
京都に息を重ねて。柄本佑とレインメーカー vol.1
俳優・柄本佑という役者から、目が離せない。大河ドラマ『光る君へ』では、「この世をば わが世とぞ思ふ」と詠んだ藤原道長を演じ、華やかな時代の裏にある静謐さをまといながら、その人物像を浮かび上がらせた。さらに、世界43か国でNo.1ヒットを記録したアニメーション映画『野生の島のロズ』では声優としても出演。森山大道と荒木経惟による撮り下ろしで刊行された初のフォトブックでは、新たな表現にも一歩を踏み出した。場所や媒体が変わっても、浮ついた主張はなく、静かに風景へと滲んでいくようなその姿には、どこか京都という街の気質と響き合うものがある。
今回、柄本が纏うのは、京都を拠点とする RAINMAKER (レインメーカー) の2025年秋冬コレクション。RAINMAKER は、和の美学を出発点に、現代的なテクノロジーや異文化の要素を独自の視点で掛け合わせ、時代の空気に寄り添う服作りを続けている。今季は、ウェスタンのエッセンスとエレガンスを織り交ぜ、機能性と洗練が共存するスタイルを展開する。撮影を手がけたのは写真家・鈴木親。京都の光と影、その隙間に浮かぶ人物の呼吸をとらえるようにして、柄本佑とレインメーカーの交差点を静かに記録した。装いと空気、時間と記憶が、重なり合う瞬間をとらえた、ひとつの肖像(第1回/全5回)。
tasuku emoto
with rainmaker
model: tasuku emoto
photography: chikashi suzuki
videography: chikashi suzuki & nagisa
styling: tsuyoshi nimura
hair & makeup: ryoji nakashima
text & edit: daisuke yokota