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繊細なきらめきとともに。藤間爽子が堪能する、センシュアルな秋メイク〈後編〉
新しいコスメを使うときのわくわく感は何にも代えがたい。いつもより行動力が出たり、身につけるものが変わったり。メイクを新しくすると気分までも変わるものだ。今シーズンはくすみカラーやダークトーンなど、この季節にふさわしい落ち着きのある色みが揃う。一方でそんな深みのあるカラーに抜けと華やかさをもたらすラメを取り入れた質感が多くラインナップ。そこで、軽やかなラメを使用することを前提とした、最旬カラーメイクをお届け。まとうのは俳優と日本舞踊家という2つの肩書きを持つ、藤間爽子。異なるテクスチャーを巧みに組み合わせたメイクアップで、新たな秋色を楽しんで(全2回)。
sawako fujima
model: sawako fujima
photography: yusdai kusano
styling: lee yasuka
hair & make up: shiho sakamoto
text: yuko igarashi
interview & edit: manaha hosoda
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ドレス ¥634,700、シャツ ¥231,000、スカート ¥442,200、ブーツ ¥665,500/すべて Bottega Veneta (ボッテガ・ヴェネタ)
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HOW TO MAKE UP
メイクアップの主役となるアイシャドウは shu uemura (シュウ ウエムラ) とジュエリーブランド TASAKI (タサキ) のコラボレーションコレクションからセレクト。TASAKI のアイコンとも言える「デインジャー」シリーズに着想を得たアイスカルプト レベル ブラック パールのコーラルカラーをアイホールと下瞼に塗り、目元に奥行きを確立。アクセントとして同じアイパレットからシルバーシャドウをピックアップ。あえて重ねず、くの字を書くように囲んで塗布することで、ぬくもりのあるカラーにメリハリを。また、チークは目元と同系色のオレンジカラーをふんわりつけ、まとまりのある仕上がりに。
リップは Hermès Beauty (エルメス ビューティ) の2024秋冬リミテッド・エディションから明るいベージュを選出。秋のやわらかな陽光をイメージした透明感のある仕上がりは、色を乗せるという役割ではなく、唇の色を整え、抜けに必要なツヤをもたらしてくれる。指先は Hermès (エルメス) のレザーコレクションから着想を得たレ マン エルメスのネイルエナメルを。濃厚なグレーがかったカーキで、落ち着いたムードを漂わせて。
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ITEMS USED
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リップバームのような半透明のテクスチャーのリップ。繊細なパールが詰め込まれた質感は唇の本来の色を引き立てながら、やわらかい輝きをもたらしてくれる。リップスティック部分のレフィル交換が可能。 ルージュ エルメス ルージュ ア レーヴル ブリヤン 03 ¥10,010/Hermès (エルメス)
©Studio des fleurs
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一度塗りでもしっかり発色する、グレーのニュアンスを帯びた深いカーキのネイルエナメル。先端に丸みを帯びた長いブラシは色ムラなく塗布することが可能。天然由来成分71%。 レ マン エルメス ヴェルニ エマイユ 83 15mL ¥6,490/Hermès (エルメス)
©Studio des fleurs
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シルバーとブラック シマーを組み合わせたアイシャドウパレット。使用したのは細かいパール入りのピンクがかったベージュ (左下)と、粒の大きさが異なるラメを混ぜ、多彩な光を放つシルバー(左上)。どちらもクリアな発色で何度重ねても軽やかな見た目をキープできる。 アイスカルプト レベル ブラック パール(11月1日限定発売) ¥7,480/Shu uemura (シュウ ウエムラ)
©2024 TASAKI
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ハイライターとチークが1つになったデュオパレット。薄づきなオレンジカラーが自然な血色感をあたえ、ヘルシーな雰囲気を作り出す。 ナクレハイライターブラッシュデュオパレット パーリー イエロー ゴールド (11月1日限定発売) ¥6,600/Shu uemura (シュウ ウエムラ)
©2024 TASAKI
Q&A
—藤間さんはもともと舞踊の世界でも活動されていて、演技も始められ、叶海と同じように挑戦を恐れない方なのかなと思いました。梓や叶海に共感するところはありましたか?
確かにいろいろなことに挑戦しているかもしれません。それを楽しめちゃう自分がいて、確かにそういうところは叶海に似ていますね。梓も挑戦的なところもありますが、作品内では結婚に躊躇していて……。若い時はとにかくがむしゃらに頑張れて、怖いもの知らずなところがありますが、どんどん現実的なことがわかってくると、躊躇してしまったり、これでいいのかなって疑問に感じてしまったりしますよね。大きな決断に一歩踏み出すことが難しかったり、そういうところは自分の世代になってすごく感じるところです。
—最新出演作『アイミタガイ』内で描かれた2つの違った女性像も見どころのひとつのように思います。今回はビューティの企画として、2パターンのメイクアップに挑戦していただきました。紫のリップはかなりチャレンジングだったんじゃないかと思いますが、それこそ躊躇しませんでしたか?(笑)
確かに、紫のリップを塗ったのは人生で初めてでした。でも、こんな経験なかなかないので、楽しみながらメイクしてもらいました。ヘアメイクも衣装も普段とは違ったので、すごく新鮮でしたね。また、新しい自分を知ることができました。
—撮影中の所作がすごく綺麗でした!舞踊と演技は別物でしょうか?
踊りは身体表現なので、身体の隅々からエネルギーを放出しているような感覚ですね。もちろん、演目にもよりますが……。一方で、お芝居はちょっとした表情が意味を持っていたりして、そういうところは全然違いますよね。どちらも違う良さがあって、楽しんでいます。俳優業では、新しい作品や人と知り合い、まだまだ知らない自分がいることを毎回感じています。