TFP Recommends Exhibitions

【開催中】 今週のTFP的おすすめ展覧会

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【開催中】 今週のTFP的おすすめ展覧会

TFP Recommends Exhibitions

現在開催中の展覧会や写真展、アートイベントから、The Fashion Post (ザ・ファッションポスト) のおすすめを毎週ピックアップ。今週はどこへ行こう。毎週火曜日更新。

※新型コロナウイルスの感染予防の取り組みに関する最新の情報については、各施設の公式サイトにてご確認をお願いします。

5月13日〜5月19日

斉藤思帆、森岡美樹「Pictura super Pavimentum」

TOGA AOYAMA で定期的に開催される展示プロジェクト「TOGA TRIANGLE」。第8回目の開催となる今回は、アーティスト村田冬実が運営する東京・大井町のギャラリー「18, Murata」とのコラボレーションで、斉藤思帆と森岡美樹による二人展となる。展覧会のテーマは、「Pictura super Pavimentum」というラテン語の言葉に基づいている。この言葉は「床の上の絵画」という意味で、視覚芸術や身体感覚、生活の中での制度、記憶と空間が交わる様子を探ることを目指すという。斉藤は、和紙やアクリル、シルクスクリーンを使った絵画を日常的なアイテム (棚や壁紙、机など) と一緒に展示し、私たちが普段生活している空間に作品が置かれることで生まれる偶然的な効果を表現。一方で森岡は、宗教施設や学校など、特定の場所における身体感覚や記憶に注目し、床という空間の基盤を活かしたインスタレーションを展開する。本展では、絵画が単に壁にかけられるだけでなく、来場者の動きと共に発見され、床の上から視線を向けてくるような展示を実施。展示と日常、作品と空間の関係について新たな視点を提供する場となる。

場所: TOGA AOYAMA
住所: 東京都港区南青山5-3-5 ミル・ロッシュビルB1F
会期: 2025年5月9日 (金)〜7月31日 (木)
時間: 12:00-20:00
入場料: 無料
HP: store.toga.jp/blogs/toga-triangle

高橋ヨーコ「The Sound of Distance」

写真家の高橋ヨーコは、京都府で生まれ、大学卒業後に写真家としての道を歩み始め、2010年にサンフランシスコへ移住。2020年に帰国し、現在は横須賀市秋谷を拠点に活動している。旅をしながら様々な撮影を続けている高橋ヨーコは、世界の生活文化や風景をフィールドワークするように撮影。本展では、旧ソ連を中心とした東ヨーロッパで精力的に撮影した高橋の代表的な作品群、大小約20点を展示・販売する。彼女の独自の色彩感覚と静かな美学を堪能できる貴重な機会をお見逃しなく。

場所: SISON GALLERy
住所: 東京都渋谷区猿楽町3-18
会期: 5月8日 (木)~5月25日 (土)
時間: 13:00-18:00
入場料: 無料
休館日: 月、火
HP: sison.tokyo/info/6230377

中野道「うつせみ」

2015年よりファッション、音楽の領域で写真家・映像監督として活動する中野道。中野は、「撮影」に対して、「目の前の連続した瞬間の一部分を切り取ること、何かを選ぶということは、同時に選ばれなかったものが必ず存在するということ」と考える。本展「うつせみ」では、「切り取る」という行為に着目し、撮影したものと、切り取られずにこぼれ落ちたものとの間に何があるのかを表現する。世田谷のギャラリースペース「々 noma」が新たに取り組む出張展示として、東京・神楽坂の「BOOTLEG gallery」にて開催。プリント作品と映像、またそれらを組み合わせることで撮影するという行為について実践的に考察し、「存在/不在」のはざまについて問い直した作品群からは、中野道が立ち会ってきた世界の断片を辿ることができる。

