今週のTFP的おすすめ映画
開催中のTFP的
おすすめ展覧会
「今、観るべき」「今からでも観れる」映画を月替わりでご紹介。東京都心で公開中の映画を中心に、
The Fashion Post (ザ・ファッションポスト) 編集部おすすめの作品を、大型シネコンからミニシアターまでセレクト (毎週火曜更新)。
「TOKYO ART BOOK FAIR 2025」
今年で15回目を迎えるアジア最大級のアートブックフェア TOKYO ART BOOK FAIR。今回は規模をさらに拡大し、2週末に渡り、
会場: 東京都現代美術館 企画展示室B2F、エントランスホールほか
住所: 東京都江東区三好4-1-1
会期: 12月11日(木)~12月14日(日)、12月19日(金)~12月21日(日)
時間: 12月11日(木) 12:00-19:00 (最終入場時刻 18:30)、12月12日(金)~12月14日(日) 11:00-18:00 (最終入場時刻 17:30)
12月19日(金) 12:00-19:00 (最終入場 18:30)、12月19日(金)~12月21日(日) 11:00-18:00 (最終入場17:30)
入場料: オンラインチケット 一般 ¥1,000+発行手数料 ¥165 *小学生以下無料 (日時指定あり)
お申込みはこちら https://www.
当日券 ¥1,200 (販売は各日16時まで/
HP: tokyoartbookfair.com
山野アンダーソン陽子、三部正博「Longing for Grey」
スウェーデン在住のガラス作家・山野アンダーソン陽子と、東京を拠点に活動する写真家・三部正博。2018年よりスタートした「Glass Tableware in Still Life」プロジェクトを通じ、ガラス・絵画・写真といった異なる表現を横断し、新しい風景を生み出してきたこの2人。本展では、それぞれのアプローチに焦点を当て、光・味・香り・記憶が交わる空間を創り出した。タイトルにも含まれる「grey」をテーマに、山野による約250点の新作グラス、三部が光と影の狭間を繊細に切り取った写真群が展示される。さらに本展では、スウェーデンの Stockholms Bränneri (ストックホルム ブランネリ) と Vague Kobe (ヴァーグ コウベ) が共同開発した、ほうじ茶・山椒・エルダーフラワーを蒸留したオリジナルクラフトジンも提供・販売。また、12月27日(土)には、トークイベントも開催される予定だ。異なる材料を調和させて新しい余韻を生み出すように、ガラスと写真、ジンと空間が響き合いながら、Vague Kobe の中に、 淡くにじむグレーの風景が静かに漂うエキシビションとなる。
会場: Vague Kobe
住所: 兵庫県神戸市中央区海岸通9-2 チャータードビル4F
会期: 12月5日(金)~2026年1月19日(月)
時間: 12:00-18:00
休廊日: 火、水、木
HP: www.instagram.com
塩田正幸「RETINAGAZER」
1973年生まれ、埼玉県出身のフォトグラファー・塩田正幸。主に音楽シーンを舞台に活躍しており、坂本慎太郎や、ECD (イーシーディー)、アメリカの Jim O’Rourke (ジム・オルーク) といったミュージシャンたちのジャケットを手掛けている。展覧会で紹介されるのは、塩田が四半世紀にわたって制作した作品群をまとめた写真集『RETINAGAZER』。”反射神経”を最大限に追求したスナップ写真で構成された『NPEAKER』や『LIFE HUNTER』などの初期作から「写ってなくても良い」という言葉に向き合い、内向的な写真実験をした『ケの日ヒョウハク』シリーズ。そして、“網膜を凝視する者”という作家の根底にある概念に辿り着いた『RETINAGAZER』など、ジャンルやカテゴリーに捉われず、写真の存在意義に向き合い、問いただしてきた塩田の実験的な活動の記録が綴られた内容となっている。写真143点以外に、美術史家の Daniel Abbe (ダニエル・アビー)、エディターの松村正人、作家の石川祥伍という3名による論考を収録した冊子も併せて堪能してみてほしい。
会場: flotsam books
住所: 東京都杉並区和泉1-10-7
会期: 12月13日(土)
時間: 17:00-20:00
HP: www.flotsambooks.com
宮島達男「To Sea of Time - TOHOKU」
photo by Nobutada Omote
