“絆” にフォーカスした新インタビュー誌『PARTNERS (パートナーズ)』が発売、表紙はユルゲン・テラーと息子のエド
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“絆” にフォーカスした新インタビュー誌『PARTNERS (パートナーズ)』が発売、表紙はユルゲン・テラーと息子のエド
New Interview Magazine "Partners" Launches To Feature Bonds Between People
注目の新インタビュー誌『PARTNERS (パートナーズ)』。この日英バイリンガルの雑誌を手がけるのは、制作会社「kontakt (コンタクト)」を運営する川島拓人氏。創刊号では、Juergen Teller (ユルゲン・テラー) が息子の Ed (エド) と一緒に表紙をかざり、巻頭ページを撮り下ろしている。そのほかにもペインターとして活動する今津景と福永大介の関係性や、ニューヨークの若手アーティストとして活躍する Jordan Wolfson (ジョーダン・ウォルフソン) と友人でアーティストのJoey Frank (ジョーイ・フランク) の関係性を紹介。人気ブランド C.E (シーイー) を手がけるSkate Thing (スケートシング)、Toby Feltwell (トビー・フェルトウェル)、菱山豊 (ひしやま ゆたか) のインタビューも掲載されている。
今年3月上旬に海外で先行発売され、日本でも3月30日 (木) に発売が開始する注目の新インタビュー誌『PARTNERS (パートナーズ)』。この日英バイリンガルの雑誌を手がけるのは、制作会社「kontakt (コンタクト)」を運営する川島拓人氏。かつて編集プロダクション「EATer (イーター)」に所属し、主に『HUGE (ヒュージ)』の編集をしていた編集者だ。インターネットが当たり前のように生活の一部となる一方、薄れていく他人との絆。このような現状に疑問をいだき、“絆” や “関係性” にフォーカスした雑誌をつくろうと決意したのだという。
創刊号の表紙をかざり、巻頭ページを撮り下ろしたのは Juergen Teller (ユルゲン・テラー)。表紙ではバイクのヘルメットをかぶって息子の Ed (エド) と一緒に登場している。そのほかにもペインターとして活動する今津景と福永大介の関係性や、ニューヨークの若手アーティストとして活躍する Jordan Wolfson (ジョーダン・ウォルフソン) と友人でアーティストのJoey Frank (ジョーイ・フランク) の関係性を紹介。人気ブランド C.E (シーイー) を手がけるSkate Thing (スケートシング)、Toby Feltwell (トビー・フェルトウェル)、菱山豊 (ひしやま ゆたか) のインタビューも掲載されている。
少し時間をいただいて、川島氏の経歴から『PARTNERS』を立ち上げるまでの話を聞いてみた。
—川島さんの経歴についてお聞きします。編集の仕事を始めたキッカケや、これまでどのようなお仕事をされてきましたか?
大学では、生化学 (Biochemistry) を専攻していました。研究者になりたいと思っていたからです。中でも化粧品という最新のテクノロジーを使いつつも、落としどころは日常的なプロダクトであるところに惹かれ、外資系の化粧品会社でインターンとして働き始めました。ただ実際やってみると、もっと自分にしかできないことはないかと探すようになりまして。そこで、この化粧品を研究者目線で紹介する人になったらおもしろいのではと思い始めたのが、編集者という職業に興味を持ったキッカケです。それから美容系の雑誌をいろいろと見ていたのですが、しだいに化粧品という枠組みを越えて考えるようになっていました。そこで愛読していた『HUGE』というファッション&カルチャー誌の制作を行っていたEATerという編集プロダクションでバイトを始めたんです。バイトを含めEATerには、約5年間在籍し、『HUGE』の編集をメインに、ブランドのカタログ制作も手伝っていました。その後フリーランスになり、パートナーである神田春樹と一緒に制作会社kontaktを作りました。現在は、雑誌を始め、United Arrows (ユナイテッドアローズ) のカタログや JINS (ジンズ) のウェブマガジンのディレクションなど、企業の制作物にも携わっています。
—3月30日に自費出版で『PARTNERS』を日本で発売するそうですが、このプロジェクトを始めた理由を教えてください。
いまはフリーランスの編集者として、『BRUTUS (ブルータス)』『GINZA (ギンザ)』『STUDIO VOICE (スタジオ・ボイス)』『THEM MAGAZINE (ゼム・マガジン)』などといった雑誌に参加しているのですが、たまに窮屈に感じてしまうことが多かったからだと思います。自分で決定できるのであれば、この企画はこれぐらいのボリュームでやりたいなとか…。あと、優秀なアートディレクター (坂脇慶) に出合ったことも大きかったと思います。坂脇慶とは歳もあまり離れていないため、フラットに話すことができます。大切な仲間です。彼と本気で雑誌を作ってみたら、きっとおもしろいだろうなぁと。それからの行動は比較的早かったですね。
—『PARTNERS』というタイトルや、関係性をテーマにした理由は?
Brexit (ブレグジット) やトランプ政権の誕生など、これからどんどんグローバリズムになっていくと思われていた世界が、次第にインディペンデントになっている動きがあったこともあります。SNSの普及も大きく影響していますよね。Instagram (インスタグラム) で友達であれば、なんとなく彼や彼女との距離感をどうしても近いものだと錯覚してしまいますから。「絆ってなんだろう?」とか、「パートナーってどういう人のことを言うのだろう?」 という普遍性のあるテーマを取り上げているのですが、そこをストレートに紹介するのではなく、自分らしいアプローチで切り取るとおもしろい雑誌になると思いました。
—Juergen Teller と彼の息子 Ed が表紙に登場して、巻頭でも Juergen の撮り下ろしがありますが、どういう経緯でコラボレーションが実現したのでしょうか?
『STUDIO VOICE』で取材をしたのがきっかけです。取材の途中で息子の Ed とサッカーを見ている話になったのですが、Ed はイングランドを、 Juergen はドイツを応援していて、だけどイングランドvsドイツの時に、前半をドイツが優勢で折り返すと、知らない間に Juergen の隣に座って後半戦をドイツのサポーターとして応援していたそうなんです。この話をものすごく楽しそうに話している姿がすごく羨ましく思えました。『PARTNERS』というテーマを作ってくれた大きなキッカケにもなりましたね。だからこそ創刊号の表紙と巻頭で、Juergen と Ed の親子関係をフィーチャーしたかったんです。当初設けていた締め切りから約5ヶ月ぐらい遅れて納品されましたが、素晴らしいページになったと思います。
—最後に、今後の展開について教えてください。
クオリティの高い雑誌を作り続けることですね。物販の展開や掲載したアーティストのエキシビションなど、雑誌を超えた展開も考えていますが、まずはちゃんと雑誌を作ること、そして続けることをやっていきたいと思っています。海外の書店やACE HOTEL (エースホテル) の部屋にも置いてもらっているのですが、どんどん海外での認知度も高めていきたいです。
書籍情報 | |
雑誌名 | PARTNERS (パートナーズ) |
価格 | 1,500円 (税抜) |
発行 | 年2回 (11月と3月) |
言語 | 日英バイリンガル |
取り扱い先 | |
国内 | 代官山蔦屋書店、TSUTAYA TOKYO、ROPPONGI、青山ブックセンター本店、Shelf、ジュンク堂池袋本店、SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERSなど |
海外 | colette (Paris)、Claire de Rouen Books (London)、Do you read me? (Berlin)、McNally Jackson (New York)、Ooga Booga (Los Angeles)、Gym Standard (San Diego) など |