場所: BOOTLEG gallery
住所: 東京都新宿区改代町40
会期: 2025年5月10日 (土)〜12日 (月)、17日 (土)〜19日 (月)、24日 (土)、25日 (日)
時間: 13:00-20:00
料金: 無料
IG: www.instagram.com/michinakan0

マーク・ゴンザレス「NO TROUBLE」

Mark Gonzales (マーク・ゴンザレス) は、現代ストリートスケートの生みの親として「ゴッドファーザー」と称され、その自由で革新的なスタイルは、スケートボードに関わるすべての人々にとってかけがえのない指針となってきた。活動はスケートにとどまらず、アーティストとしても多くの人々を魅了し、影響を与え続けている。彼の作品は、ロサンゼルス現代美術館で開催された過去最多の来場者数を記録した展覧会「Art in the Streets」にも出展され、adidas Skateboarding (アディダススケートボーディング) や Supreme (シュプリーム) のグローバルキャ ンペーンでもその存在感を発揮。「NO TROUBLE」と題された本展では、彼のユーモアと予想外のセンスが光るドローイングや、色鮮やかなキャンバス作品が公開される。偉大なスケートボーダーであり、詩人であり、アーティストである彼は、常にあらゆる境界を超えながら、観る者に「本当の自由」を感じさせてくれるだろう。会場では、最新作のマーク・ゴンザレスの作品を販売。また THE LAST GALLERY SOUVENIR STORE では、個展の作品を掲載したブックレット、 T-Shirts、バックなど特別なアイテムも用意している。

場所: SO1
住所: 東京都渋谷区神宮前6丁目14-15
会期: 2025年5月9日 (金)〜5月14日 (水)
時間: 11:00-19:00
料金: 無料

ジェイソン・リー 写真展

Jason Lee (ジェイソン・リー) は、アメリカのスケートボーダー、俳優、そして写真家。 彼は90年代を代表するスケートボーダーの一人であり、自身のブランド STEREO (ステレオ) を立ち上げるなど、スケートボード業界に大きな影響を与えててきた。俳優としても多くの映画やテレビドラマに出演しており、日本では『あの頃ペニー・レインと』や『バニラ・スカイ』への出演で知られている。今回は、写真家としての Jason Lee にフォーカス。2000年より本格的に写真を始め、すでに海外の著名な出版社から3冊の写真集を刊行している Jason Leeによる展覧会では、ロンドンの出版社 STANLEY/BARKER から出版された2冊の写真集『TX | CA 17』と『TX | CA 19』から厳選したオリジナルプリントを展示。会期は前期・後期に分けて、前期では 『TX | CA 17』、後期では 『TX | CA 19』 が並ぶ。これらのシリーズは、リーが当時暮らしていたテキサス州から、かつて住んでいたロサンゼルスへ向かうロードトリップの中で撮影されたもの。70年代のアメリカで起こった風景写真のムーブメント「ニュー・トポグラフィクス」に影響を受けた彼の写真は、劇的な自然美を称えるものではなく、ありふれたアメリカの風景を中立的な視点で淡々と捉える。

場所: スタジオ35分
住所: 東京都中野区上高田5-47-8
会期: (1)5月7日 (水)〜5月24日 (土)
(2)5月28日(水)〜6月14日(土)
時間: 16:00-22:00
休廊日: 日、月、火
料金: 1drink order
HP: 35fn.com

「RAREMETAL zine release exhibition」

永戶鉄也は、96年より広告、パッケージ、MV、ドキュメンタリー映像、音楽、ファッション、カルチャーの領域でディレクションを行うアートディレクター。新プロジェクト「RAREMETAL」の柿落としとして開催される今回のイベントでは、zine のリリースと展示を披露。去年末に立ち上げ、今年の夏から販売が開始されるプロジェクト「RAREMETAL」。本展でリリースされる zine はアパレル、作品、テキスト、印刷物の境を曖昧にして混在できないかというプロジェクトの第1弾となっている。本展は紙や印刷を⻑年に渡り探求してきた永戶による紙の可能性を探る展示ともなりそうだ。また、今回のために制作されたスクリーンプリンティングカンパニー「IPMatter」が手掛けたシルクスクリーン刷りの T シャツとステッカーを数量限定で発売。Hi Bridge Books ならではの、一味違う永戶のインスタレーションをぜひ会場で楽しんでほしい。