1957年生まれ、東京都出身の現代美術家・宮島達男。「それは変化し続ける」、「それはあらゆるものと関係を結ぶ」、「それは永遠に続く」という3つのコンセプトに基づき、LED を用いて1から9までの数字が変化するデジタルカウンターを使ったインスタレーションや立体作品を中心に制作を行っている。本展「To Sea of Time – TOHOKU」は、東日本大震災の犠牲者への鎮魂と震災の記憶の継承、そしてこれからの未来をともに創ることを願い、3000人と制作する「時の海 - 東北」プロジェクトへの賛同から開催が決定。その一環で特別に制作された「Life Face for Sea of Time – TOHOKU」は、同じ数字の「版」から、まったく異なる数字の並びが無数に現れるという、時間の瞬間性をとらえたシルクスクリーン作品。同氏と3,000人の人々が創り出した作品を通して、大切な人のことや命について静かに問いかける本展。心揺さぶられるこの空間で、静謐なひとときを過ごしてみてほしい。
会場: Akio Nagasawa Gallery Ginza
住所: 東京都中央区銀座4-9-5 銀昭ビル 6F
会期: 12月4日(木)〜2026年1月31日(土)
時間: 11:00-19:00 *土曜は13:00-14:00休廊
休廊日: 月、日、祝日 *12月28日(日)~2026年1月5日(月)は休廊
HP: www.akionagasawa.com
「Opacities Line Bøhmer Løkken & Marte Aas」
学生時代を共に過ごしたノルウェー人写真家 Line Bøhmer Løkken (リーナ・バーマ・ロッケン) と、同じくノルウェー人アーティスト Marte Aas (マルタ・オース)。本展は、それぞれ作家として国内外で精力的に活動している2人の日本初の展覧会となる。Løkken が2024年に発表し、高い評価を得た作品「Dry Eye Dripping Stone」と、Aas の新作「Vertical Shift」が共有するテーマ「霞/不透明さ (Opacities)」に焦点を当てた。「Dry Eye Dripping Stone」では、写真における「見る視線 (光学的)」と「感じる視線 (触覚的)」の二元性に着目した探求から、見る者に新しい視覚体験をもたらす。一方、Aas の作品は、写真を固定された視点から解放するという実践的なアプローチを追求している。会場では、この2作品を同一空間上に構成するインスタレーションとして紹介。それぞれの探求が重なり、共鳴する空間を、この機会に体験してみてほしい。
会場: IACK
住所: 石川県金沢市高岡町18-3
会期: 12月6日(土)~12月28日(日)
時間: 平日 10:00-12:00/13:00-16:00、土日祝 11:00-14:00/15:00-18:00
HP: www.iack.online
三好耕三「A Long Interview with Kozo Miyoshi」
©三好耕三
1947年生まれ、千葉県出身の写真家・三好耕三。旅を通じて各地を訪れ、風景や人々の一瞬を観察者として静かに捉える同氏の写真は、時の流れや記憶、その土地の空気を繊細に写しとることで知られる。Vacant では約15年ぶりとなる本展は、新刊写真集『A Long Interview with Kozo Miyoshi』の刊行を記念して行われるもの。16×20インチという、超大判フィルムカメラで焼き付けられたモノクロの写真群が紹介される。旅路の中で被写体と向き合い、対等な関係を築きながら意識的に小さなユーモアを取り込んでいく。彼の写真に一貫する無垢な問いかけが織りなす、長い旅路の記録が凝縮された展示となる。三好の60年以上のキャリアをたどるフォトエキシビションにて、純粋かつ精美な世界を堪能してみて。
会場: Vacant/Centre
住所: 東京都渋谷区元代々木町27−6
会期: 11月28日(金)~12月22日(月)
時間: 13:00-18:00 *11月28日(金)は17:00まで
休廊日: 火、水、木
HP: www.vacant.vc
ジャック・テザム「A PATH THROUGH THE LOOP」
