長期休館していた三菱一号館美術館の再開館記念として開催されるもの。19世紀末にパリで活躍したHenri de Toulouse-Lautrec (アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック) (1864-1901) の作品を改めて展示し、そこにフランスのアーティスト、Sophie Calle (ソフィ・カル) の作品を展示する。カルは長年にわたり、「喪失」や「不在」について考察を巡らせていることから、今回の協働にあたり、「不在」という主題を提案。一方、トゥールーズ=ロートレックもまた、「人間だけが存在する。風景は添え物に過ぎないし、それ以上のものではない。」と、「不在」と表裏一体の関係にある「存在」について興味深い言葉を残している。本展では、両者の作品を「不在」というテーマで展示。ソフィ・カルから投げかけられた「不在」という主題を通して、当事者が関わることができない展覧会や美術館活動の「存在」について考える。

場所: 三菱一号館美術館
住所: 東京都千代田区丸の内2丁目6-2
会期: 2024年11月23日 (土)〜2025年1月26日 (日)
時間: 10:00-18:00 (祝日を除く金曜日と会期最終週平日、第2水曜日は20時まで) *入館は閉館の30分前まで。年末年始の開館時間は美術館サイト、SNS等でご確認ください
入館料: 一般 ¥2,300、大学生 ¥1,300、高校生 ¥1,000
休館日: 月曜日、 年末年始 (12/31と1/1) *ただし、12月30日と1月13日・20日は開館
HP: mimt.jp/ex/LS2024

安野谷昌穂「法天地在|POTENTIAL」

ペインティングやドローイング、コラージュ、パフォーマンスなど、多岐にわたる手法で表現し続けるアーティスト・安野谷昌穂。「自分自身とは何か」、「世界とは何か」という根源的な問いを探求する安野谷は、芸術を通じて目に見えない世界を言語化する。本展では、変化変容する「いま」を駆け抜ける私達それぞれが必要としている物事や視点に着目。未発表の新作を展示する。年内の第一期と年始の第二期では展示スペースの拡張、作品の追加、変更などを行う予定だ。

場所: HARUKAITO by ISLAND
住所: 東京都渋谷区神宮前6-12-9 BLOCK HOUSE 2F
会期: 2024年12月1日 (日)〜12月22日 (日) / 2025年1月11日 (土)〜1月26日 (日)
時間: 13:00-19:00
入場料: 無料 *オープニングレセプション11月30日 (土)18:00-20:00
休館日: 月、火、水
IG: www.instagram.com

瀧本幹也「MONACO Azur」「MONACO Gracieux」

Leica Gallery Tokyo © Mikiya Takimoto

瀧本幹也は、広告写真やCM映像、映画作品撮影をはじめ国内外での作品発表や出版など多彩な活動を続ける写真家。東京と京都の2カ所にて開催される本展は、コート・ダジュールに面した世界で2番目に小さな国であるモナコの地を舞台に、モナコ特有の紺碧の海や空、優雅な空間を切り取った32枚の写真を厳選して公開する。ライカギャラリー東京では17点、ライカギャラリー京都では15点を展示。瀧本幹也が切り撮る世界から語られる言葉、視線の先に綴られる作品をぜひ会場でチェックして。

場所: (1)ライカギャラリー東京 (ライカ銀座店 2F)
(2)ライカギャラリー京都 (ライカ京都店 2F)
住所: (1)東京都中央区銀座 6-4-1 2F
(2)京都府京都市東山区祇園町南側 570-120 2F
会期: (1)2024年12月6日 (金)〜2025年3月9日 (日)
(2)2024年12月7日 (土)〜2025年3月9日 (日)
時間: 12:00-19:00
入場料: 無料
休館日: 月
HP: leica-camera.com