場所: Hi Bridge Books
住所: *住所非公開のため、インスタグラムで要チェック
会期: 5月9日 (金) 16:00-20:00、5月10日 (土) 14:00-19:00、5月11日 (日) 14:00-19:00
料金: 無料
HP: www.instagram.com/hi_bridge_books

「サウンドウォーク・コレクティヴ & パティ・スミス|コレスポンデンス」

東京都現代美術館にて開催中の「コレスポンデンス」展は、Patti Smith (パティ・スミス) と Soundwalk Collective (サウンドウォーク・コレクティヴ) による最新のオーディオビジュアル・インスタレーション。Patti Smith がフィールドレコーディングから得た「音の記憶」に基づき詩を書き下ろし、Soundwalk Collective が映像とサウンドを編集。展示では、チェルノブイリ原発事故や森林火災、動物の大量絶滅といったテーマを探求し、アーティストや革命家を参照しながら人間と自然の関係を問いかける8つの映像が展示される。今回の展示は、日本で初公開の新作も含まれ、サウンドデザインと映像が一体となった没入型の体験を提供する。また、貴重な映像素材や、Patti Smithが新たに生み出した詩とアートが観客に強い印象を与える。世界各地で進化し続ける本プロジェクトが、日本でどのように展開されるのか、その深い対話と感動的なビジュアルに触れる貴重な機会を見逃すな。

場所: 東京都現代美術館
住所: 東京都江東区三好4-1-1
会期: 2025年4月26日(土)〜2025年6月29日(日)
時間: 10:00-18:00
休館日: 月曜日 (5月5日は開館、5月7日は休館)
料金: 一般¥1,800、小学生以下 無料
HP: www.mot-art-museum.jp

「LOVE ファッションー私を着がえるとき」

Loewe ドレス(部分) 2022 年秋冬 撮影:来田猛 ©京都服飾文化研究財団

昨年、京都国立近代美術館で開催された同展。「着ること」の奥深さを再認識する今回の展覧会では、18世紀から現代までの厳選された衣服やアート作品を通じて、私たちの「LOVE」に満ちた多様な願望を探る。毛皮を巡る価値観の変化や、過剰で奇抜な装いに凝縮された美意識を振り返り、現代デザイナーの作品も紹介。デザインを極限までそぎ落とす HELMUT LANG (ヘルムート・ラング) や時代や性別を超えた衣装で私たちの固定観念を揺さぶる COMME des GARÇONS (コム・デ・ギャルソン) など、服に込められた新たな意味や形を感じることができる。さらに、Wolfgang Tillmans (ヴォルフガング・ティルマンス) や松川朋奈、AKI INOMATA など、現代アーティストの作品を通じて、さまざまな願望や葛藤を抱えながら現代を生きる多様な「私」という存在とその認識を広げる。約130点の衣服、装飾品、アート作品が一堂に展示され、私たちの内面や欲望、アイデンティティを映し出す。

場所: 東京オペラシティ アートギャラリー(ギャラリー1, 2)
住所: 東京都新宿区西新宿3丁目20-2
会期: 2025年4月16日 (水)〜6月22日 (日)
時間: 11:00-19:00 *入場は18:30まで
休館日: 月曜日(ただし、5月5日 (月・祝)は開館)、5月7日(水)
料金: 一般¥1,600/大・高生¥1,000/中学生以下無料 *同時開催「愛について 収蔵品展 083 寺田コレクションより」、「project N 98 楊博」の入場料を含む。障害者手帳等をお持ちの方および付添1名は無料。 *割引の併用および入場料の払い戻しは不可。
HP: www.operacity.jp