アーティストの Jack Tezam (ジャック・テザム) は、パリと故郷であるフランス中南部に広がる山地のマシフ・セントラルを行き来しながら活動。現在は台湾に拠点を移し、制作を行っている。「A PATH THROUGH THE LOOP」では、Jack にとって親しみのあるフランス中南部シマフ・セントラルを主題にした写真、ドローイング、インスタレーションで構成。火山活動により形成された山岳地帯に魅了された彼は、20年近くにわたって何度も足を運び、作品に昇華してきたという。新たな火山要塞の台湾へ拠点を移すという大きなターニングポイントを機に、制作の足跡をたどる重要な機会でもある展覧会。なお今回の作品では、台湾のアーティスト Yi Cheng Lee (イー・チェン・リー)、フランスのクリエイティブプラットフォーム Vaisseau Terre (ヴァイソー・テール) も参加する。Jack が新たなステージへ移るその瞬間を覗いてみては。
会場: LAID BUG
住所: 東京都渋谷区代官山町2−3 ザ・ロウズ代官山
会期: 11月28日(金)~12月13日(土)
時間: 13:00-20:00
休廊日: 日、月
HP: www.laidbug.com
銀座メゾンエルメス ル・フォーラム「メタル」
Élodie Lesourd | Synopsie (blackSheart) | 2019 | Print on paper, aluminium tape on paper and on floor | In Situ ©Élodie Lesourd
エルメス財団の書籍『Savoir & Faire 金属』の刊行を記念し、開催されるエキシビションでは、人類の歴史と深く結びついてきた金属の文化的側面に着目する。キーワードとなったのは、フランスの社会学者・歴史家 Hughes Jacquet (ユーグ・ジャケ) が提唱した、金属の「両義性 (アンビヴァレンス)」という考え方だ。音楽・映像・造形の角度から3名のアーティストが金属を紐解き、本質を掘り下げていく。パリを拠点に、メタル音楽を記号的に解釈するアーティスト Élodie Lesourd (エロディ・ルスール)。2011年に映画監督としてデビューし、日本古来の朱と水銀を媒介に、内的宇宙と外的象徴を創造する遠藤麻衣子。そして、銃や大砲などを扱った作品や金属の廃材を用いた作品を手掛ける榎忠。「金属」という素材がどれだけ多様な表情を持ちうるのか。それぞれが“金属”に違う温度感でアプローチし、その多面的な性質を浮かび上がらせる本展にぜひ足を運んでみて。
会場: 銀座エルメス ル・フォーラム
住所: 東京都中央区銀座5-4-1
会期: 10月30日(木)~2026年1月31日 (土)
時間: 11:00-19:00 *入場は18:30まで
休館日: 水 *年末年始は銀座店の営業時間に準ずる
HP: www.hermes.com
「Marina Perez Simão & Tomie Ohtake」
現在ブラジルのサンパウロを拠点に活動するアーティスト Marina Perez Simão (マリーナ・ペレス・シマオ)。記憶やイメージの蓄積と並置を基盤に、油彩、水彩、版画の制作を手掛ける。一方、Tomie Ohtake (トミエ・オオタケ) は、ブラジル国籍の日系人アーティストの代表的な存在。日本からブラジルに帰化した彼女は、独創的な抽象表現を通してブラジルにおけるモダニズムに新たな地平を切り拓いたことで知られている。いずれもブラジルにルーツを持つ2人の展覧会が同時開催。今回のエキシビションでは、Simão の風景からインスパイアされた新作絵画と、Ohtake が1963年から2013年にかけて制作した作品が響き合うように展示された。Simão にとって日本での初個展となる本展では、縦型や横型のフォーマットを実験的に用い、新しい空間の捉え方を提案する。Ohtake のキャンバス作品と彫刻のエキシビションでは、20世紀ブラジル美術の中で故人が築き上げた、実験的で革新的な実績にフォーカス。独創的な8点の絵画、スチール彫刻が紹介される。ブラジルという共通のルーツを起点に、それぞれのアートがどう響き合うのか。2つの視点が交わるこの機会、ぜひ足を運んで体感してみて。
会場: Pace ギャラリー
住所: 東京都港区虎ノ門5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA 1-2F
会期: 11月4日(火)~2026年2月11日(水)
時間: 11:00-20:00 *日は18:00-20:00、それ以外は19:00-20:00でアポイントメント制
休廊日: 月
HP: www.pacegallery.com
「クサカ シオとジョナス ウッド」
©Jonas Wood
Japan Cityscape,2025
oil and acrylic on canvas
40 x 40 inches (101.6 x 101.6 cm)
