Salvatore Ferragamo
VARA / VIVA

【History】 サルヴァトーレ フェラガモのヴァラと新生ヴィヴァ

Salvatore Ferragamo VARA / VIVA
Salvatore Ferragamo VARA / VIVA
History/

【History】 サルヴァトーレ フェラガモのヴァラと新生ヴィヴァ

Salvatore Ferragamo
VARA / VIVA

text: kaori mori

2020年2月17日、Salvatore Ferragamo (サルヴァトーレ フェラガモ) のアイコンである VARA (ヴァラ)・リボンをモダナイズさせた新たなシューズ VIVA (ヴィヴァ) がローンチした。
現在の Salvatore Ferragamo のクリエーションを担う Paul Andrew (ポール・アンドリュー) は「最初に認識したのは、新しい世代は過去とははっきり異なり、個性的で、それぞれの時代によって形作られるけれど、いずれもその前の世代が生み出した状況に端を発するということでした。それゆえ、Ferragamo のシューズの最も象徴的なエンブレム − VARAのグログランのリボン − を再解釈し、まったく新しいモダンなデザインを構築しました」と語る。フェラガモの過去・現在・未来をつなぐ VIVAとは。

#VivaViva | www.ferragamo.com

VARA は勘違いから生まれた

誰もが知る名品誕生のきっかけというのは、案外 “偶然”や“勘違い”から生まれることがある。Salvatore Ferragamo の VARA もその一つかもしれない。数ある Ferragamoシューズの中で一番広く知られている VARA が誕生したのは1979年のこと。当時のことを Salvatore の長女である Fiamma Ferragamo (フィアンマ・フェラガモ) はこう語る。

「ブラックエナメルシューズを前にして、ひとりの女性デザイナーが、たまたまオフィスにあった箱の中にみつけたグログランでリボンを作り、Ferragamo のトレードマークがついた小さなゴールドのプレートと一緒に飾ってみたのです。私たちはそれをみて素晴らしいアイディアだと思ったので、リボンは靴と同じブラックのエナメル製にすること、という注文をつけてモデリストへと手渡しました。ところが、このモデリストは私の指示を勘違いして、リボンをグログランのまま作ってしまったのです」。エナメル製のシューズにグログランリボンとゴールドのプレート。この異素材の組み合わせが功を奏し、VARA は大ヒット。40年あまり経った現在までに100万足以上の売り上げを誇り、現在に至る女性たちのステータス・シンボルとなっている。

 

 

アイコンと遊ぶ、現代のVARA

VARA は現在も進化している。時代を超えたアイコンパンプスとして、また、モダンクラシックなシューズとして絶え間なく進化を続ける VARA が、昨年秋からはじめたのがメイド・トゥ・オーダープログラム「My Vara」だ。これはサイズや幅はもちろんのこと、3色の中から好みの色をチョイスし、ゴールド・プレートの部分を28種類のオーナメント (26のアルファベット文字と星とハートのオリジナル装飾) から左右それぞれ好きなものを選び、自分仕様にカスタマイズできるというプログラム。Ferragamo のサイト内では、世界で活躍する3人のモデルたちが実際にカスタマイズを体験。自分好みの VARA をスタイリッシュに履きこなしている。普遍的なアイテムの自分仕様というスペシャル感と、アイコニックな遊び心で、どの世代の女性にもフィットする現在進行形の VARA が誕生した。

メイド・トゥ・オーダープログラム「My Vara」は日本では銀座本店と梅田本店の2店舗にて展開中。フェラガモHPでシュミレーション&カスタマイズ後オーダー | www.ferragamo.com より

ポインテッド・トゥに大きめのリボンが特徴的な VIVA。春夏に登場するのはデニム、レザー、リネンキャンバス。メタリックゴールドもあり、素材、カラーともに豊富なラインナップだ。アッパーがラッフルのタイプは3色展開。2センチヒールはモダンとクラシカルが同居する

2020年の足元を彩る VIVA

昨年秋、ミラノで発表された最新の春夏コレクション。クリエイティブ ディレクター Paul Andrew が就任以来初となるリボンモチーフのシューズがランウエイに登場し、注目を集めた。これは過去に敬意を表すとともに、未来に向けた新たなステージの到来を意味していた。デザインの特徴としてはポインテッド・トゥのシャープなデザインに素材にはレザー、デニム、リネンキャンバスを仕様。ポイントとなるリボンモチーフは、VARA のグログランよりリボンは大きめでインパクトを与え、シューズ本体と同素材を用いた。アッパー部分にはクラシックなタイプとラッフルの2タイプを用意し、2センチヒール高、今後は5.5センチヒールも登場する。Paul Andrew は「私が好きなアーティストである Richard Serra (リチャード・セラ) からインスピレーションを受け、ヒールを彫刻的なブロックのフォルムにモダンにアップデートさせました。VIVA にはインクルーシブなダイナミック、そして発展的なフェラガモの未来が凝縮されています」と語っている。

輝かしい歴史に彩られながら今なお不動の人気を誇る VARA と、現代の女性たちのキャリアや好みと同じように多用で多面的なデザインに落とし込まれた VIVA。1927年にフィレンツエに創業以来、スペシャルなはき心地と時代の変化を捉えたデザインを世に送り出した創始者 Salvatore Ferragamo の意志は、未来へとしっかりと受け継がれていく。