「周辺・開発・状況 — 現代美術の事情と地勢 —」

本展は会場となる下瀬美術館が2024年に「世界で最も美しい美術館」として「ベルサイユ賞 (ユネスコ本部創設の建築賞)」を受賞した記念に行われる特別企画展。チーフキュレーターには齋藤恵汰、コキュレーターとして松山孝法、李静文、根上陽子が参加し、日本から遠藤薫、⾦理有、久⽊⽥⼤地、鈴⽊操、MADARA MANJI、韓国から Omyo Cho (オミョウ・チョウ)、中国からジェン・テンイ (鄭天依)、インドネシアから Muhamad Gerly (ムハマド・ゲルリ)、ミャンマーから Soe Yu Nwe (ソー・ユ・ノウェ) など、東アジア出身の9組の若手アーティストが日本初公開の作品を発表。展示は、美術館の独特な建築と周辺環境、宮島との関係に焦点を当て、現代美術が地域や地勢とどう交わるかを探求。アーティストたちが場所に応答し、地域との繋がりを感じさせる作品を展示する。

場所: 下瀬美術館
住所: 広島県大竹市晴海2-10-50
会期: 2025年4月26日(土)〜7月21日(月・祝)
時間: 9:30-17:00 (入場は16:30まで)
休館日: 月曜日(祝日の場合は開館)
料金: 一般¥2000円、高校生・大学生¥1000、中学生以下 無料
HP: simose-museum.jp

「スペクトラム スペクトラム」

© Nacása & Partners Inc./ Courtesy of Fondation d’entreprise HermèsInstallation view of the exhibition “Spektrum Spektrum,” 2025 「スペクトラム スペクトラム」 展示風景(2025年)

本展は、ブリュッセルにあるエルメス財団のギャラリー La Verrièr (ラ・ヴェリエール) にて開催された展覧会「Spektrum」を鏡のように映し出しながら、新たなナラティブの構造を重ね合わせていく対話で生まれた。タイトルの「スペクトラム」とはドイツ語表記による「Spectrum」で、物理的な現象の分布や範囲 (光学や音響に用いられるスペクトルなど) を表すと同時に、亡霊や幻視といった超自然的な存在や、また比喩的に扇子を意味するなど、広い射程とグラデーションを持つ言葉。ブリュッセルを拠点に活動した Marcel Broodthaers (マルセル・ブロータース、1924-1976) の影響を受け、彼のアイロニーや詩的な視点が展覧会の根底にあるという。本展では、ブロータースの大胆さとユーモアを取り入れ、参加した7名のアーティストが「真実」と「虚構」のあいだにある場所を表現する。参加アーティストは、Emmanuelle Castellan (エマニュエル・カステラン)、題府基之、川端健太郎、Marie Laurencin (マリー・ローランサン)、Johannes Nagel (ヨハネス・ナ―ゲル)、Walter Swennen (ヴァルター・スウェネン)、津田道子。彼らの作品を通じて、鑑賞者は身体的な体験を通じて新たな物語を形成し、信頼や幻想の可能性を探る。

場所: 銀座メゾンエルメス フォーラム 8、9階
住所: 東京都中央区銀座5-4-18 8、9階
会期: 2025年3月20日 (木・祝)~6月29日 (日)
時間: 11:00-19:00 *4月30日 (水・祝) は開館
入場料: 無料
休業日: 水
HP: www.hermes.com

名和晃平「Sentient」

名和晃平《Cells in the Grotto》2025、mixed media、455×955×495 mm、photo: Nobutada OMOTE

名和晃平は20年以上にわたり、テクノロジーと生態の変化を反映させた彫刻作品を通じて、物質と記号の関係を探求してきた。彼の作品は、デジタル素材や人工物、自然素材などが組み合わさり、時代や地域を超えた美的概念を提示。彫刻はしばしば可視化されにくい感覚や意識に迫り、記号の意味が揺れ動くことを意図している。「PixCell」をはじめとしたシリーズも、これらの素材が彫刻と結びつき、物の表面や意味が変化していく様子が描かれている。「意識・感覚のある」という意味を持つ本展「Sentient」では、これらの作品をさらに深く掘り下げ、「物の存在」について新たな視点を提示する。