Photo: Marten Elder,courtesy of the artist and David Kordansky Gallery
1972年、岩手県盛岡市生まれの陶芸家・彫刻家、クサカシオ。現在はアメリカ・ロサンゼルスを拠点に活動し、オランダやニューヨーク、ロサンゼルスなどでエキシビションを開催するなど、グローバルに活躍する日本人アーティストの一人だ。1977年生まれのアーティスト、Jonas Wood (ジョナス・ウッド) もまた、ロサンゼルスを拠点に活動。風景やインテリア、器、植物、そしてスポーツをモチーフにしたペインティングで知られる。今回は、ロサンゼルスのデイヴィッド・コルダンスキー・ギャラリーと両足院の共同企画による2人展として開催。クサカによる陶芸作品と Wood による絵画が呼応されるように展示される。クサカは、古来より受け継がれる陶芸の理念を現代的な解釈へと昇華し、日本の縄文時代や古墳時代の陶芸に着想を得た作品を通して、近年のテーマを探求する。一方、ウッドの新作『Japan Cityscape』では、樹木や建物、芝生の質感が多様な線で描き出され、立体感と奥行きを巧みに表現。黒く塗りつぶされた空は、不思議な開放感を漂わせながら、寺院建築のもつ幾何学的な構造や静謐さを呼び起こす。Wood がクサカの器を描いた絵画や、クサカが両足院の内部空間をモチーフとして装飾した器など、暗黙の対話が交錯する本展。深まりゆく季節にぴったりな展示を、心ゆくまで体感してみて。
会場: 両足院
住所: 京都府京都市東山区大和大路通四条下る4丁目小松町591
会期: 11月13日(木)~12月10日(水)
時間: 13:00-17:00 *入場は閉館の30分前まで
HP: ryosokuin.com
小畑多丘「MYMOVE-彫刻の逆のドローイング 彫刻を彫刻ではない方法で表現する」
ブレイクダンスをモチーフとした彫刻家で知られる小畑多丘。自身のブレイキン経験に基づき、ブレイクダンスをする人= B BOY (ビーボーイ) の身体の動きをアート表現として昇華してきた。ダンスの途中で一瞬動きを止める「フリーズ」という技法を彫刻的な行為と捉えたことから、代表作「B BOY」シリーズが誕生。そのアプローチは、彫刻だけに留まらず、写真やドローイング、キャンバス、映像まで多岐に拡張し続けている。国内では、2年ぶりの個展となる本展では、ドローイング作品を中心に構成し、柱やガラス面、くぼみといったギャラリー空間の特徴的な構造を積極的に取り込みながら、小畑の彫刻的思考を空間全体へと展開する。B BOY のアイデンティティ、ヒップホップカルチャーをまとわせた作品群に触れてみてほしい。
会場: agnès b. galerie boutique
住所: 東京都港区南青山5-7-25 ラ・フルール南青山2F
会期: 11月15日(土)~2026年1月25日(日)
時間: 12:00-19:00
休廊日: 月 *11月24日(月)、1月12日(月)を除く、冬季休業 12月27日(土)~2026年1月5日(月)
HP: www.agnesb.co.jp
サイトウマコト「みえるもの」
サイトウマコトは、1952年生まれの画家。Lucian Freud (ルシアン・フロイド)、Francis Bacon (フランシス・ベーコン) といったイギリスの画家のポートレートを絵筆で描写するなど表現の幅を広げてきた。今回の個展では、サイトウが取り組み始めた抽象的な大型ペインティング作品の新作4点を紹介する。デジタル上での解体と再構成の過程において収集された多数のポートレートのデータの断片を組み合わせることで制作された作品群だ。制作過程においては、モニター上でいくつものレイヤーを重ねることによって作品の完成イメージを、「風景を探す旅」だと例えている。サイトウのまなざしが表象された「絵」が並ぶ本展。その「絵」は、風景を見出した作家本人のまなざしそのものを覗くことになるだろう。
会場: タカ・イシイギャラリー 六本木
住所: 東京都港区六本木6-5-24 3F
会期: 11月5日(水)~12月13日(土)
時間: 12:00~19:00
休廊日: 日、月
「『数寄者』の現代ー即翁と杉本博司、その伝統と創造」
