夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく。白岩瑠姫と久間田琳加
ruki shiroiwa × rinka kumada
model: ruki shiroiwa & rinka kumada
photography: yudai kusano
interview & text: manaha hosoda
edit: manaha hosoda & keita hino
『リリイ・シュシュのすべて』や『青い春』、『GO』など、制作当時の社会情勢と学生時代特有の甘酸っぱさを巧みにおりまぜた青春映画には、その時代ごとに名作が存在する。新型コロナウィルスのパンデミックを経て、新たな時代を迎えた今、フレッシュな作品がまた世に送り出される。国内外から注目を集めるグローバルボーイズグループ、JO1のメンバーである白岩瑠姫にとって映画初出演作であり、モデル・俳優と活躍する久間田琳加とW主演を務めた『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』は、”マスク”をきっかけに物語が動き出す。
無彩色で息苦しい世界が、鮮やかに色づきはじめる——。シリーズ累計発行部数55万部を記録している汐見夏衛による原作を、彩色豊かな映像を特色にもつ1991年生まれの新鋭・酒井麻衣監督が映画化。本作の公開を記念して、絵を描くことをこよなく愛する自由奔放な青磁と、マスクを手放すことができない優等生の茜を演じたふたりが TFP に初登場。
夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく。白岩瑠姫と久間田琳加
—白岩さんは映画初出演、久間田さんと初共演とのことでしたが、おふたりとも撮影中、印象に残っていることはありますか?
白岩:コミュニケーションを心がけて、結構話すようにしていました。印象深いのは、屋上で行った撮影の終盤。すごく寒くて、カットがかかったらすぐに上着を羽織って、暖かいテントのなかで籠もっている間、たくさん話をしました。長丁場の撮影も、そうやって話していたら乗り越えることができました。
久間田:最初にお会いしたときは、お互い本当に一言も喋れなくて。でも撮影に入ってからは、いきなり距離が縮まりました。きっと白岩さんがたくさん話しかけてくれたから、すぐに素を出せたんだと思います。
白岩:お互いに大人しいなとは思っていたけど、喋りはじめたら、「こんなに喋り返してくれるんだ」とか、「はしゃぐんだ」とか、素を出してくれたのがわかりました。ふたりとも人見知りですね(笑)。
—白岩さんは青磁を演じることで、改めて自分の表現活動について考えたことはありましたか?
白岩:自分の慣れない環境に飛び込んで、演技もほぼ初めてに等しかったので不安はありました。ただ、それを乗り越えたら、自分たちのパフォーマンスやステージも怖くなくなって、緊張もあまりしなくなりました。むしろ、ステージに対して「やってやるぞ」とか「楽しむぞ」っていう気持ちがより強くなりましたね。あと、自分の幅がひろがったなとも思います。どんなに緊張して、不安に思っても人生は1度きりです。青磁も言っていましたが、「時間は永遠じゃない」というのは、本当にその通りだと思います。もっと「考えるよりも楽しみたい」という気持ちを、この映画を通して学びましたね。
—茜は本来の自分と周りからの見え方とのギャップに悩んでいましたが、久間田さんはそういうところってありますか?
久間田:そうですね。原作を読ませていただき、台本を読んだ時も自分と重なる部分が多く、共感できるキャラクターだと思いました。今でも私は「茜っぽい」といいますか、思ったことをはっきりといえない部分はもちろんあるけど、この作品を演じ切った今は、意識が少し変わり「ちょっとでも伝えてみようかな」と思えるようになりました。すごくこの作品に、自分の意識的な部分を変えてもらったなと感じています。
—学生時代というのは、感情がすごく揺れ動く時期ですが、スクリーンからおふたりがそうしたことを意識されながら演じられていたことが伝わりました。今回、演技において工夫されたことがあれば教えてください。
白岩:「演じる」って思うと、どうしても変に力が入っちゃったり、不自然に見えたりしてしまう。経験はなくともそう思いましたし、そう教えていただくことがありました。特に今回の役は自分に近い、親しみやすいキャラクターだったので、自分に嘘つくことなく素直に演じてみました。あまり作り込みすぎず、自然であることを意識しましたね。
久間田:茜が思っていたことをいうシーンには、「あんなに感情を最近出したことあったかな」と台本を読んだときから思っていました。昔は絶対に出していたはずなのに、大人になるにつれて、しなくなっていた。なので、「こんな感じだったっけ?」って思い出す作業もありました。学生には学生ならではの感情の起伏があるので、そのときの感情を思い起こすような感覚で、あのシーンは演じています。