
語らない強さ。池松壮亮と IM MEN が交わす余白 vol.3
大袈裟な演出も、雄弁な言葉もいらない。シンプルなのに視線を奪う── IM MEN (アイム メン) の服には、そんな “語らない強さ” の説得力がある。2021年の立ち上げ以来、創業者・三宅一生が掲げた「一枚の布」という視点を軸に、デザインとエンジニアリングの両面から、“男性のための新しい日常着” の可能性を広げてきた IM MEN。形を決めつけず、着る人の姿勢に委ねること。そして完成するそのクリエイションには、計算尽くされた機能性と、着る自由の余白が同居する。
池松壮亮という俳優は、その “語らない強さ” を自然体のまま証明するような存在だ。役を演じるというより、その人物として呼吸をしているように映る。撮影当日も、カメラの前で、ただそこに在るという佇まいだけで、景色の意味を塗り替えてしまうような不思議な魅力があった。彼の歩幅や肩の傾きひとつが、服の表情を静かに変化させる。凛とした静けさを纏う池松壮亮の姿と、IM MEN の余白の美学が、都市の中でそっと交差する (第3回/全4回)。
IM MEN with sosuke ikematsu
model: sosuke ikematsu
photography: kodai ikemitsu
styling: babymix
hair & make up: ayumi naito
edit: nonoka nagase & miu nakamura
text: nonoka nagase
sponsored



ブルゾン METALLIC ULTRA BOA ¥242,000、パンツ WOOL LIKE TWEED ¥49,500、シューズ SWIFT FLYFRONT ¥55,000 、ストール *参考商品/すべて IM MEN (アイム メン)


大胆なフォルムを描くブルゾン「METALLIC ULTRA BOA」は、今季の IM MEN の中でもひときわ目を引く存在。人工皮革スエード「Ultrasuede®」 に、リサイクルウールを含んだボアを貼り合わせた人工ムートンは、見た目以上の軽さを備え、表面に箔プリントを施すことで力強いメタリックな質感へと昇華した。左右の裾から袖口へと走るファスナーを捻るように閉じれば、肘まわりに建築的なラインが浮かび上がり、黒一色の表面に彫刻的な陰影を刻む。
ショート丈の「WOOL LIKE TWEED」パンツは、足元に余白を与えながら、全体をモダンに整える。ツイードの温もりをポリエステルで再現した生地と、プレス加工によるタックが生む立体感は、しなやかな動きやすさと端正なシルエットを同時に叶えた。デザインの強さやテキスタイルの美しさに留まらず、“一枚の布”が成す機能性が、着る人の生活へ寄り添うルック。