場所: SCAI THE BATHHOUSE
住所: 東京都台東区谷中6-1-23
会期: 2025年4月22日 (火)〜7月12日 (土)
時間: 12:00-18:00
休廊日: 日、月、祝日
料金: 無料
HP: www.scaithebathhouse.com

ニコラス・ウィンディング・レフン、小島秀夫 「SATELLITES」

Nicolas Winding Refn and Hideo Kojima Photo Yuji Watanabe “Satellites” by Nicolas Winding Refn with Hideo Kojima Prada Aoyama Tokyo / 18.4 – 25.8.2025

『プッシャー』3部作や『ドライヴ』『オンリー・ゴッド』で知られる映画監督 Nicolas Winding Refn (ニコラス・ウィンディング・レフン) とゲームクリエイター・小島秀夫による展覧会。クリエイティブスタジオ by NWR によって構想された本展は、二人の10年以上にわたる共同制作を基に、映画とゲームの境界を超えて深い対話を追求している。まず、会場にはミッドセンチュリー風の空間が広がり、友情やクリエイティブなコラボレーション、新しいテクノロジーと創造性、アイデンティティとコミュニケーション、死とその先に残るものなど、多岐にわたるテーマについて深く思索的な対話を交わす。次に第2部として無数のカセットテープが置かれた更衣室が出現。テープにはサウンドバイトや映画のサウンドトラックが収録されており、ニコラス・ウィンディング・レフンと小島秀夫の対話がさまざまな言語でAI翻訳され、織り交ぜられている。来場者は山積みのテープの中から1つ、テープを持ち帰ることができるという。映画とゲームの未来の融合を暗示する、新しい創造的体験をこの機会に会場で味わってほしい。

場所: プラダ 青山店
住所: 東京都南青山5-2-6
会期: 2025年4月18日 (金)〜8月25日 (月)
時間: 11:00-20:00
入場料: 無料

TAKAY「Tesseract」

©TAKAY, Courtesy of Akio Nagasawa Gallery

写真家の TAKAY (タケイ) は、1996年渡英し、イギリスのファッション誌『i-D』でキャリアをスタート。現在はニューヨークと東京を拠点に、ファッション誌から「ArmaniJeans」「Y-3」の広告など、ワールドワイドに活躍する。TAKAY の3年ぶりとなる本展では、瞬間的な身体の動きや変化に着目し、さまざまなシルエットを追いながら、その存在感を表現。写真を通じて、身体の潜在的な力を視覚的に再構築し、観る者に新たな感覚を呼び起こす試みとなる。また、本展にあわせて、Akio Nagasawa Publishing より同名の写真集も刊行。ぜひこの機会をお見逃しなく。

場所: Akio Nagasawa Gallery Ginza
住所: 東京都中央区銀座4-9-5 銀昭ビル6F
会期: 2025年4月17日 (木)〜5月31日 (土)
時間: 火曜〜土曜 11:00-19:00 (土曜日は13:00-14:00 一時休廊)
休廊日:日曜、月曜、祝日 *GW休廊有
料金: 無料
HP: www.akionagasawa.com