1948年生まれ、東京出身の現代美術作家・杉本博司。現在は、東京とニューヨークを行き来しながら活動中。表現方法は、写真、彫刻、演劇、執筆、書、陶芸、和歌、料理といった多岐にわたるジャンルに及ぶ。一方、1881年に金沢で生まれた実業家・畠山一清は、日本の大手ポンプメーカーである株式会社荏原製作所を創業し発展させる傍ら、茶の湯を深く追求した数寄者としても知られる人物だ。笠原 畠山美術館の新館開館1周年を記念した特別な展示会は、日本の文化と美術に新たな解釈を取り入れ、「数奇の精神と茶の美とは何か?」という問いをテーマに構成。杉本の新作を含めた作品および同館のコレクションがお披露目される。同氏による屏風の大作『春日大社藤棚図屏風』や、最新作『埴輪鹿親子』などとともに展示されるほか、長年収集してきた古美術品から選りすぐりの品々が公開。本館2階の展示室では、笠原 畠山美術館の創設者である畠山が集めてきた茶道具などが並ぶ。近現代最後の数寄者・畠山一清と、現代の数寄者とも呼ぶべき、杉本博司が出会う本展。時代を超えた芸術作品の数々を通して、2人の茶の湯に対する姿勢や想いを紐解いてみては。
会場: 笠原 畠山美術館
住所: 東京都港区白金台2丁目20−12
会期: 10月4日(土)~12月14日(日) *前期10月4日(土)~11月9日(日) 後期11月12日(水)~12月14日(日)
休館日: 月 *祝日の場合は開館、翌日休館
時間: 10:00-16:30 *入場は閉館の30分前まで
HP: www.hatakeyama-museum.org
マシュー・ジェニテンポ「DOGBREATH」
©Matthew Genitempo
アメリカ・テキサスを拠点に活動する現代写真家 Matthew Genitempo (マシュー・ジェニテンポ)。彼が大判カメラを用いて記録した今のアメリカは、モノクロームで写されており、どこかメランコリーな雰囲気が漂っている。日本初となる個展「DOGBREATH (ドッグ ブレス)」では、同名の写真集から作家がセレクトした作品をはじめ、数点の未収録作品が展示。乾きひび割れたアスファルト、色あせた近隣の風景、裏庭の犬たち、居場所を見つけようともがく若者たちの姿などをリアルに映し出した本作は、「場所」と「思春期」という2つのテーマで構成されている。街を歩き、ユースカルチャーを白黒で丁寧に切り取った、アメリカ写真の新世代作家 Genitempo。彼の作品が放つ混沌とした世界観は、観る者の心を捉えて離さない。この機会に、ぜひ足を運んでみて。
会場: テラススクエア 1F エントランスロビー
住所: 東京都千代田区神田錦町3-22
会期: 9月29日(月)~2026年1月23日(金)
休館日: 土、日、祝、年末年始
時間: 8:00-20:00 *最終日は19:00まで
HP: ensemble-magazine.com
トーマス・ルフ「Two of Each」
©︎Thomas Ruff
ドイツを代表する写真家 Thomas Ruff (トーマス・ルフ)。自らシャッターを切った作品のみならず、第3者によって撮影されたイメージを再構築するなど、写真表現の拡張を試みている。本展は、ギャラリー小柳の開廊30周年を祝す記念展として開催。同ギャラリーにてこれまで紹介してきた Ruff の代表作「Substrate (サブストレート)」、「negatives (ネガティブス)」に加え、初公開となる「flower.s (フラワーズ)」と「untitled# (アンタイトルド)」がお披露目。展覧会タイトル「Two of Each (トゥー・オブ・イーチ)」の通り、いずれのシリーズからも2作品ずつを展示することで、反復や対比が際立ち、イメージの多様性を浮き彫りにする。それぞれのシリーズの2点のはざまに立ち上がる緊張や余白を読み解くことで、「写真とは何か」という Ruff の問いかけに改めて向き合う機会を与えてくれるエキシビション。世界が注目する写真家の個展を通し、写真表現の本質に迫ってみては。
会場: ギャラリー小柳
住所: 東京都中央区銀座1-7-5 小柳ビル9F
会期: 10月18日(土)~12月13日(土)
休廊日: 日、月、祝祭日 *11月9日(日)は開廊
時間: 12:00-19:00 *11月7日(金)~11月9日(日)のアートウィーク東京開催期間中は、10:00-18:00
HP: gallerykoyanagi.com
アンディ・ウォーホール「ANDY WARHOL – SERIAL PORTRAITS」
©The Andy Warhol Foundation for the Visual Arts, Inc. / Licensed by Adagp, Paris 2025 Courtesy of the Fondation Louis Vuitton, Paris / Photo credits: Jérémie Souteyrat / Louis Vuitton
