red hot chili winters
#1 a crimson truth

Model: Keqing Eng & Tsubasa Nasu
Photography: Kodai Ikemitsu
Styling: Nozomi Urushibara
Make up: Dash
Hair: Kotaro
Direction & Text: Toru Mitani
Edit: Nonoka Nagase & Yuki Namba

湿度が削ぎ落とされた、冬の街。視界はクリアに広がり、研ぎ澄まされた空気の中で鮮烈に、高貴に、そしてエモーショナルに際立つ「赤」。青みがかった景色を真紅のオーラで染める 2026-2027AW のウィンタースタイルを、シネマティックに纏う。小雨混じりの渋谷、富ヶ谷を舞台にクラインイン (第1回/全4回)。

Fashion

red hot chili winters
#1 a crimson truth

【冬を染めるレッド】 #1 正義を示すスカーレット

冬の朝は冷える。クローゼットにストックしておいた分厚いニットをすばやく纏い、毎朝届く本日の新聞紙に目を通し、世の中の渦をクイックにのぞきこむ。華奢な素肌はぬくもりに包まれ、情報処理の速度は上がる。そろそろ、追い続けてきた “あいつ” が姿を現すはずだ。一か八か。戦闘体制になるため、コルセットのごとくベルトを締め、太ももまでを覆うサイハイブーツを履き、冷静に街を見下ろす。振り返ると、少し錆びれた事務所の扉のドアノブが、カチッと動いた。ほんのわずかに。

3シーズン目を迎えた、Sarah Burton (サラ・バートン) による新生 Givenchy (ジバンシィ)。現代女性が内包する力強さ、たくましさを、大胆なカッティングやストイックなテーラリングで描き、同時に繊細な柔らかさを醸し出す新しいスタイルを打ち出した。中でも目を惹いた、真紅のニットドレス。肉厚でありながらもなめらかにボディに寄り添い、ネックを覆うスタンドカラー、背中が空いたセンシュアルなスリットとともに、情熱的かつエフォートレスなムードを醸す。

Keqing: ドレス ¥470,800、ベルト ¥179,300、バッグ ¥323,400、ブーツ ¥506,000/すべて Givenchy by Sarah Burton (ジバンシィ バイ サラ・バートン)、アイウェア ¥89,100/AHLEM (アーレム)、Tsubasa: モデル、ディレクター私物

伊丹十三が描く女は非常に力強い。『マルサの女』(1987) の国税査察官・亮子しかり、『ミンボーの女』(1992) の弁護士・まひる (ともに宮本信子) しかり、果敢に悪と立ち向かう。その、信念とともに駆け抜ける瞬間は、一秒、一秒、すべてがヴィヴィッドに眩しい。まさに、このドレスに負けないほどの真っ直ぐで正義に満ちたエネルギーだ。