ポール・スミスと描く、創造者たちの肖像。松坂桃李とシム・ウンギョン vol.4
クリエイティブな感性と、個性が息づく服。イギリスを代表するデザイナー Sir Paul Smith (サー・ポール・スミス) が生み出すデザインには、そんなポジティブなエネルギーが満ちている。幼少期からカメラを手にし、写真と共に歩んできた Sir Paul Smith は、2025年秋冬コレクションで「レンズの向こう側」をテーマに掲げ、20世紀を代表する写真家たちの個性やスタイルに焦点を当てた。トラディショナルな装いに、写真を愛する彼ならではのユーモアと創造性を融合させ、テーラリングをモダンに再解釈。いつの時代も、インスピレーションに満ちた世界を発信し続けている。
そんな Paul Smith (ポール・スミス) の精神に共鳴したのは、俳優の松坂桃李とシム・ウンギョン。『新聞記者』(2019) 以来、再びカメラの前で出会う二人。表現者として互いをリスペクトし、共に作品を生み出す歓びを知る彼らが導くのは、創造する者が見つめる、レンズの向こう側。さまざまな表現が混在する現代に、二人が織りなす化学反応と Paul Smith の精神が静かに呼応する。(最終回/全4回)
Paul Smith
with Tori Matsuzaka & Shim Eun-Kyung
Photography: Shun Komiyama
Stylist (Shim Eun-kyung): Yoshiyuki Shimazu
Stylist (Tori Matsuzaka): Akira Maruyama
Hair (Shim Eun-kyung): Shuco
Make up (Shim Eun-kyung): Tomohiro Muramatsu
Hair & Make up (Tori Matsuzaka): AZUMA
Edit & Text: Yuki Namba
カーディガン¥102,300、ジャケット¥69,300、セーター¥31,900パンツ¥38,500、シューズ¥94,6000/すべて Paul Smith (ポール・スミス)、その他/スタイリスト私物
趣のあるムートンレザーブルゾンを纏った松坂。落ち着いたカラーと、随所にあしらわれたレザーテープとのコントラストがラグジュアリーな印象を演出する。ヴィンテージの風合いを感じつつも品を失わない佇まいは、技術とモダンな感性を兼ね備えた Paul Smith だから叶うバランスだ。
シムが最後に纏ったのは、シグネチャーストライプのカーディガン。タートルネックを合わせたシックなセットアップに一点投入すれば、気分はたちまち UK ムードに。Paul Smith の豊かなカルチャーを背に、新たな自分のスタイルを刻んで。
ジャケット ¥308,000、シャツ ¥39,600、セーター ¥24,200、パンツ ¥49,500、シューズ ¥110,000/すべて Paul Smith (ポール・スミス)、その他/スタイリスト私物
interview
with Tori Matsuzaka & Shim Eun-kyung
– お二人は『新聞記者』(2019) 以来久しぶりの再会とのことでしたが、ファッション撮影の現場でご一緒してみていかがでしたか?
シム: 松坂さんとは本当に久しぶりにお会いしたので、とても嬉しく、感慨深い気持ちになりました。しかもそれが Paul Smith のファッション撮影ということで、何よりも嬉しかったです。久しぶりにお会いして、一緒に楽しく撮影できたと感じています。
松坂: 独特な感性を写真の撮影でも発揮されていて、相変わらず素敵な方だなと思いました。そして、以前お会いした時よりも日本語がさらに上手になっていて、かなり上達していたので驚きました。
– お互いのリスペクトする部分は?
シム: 俳優としてとても誠実に仕事に向き合い、現場でスタッフの皆さんに接するときの優しさや柔軟さを持っている方だと思います。『新聞記者』の撮影のときも、松坂さんのそうした姿勢に刺激を受け、多くのことを学びました。そして今回の撮影でも、そういった一面がしっかりと表れていて、Paul Smith が追求する美しさともどこか通じるものがあるのではないかと感じています。
松坂: 向上心がとてつもない方。作品に対してや、自分自身に対して、満足していない部分を感じられた。このような気持ちを持ち続けている方が、きっと色々なことの架け橋となり、新たな出会いや作品を生み出す、中心人物になっていくのだろうなと思います。
– 今回の撮影のお気に入りカットを教えてください。
シム: 松坂さんがカメラで私を撮ってくださるカット (vol.1掲載) が気に入っています。お互いの衣装も本当に素敵で、Andy Warhol (アンディ・ウォーホル) が自分のファクトリーでアーティストたちを撮影していた光景がふと頭に浮かびました。
松坂: 屋上で二人が並んでいる横位置のカット。(vol.3掲載) ここから物語が始まりそうで、ストーリーが見える感じがしていてお気に入りです。
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