エデンの園を求めて。新垣結衣とロエベ vol.4
「私たちは楽園に生きています。ここはまさしく、エデンの園なのです。」これは、Albert York (アルバート・ヨーク) というアメリカの画家(1928-2009)の言葉である。
同氏の描いた田園風景画や花の静物画を展示し、よく見ると明度の異なる3色の緑で構成された空間でお披露目となった LOEWE (ロエベ) 2024年秋冬ウィメンズコレクション。引き続き、メゾンのクラフトマンシップと Jonathan Anderson (ジョナサン・アンダーソン) の大胆なテクニックが融合。そこに陶磁器で見られるようなボタニカルパターンといった特権階級を比喩する品格のあるモチーフが加えられ、強い存在感をまとった衣服を通して”真の楽園は私たちの暮らすこの世界である”というアーティストの感性と、生きていることの特権を祝福した。
そんな LOEWE のオプティミズムに溢れた最新コレクションの世界に足を踏み入れたのは、女優の新垣結衣。一見するとシンプルなデザインながら、袖を通せばわかる、巧みなカッティングやドレーピング、ブランドを代表するレザーやデニムといった素材のクオリティ。着る人の個性を引き立てつつも、さりげなく主張する LOEWE の意匠を存分に堪能し、しなやかにファッションの楽しさを表現してくれた(最終回/全4回)。
loewe
with yui aragaki
model: yui aragaki
photography: yuji watanabe
videography: kohei igarashi
styling: fusae hamada
hair & make up: shinji konishi
flower styling: yurika moriya
music: masaya tamura
edit & text: manaha hosoda
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もともとスペイン・マドリードで皮革製品の工房としてスタートしただけに、レザーには並ならぬこだわりを持つ LOEWE。vol.1で登場した「フラメンコパース」にも採用されている、ソフトレザーのシグネチャーである「メローナパラムスキン」で仕立てられたジャケットは、まさに粋を凝らした逸品。まるでバターのように滑らかな光沢が美しく、数シーズンにわたって登場しているオーバーサイズのバルーンシェイプが LOEWE らしさを強調。さらに、他のナパレザーと比べて密度と厚みがあるため、傷がつきづらいのも嬉しい。デイリーな装いはもちろん、ドレスやスカートを合わせてエレガントに、どんな着こなしもカバーしてくれる頼もしい1枚だ。