インゲヤード・ローマン「Hemma」

本展では、スウェーデンを代表するデザイナーであり、陶芸家の Ingegerd Råman (インゲヤード・ローマン) が昨年の夏に、VAGUE KOBE のために制作した陶芸作品を展示販売する。そのほかにも、有田焼ブランド「2016/」のためにデザインした器や木村硝子で発表されたプロダクトも並ぶ。タイトルの「Hemma (ヘンマ)」は、スウェーデン語で「我が家」や「ホーム」を意味し、その響きには優しさと温もりが込められている。VAGUE KOBE 代表の柳原照弘が、20代の頃に訪れた北欧のカーテンのない窓越しに見える家族の団欒の光景。そこで見えたキャンドルで灯された美しい器や家具は、初めてインゲヤードのアトリエに訪れたときの光景にも重なるという。日常に寄り添うデザインの在り方に深く感銘を受けた柳原が、その光の景色を再現する。今回の展示では、そんなシーンを、東京・南青山に店舗を構え、アートと自然の調和を追求するギャラリーショップ「ATELIERMO (アトリエ・エムオー)」がセレクトした家具や調度品が彩りを添える。Pierre Jeanneret (ピエール・ジャンヌレ)、Charlotte Perriand (シャルロット・ペリアン)、George Nakashima (ジョージ・ナカシマ) などの名だたるヴィンテージ家具やオブジェ、絵画がインゲヤードの作品と響き合い、それぞれのシーンに異なる趣を加える。

場所: VAGUE KOBE
住所: 兵庫県神戸市中央区海岸通9-2 4F
会期: 2024年11月29日 (金)〜2025年1月27日 (月)
時間: 12:00-18:00
入場料: 無料
休館日: 火、水、木
HP: tystudio.fr/vague

ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ「Dance Floor as Study Roomーしたたかにたゆたう」

「Dance Floor as Study Room—したたかにたゆたう」新作のための制作スチル ©︎ wendelien van oldenborgh

オランダの現代美術を代表するアーティストのひとり、wendelien van oldenborgh (ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ) の新作を発表する展覧会。ファン・オルデンボルフはこれまで映像作品やインスタレーションを通じて、人種差別、ジェンダー問題、歴史、植民地主義などの支配的言説や権力構造に対峙する作品を発表してきた。特に近年は、日本とオランダ、そしてインドネシアにゆかりのある女性アーティストのリサーチを進めており、その中には山口ともゆかりの深い、女優で映画監督の田中絹代や、作家の林芙美子が含まれる。本展では、こうしたアーティストたちに焦点をあて制作した脚本による新作とこれまでに制作された作品のほか、多様な文化や社会を表す装置として、会場をダンスフロアに見立てたインスタレーションを展開する。

場所: 山口情報芸術センター[YCAM]スタジオA
住所: 山口県山口市中園町7-7
会期: 2024年11月30日 (土)〜2025年3月15日 (土)
時間: 10:00〜19:00
入場料: 無料
休館日: 火 (祝日の場合は翌日)、12月29日 (日)〜1月3日 (金)、2月26日 (水)〜3月6日 (木)
HP: www.ycam.jp/events

ウェイド・ガイトン「Thirteen Paintings」

Image by: © Wade Guyton Photo Courtesy Matthew Marks Gallery

現在ニューヨークを拠点に活動している Wade Guyton (ウェイド・ガイトン)。創作に用いるメディアと素材は、写真や彫刻、映像、書籍、紙に描いたドローイングなど多岐にわたり、厳密なコンセプトに基づく作品を手がけている。最も知られているのは、大型キャンバスにインクジェットプリンターを使って制作した作品であり、モノクロのイメージ、炎、「X」や「U」の文字、『ニューヨーク·タイムズ』のウェブページといった象徴的なモチーフが繰り返し登場する。ガイトンとその作品はデジタル時代の到来をめぐる芸術議論において重要な役割を果たしている。アーティストにとって初の日本での展覧会となる本展では、2022年に製作された13点のパネルからなる大判絵画作品「Untitled」を展示。これらは制作途中の作品から滴るインクやプリントの際に生じるズレなどのイメージも作品の構成要素となっている。ウェイド・ガイトンの作品を実際にご覧になってほしい。

場所: エスパス ルイ·ヴィトン東京
住所: 東京都渋谷区神宮前5-7-5 ルイ·ヴィトン表参道ビル7階
会期: 2024年10月31日 (木)〜2025年3月16日 (日)
時間: 12:00-20:00
入場料: 無料
休館日: ルイ·ヴィトン 表参道店に準ずる
HP: www.espacelouisvuittontokyo.com