ポップアートを代表するアメリカ出身のアーティスト Andy Warhol (アンディ・ウォーホル)。20世紀のアメリカ文化を代表するアイコン Marilyn Monroe (マリリン・モンロー) や、Elvis Presley (エルヴィス・プレスリー) などを印象的に描き、大衆に親しみある作品を数多く残した人物である。「ANDY WARHOL – SERIAL PORTRAITS」展では、Warhol が生涯にわたり着目し続けた、アイデンティティやイメージの操作とは何かという問いをテーマに焦点を当てる。会場には、初期の貴重なドローイング作品から代表的な晩年のセルフポートレート、知られざる作品まで、厳選して紹介される。映画やテレビをはじめとする、あらゆるメディアに露出していた同氏は、ウィッグやサングラスを用いた多彩なキャラクターになりきり、注目を集めていたという。そんな数々の人物像が収められたポートレートは、外見を自在に操ることのできる Warhol の手腕を物語っており、アイデンティティやイメージの操作とは何かという問いを鑑賞者に投げかける。同氏の革新的な発想力に迫る本展にぜひ立ち寄ってみては。
会場: エスパス ルイ・ヴィトン東京
住所: 東京都渋谷区神宮前5-7-5 ルイ・ヴィトン表参道ビル 7F
会期: 10月2日(木)~2026年2月15日(日)
時間: 12:00-20:00
HP: jp.louisvuitton.com
国立新美術館 「ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧」
1884年ローマで創業した宝飾品ブランドであり、世界5大ジュエラーにも数えられているBVLGARI (ブルガリ)。10年ぶりの日本開催となる本展「ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧」は、日本における過去最大規模の企画展として行われる。展覧会タイトルに含まれる「カレイドス」は、「美しい (カロス)」、「形態 (エイドス)」を意味するギリシャ語を由来としており、美と創造性が調和した、変化し続ける色彩世界を象徴する言葉となっている。メゾンが誇る豊かな色彩にフォーカスした展示は、ブルガリ・ヘリテージ・コレクションをはじめ約350点ものマスターピース、そして没入型のインスタレーションにより構成。集結したジュエリーは、メゾンの創造の歩みを辿りながら、イタリアと日本のアート、デザインに対する情熱を描き出している。また本展は、「色彩の科学」、「色彩の象徴性」、「光のパワー」という3つの章で展開されており、BVLGARI の色彩の魅力を解き明かす貴重な機会となる。第1章「色彩の科学」では、色彩の効果に科学的にアプローチし、厳選したアイコニックなジュエリーを通して色彩の相互作用を明らかにしていく。第2章「色彩の象徴性」では、色の文化的・象徴的な側面を深く掘り下げ、色彩の選択を通じてどのように意味や感情を伝えられるのかについて注目。最終章「光のパワー」では、我々が色を感知する際の光の役割に着目し、シルバーやゴールドといった反射する素材において光がどのように作用するかを観察する。BVLGARI が誇る色彩豊かなジュエリーを通してメゾンの物語を辿る本展。展覧会に足を運び、さながら万華鏡のように鮮やかな彩りの世界へ飛び込んでみてほしい。
場所: 国立新美術館
住所: 東京都港区六本木7-22-2
会期: 9月17日(水)~12月15日(月)休館日: 毎週火曜日
時間: 10:00-18:00 (毎週金・土は20:00まで) *入場は閉館30分前まで
入場料: 一般2300円、大学生1000円、高校生500円 *中学生以下は入場無料、障害者手帳をご持参の方 (付添の方1名を含む) は入場無料 *日時指定制
HP: www.nact.jp
「永遠なる瞬間 ヴァン クリーフ&アーペル ― ハイジュエリーが語るアール・デコ」
絡み合う花々、赤と白のローズ ブレスレット 1924年 プラチナ、エメラルド、ルビー、オニキス、イエローダイヤモンド、ダイヤモンド ヴァン クリーフ&アーペル コレクション © Van Cleef & Arpels