「ロエベ クラフテッド・ワールド展 クラフトが紡ぐ世界」

本展は、21世紀における最も革新的な建築の数々を手がけた建築設計事務所である OMA とのコラボレーションによってデザインされ、ファッションに対する LOEWE (ロエベ) の前衛的なアプローチと世代を超えて受け継がれるクラフトの文化を紹介するもの。手仕事への献身を称える内容となっており、壮大な展示室ではスタジオジブリや京都の陶芸ユニットのスナ・フジタをはじめとする、近年 LOEWE のコレクションにインスピレーションを与えた想像力の世界へ没入することができる。さらに、本展では東京での開催を記念して、LOEWE が日本の国内外で行ってきたコラボレーションや文化プロジェクトを紹介する作品を特別展示。LOEWE FOUNDATION (ロエベ財団) が支援する、京都で400年以上にわたって茶の湯釜を造り続けてきた「大西家」のドキュメンタリー映像に加え、Craft Prize のファイナリストである四代田辺竹雲斎と渡部萌、2019年の大賞受賞者である石塚源太、「ミラノサローネ国際家具見本市」の展示でコラボレーションした ARKO (アーコ)、松本破風らの作品が紹介される。

住所: 東京都渋⾕区神宮前6-35-6
会期: 2025年3月29日 (土)〜5月11日 (日)
時間: 9:00-20:00 (最終入場19:00)
入場料: 無料 (予約制)
HP: loewe.cm/CraftedWorldTokyo

水谷太郎「New Hollow」

ファッション写真やアーティストのポートレート、映像作品を手がける一方、アーティストとして作品制作を精力的に行う水谷太郎。本展では、作家が日本、アメリカ、アイスランドなどで撮影した新旧のモノクロ作品62点を展示。雪の重みで崩れた木造建築、意味を失った看板、車窓から流れゆく景色、自然が生み出す抽象的な模様など、人工と自然のあわいに浮かぶ被写体たちが、空白、静寂、記憶について静かに語りかける。展覧会のタイトル「New Hollow (新たな空洞)」には、時の流れと共に剥がれ落ちた意味や機能の残像が生み出す余白、そしてそこに染み込むように現れる記憶や静寂へのまなざしが込められている。「私たちの視点は何を捉え、写真はその白の向こうに何を映し出すのか」。その答えを探すかのように、水谷は風景を求め続ける。展示されるすべての作品は購入可能だという。ぜひこの機会に会場へ足を運んでほしい。

場所: T&Y Projects
住所: 東京都品川区東品川1-32-8 TERRADA ART COMPLEX Ⅱ 4F
会期: 2025年4月5日 (土)〜5月10日 (土)
時間: 12:00-17:00
入場料: 無料
休業日: 日、月、祝日
HP: www.ty-projects.com

アンゼルム・キーファー「ソラリス」

オーロラ (原題:Aurora) 2019–22 キャンバスに乳剤、油彩、アクリル絵具、シェラック・ニス、金箔、電気分解による沈殿物、石膏、 木、スチール、皮革、チャコール 280 × 470cm

Anselm Kiefer (アンゼルム・キーファー) は、半世紀以上にわたり、文学、歴史、哲学、化学、宗教、神話などを題材に、人類の普遍的なテーマを重層的な作品の中で扱ってきた。本展では、新作を公開するほか、初公開作品を含む絵画、野外彫刻、ガラスケース作品、インスタレーションなど計33点を展示。作品の中には、和歌から着想を得た作品や、原爆投下後の広島の風景画が描き込まれた作品も並ぶ。1945年、第二次世界大戦の終戦直前、空襲下の病院の地下で生まれ、荒廃した戦後ドイツの風景の中で育ったキーファー。今年は長崎と広島への原爆投下、そして、終戦から80年の節目にあたる。彼の作品に反映される、時間の隔たりや地理的距離を超えて私たちを結びつける人類の経験を、二条城の空間で探究する機会になる。

場所: 二条城 台所、御清所等
住所: 京都市中京区二条通堀川⻄入二条城町 541
会期: 2025年3月31日(月)〜6月22日(日)
時間: 9:00-16:30 *最終入場は16:00 二条城の最終入場は16:30、17:00閉門
料金: 一般¥2,200、京都市民・大学生¥1,500、高校生¥1,000 (別途二条城への入場券が必要 一般¥800)
HP: https://kieferinkyoto.com/