1906年にパリのヴァンドーム広場で誕生したハイジュエリー メゾン Van Cleef & Arpels (ヴァン クリーフ&アーペル)。世界5大ジュエラーの1つに数えられ、メゾンのシグネチャーである四つ葉のクローバーをモチーフにした「Alhambra (アルハンブラ)」コレクションは幸運のシンボルとして人気を博している。本展は、Van Cleef & Arpels のハイジュエリー作品を通じて「現代装飾美術・産業美術国際博覧会 (アール・デコ博覧会)」の100周年を祝す記念展。メゾンは、1925年に開催されたアール・デコ博覧会の宝飾部門においてグランプリを受賞しており、大きな話題となった。本展は、その博覧会の影響を大いに受けたという朝香宮邸 (現・東京都庭園美術館) を舞台に100年の時を経て、固い絆で結ばれた両者が出会う特別なエキシビションとなっている。会場に並ぶのは、グランプリに選ばれた作品の1つ「絡み合う花々、赤と白のローズ ブレスレット」 (1924年) や、メゾンの「パトリモニー コレクション」を中心とした歴史的な作品群。Van Cleef & Arpels に今なお引き継がれる匠の技の数々にはぜひ注目したい。アール・デコ博覧会100周年を記念する祝祭的な本展では、2つの美が織りなすハーモニーを感じさせてくれるはず。
会場: 東京都庭園美術館
住所: 東京都港区白金台5-21-9
会期: 9月27日(金)~2026年1月18日(日)
休館日: 毎週月曜日および年末年始(12月28日–1月4日) *祝日の月曜日(10月13日、11月3日、24日、
時間: 10:00-18:00 *11月21日(金)、22日(土)、28日(金)、29日(土)、12月5日(金)、6日(土)は20:00まで (入館はいずれも閉館の30分前まで)
入場: 予約制
HP: art.nikkei.com
「LA MUSEUM NANA KOMATSU」
2002年創業のヴィンテージショップ LAILA (ライラ) が手掛けるオンラインミュージアム LA MUSEUM (ラ・ミュージアム)。今回のオンライン展覧会では、『余命10年』(22年)や、『糸』(20年)、また2025年8月に公開を控える『8番出口』にも出演する、女優・小松菜奈が被写体として登場。本展にて彼女が纏ったのは、現在同サイトで公開中の「1950s-2010s History of Modern Fashion Desgin」展から抜粋された歴史的衣服たち。イギリス、フランス、アメリカ、ベルギー、日本など多様な文化背景を持つ、才能溢れるデザイナーたちによって創作されたワードローブを、3D になった小松菜奈が自由自在なポーズとともに、紹介している。生きた人体がマネキン役を演じ、袖を通すことで服自体の持つシルエットを最大限引き出すことが可能に。フィジカルな美術館では実現し得ない本展は、ファッションシーンに新たな解釈、大いなる可能性を見出すことになるだろう。ヴァーチャルミュージアムだからこそ、体験できるこの空間は、きっと見る者の胸を躍らせてくれる。
場所: LA MUSEUM
会期: 7月18日(金)~2026年1月11日(日)
HP: www.la-museum.com/lp
YAYOI KUSAMA 「INFINITY- SELECTED WORKS FROM THE COLLECTION」
大阪・関西万博の開催に合わせ、ESPACE LOIUS VUITTON OSAKA (エスパス ルイ・ヴィトン大阪) にて開かれる、日本を代表するアーティスト草間彌生の個展「INFINITY- SELECTED WORKS FROM THE COLLECTION」。アヴァンギャルドなアートにより、強烈なインパクトを与える彼女の世界観。強迫的に反復されるモチーフは、彼女の表現手法であり、創作の主題でもあった。本展では草間彌生の美学をテーマに、国際的なアートシーンで登場した初期の作品から近年にいたるまで、長い年月に及ぶ作品群を紹介する。草間彌生の代名詞でもある水玉模様によるインスタレーションや、絵画作品が一堂に会する貴重な機会になっている。注目作である「無限の鏡の間-ファルスの原野」は、草間の“無限の鏡の間”シリーズ第1作であり、鑑賞者を果てしない水玉の空間へと誘うインスタレーションだ。同シリーズは、鏡張りの部屋の中に様々な作品を配置することで、無限に広がる空間を演出したものであり、世界的に人気を集めている。数々のコラボレーションを展開するこのタッグ。なかでも今回は、彼女の軌跡をたどることができるまたとないチャンスなので近くを訪れた際は、ぜひ足を運んでみて。
場所: エスパス ルイ・ヴィトン大阪
住所: 大阪市中央区心斎橋筋2-8-16 ルイ・ヴィトン メゾン 大阪御堂筋 5F
会期: 7月16日(水)~2026年1月12日(月)
時間: 12:00-20:00
HP: www.espacelouisvuittontokyo.com











