What's The Story Behind Toga's S/S 2017 Campaign Shot By Chikashi Suzuki?

鈴木親、五木田智央らが参加した TOGA (トーガ) 2017年春夏キャンペーンの制作秘話

What's The Story Behind Toga's S/S 2017 Campaign Shot By Chikashi Suzuki?
What's The Story Behind Toga's S/S 2017 Campaign Shot By Chikashi Suzuki?
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鈴木親、五木田智央らが参加した TOGA (トーガ) 2017年春夏キャンペーンの制作秘話

What's The Story Behind Toga's S/S 2017 Campaign Shot By Chikashi Suzuki?

TOGA にまつわるビジュアル全般を手がける写真家・鈴木親。今回の2017年春夏ビジュアルも、前回に引き続き『Purple (パープル)』誌のアートディレクションを手がける Gianni Oprandi (ジャンニ・オプランディ) がグラフィックデザインを担当。画家の五木田智央も参加し、豪華なコラボレーションが実現している。そこで今回、鈴木氏に撮影に対する思考プロセスから五木田氏とのコラボレーションまで、話を聞いてみた。

© TOGA

© TOGA

東京のファッションブランドのうち、キャンペーンビジュアルを打ち出す数少ないブランドのひとつである TOGA (トーガ)。そして同ブランドのルックブックから雑誌のエディトリアルまで、TOGA にまつわるビジュアル全般を手がけるのが写真家・鈴木親だ。今回の2017年春夏ビジュアルも、前回に引き続き『Purple (パープル)』誌のアートディレクションを手がける Gianni Oprandi (ジャンニ・オプランディ) がグラフィックデザインを担当。画家の五木田智央も参加し、豪華なコラボレーションが実現している。そこで今回、鈴木氏に撮影に対する思考プロセスから五木田氏とのコラボレーションまで、話を聞いてみた。

—「流動、自制、解放 (Flux, Temperance, Release)」がテーマの2017年春夏ですが、デザイナーの古田泰子さんからテーマを聞いてから、ビジュアルが完成するまで、どのような感じだったでしょうか?

TOGA のビジュアルを撮る時は、服を見た印象と、自分がその時に気になっていることの中で、その印象と結びつくことをピックアップして、その2つを重ねるところから始めます。そのあと、具体的に写真に必要な要素、モデル、撮影場所、ライティングなどを考えます。毎回、テーマの説明は受けるのですが、すでに服でテーマを表現してあって、なおかつロンドンのコレクションでも表現してあるので、あえてそこは追いません。

現場では特に、写真的な表現は偶然性が重要だと考えているので、ある程度は事前に決めますが、コンセプトに引っ張られすぎないようにしています。広告的なプロセスで撮影をすると、TOGA らしさが失われる気がしますので。

—以前のインタビューで、「撮影はすごく早い」とおっしゃっていましたが、やはり今回も早かったのでしょうか?

通常のこのような決めの撮影と比べたらかなり早いですが、今回は自分的には時間をかけました。1カットにつき20分程度ですが (笑)

—画家・五木田さんのアトリエで撮影したと聞きましたが、今回、五木田さんとのコラボレーションは、どういう経緯で実現したのでしょうか?

1990年代の終わりから同じようなカルチャー系の雑誌に作品が出ていて、五木田さんの作品は知っていました。2000年に Poetry of sex (ポエトリー・オブ・セックス) というブランドを手がけていた (故) 千葉さんが会わせてくれまして、それから交流があります。TOGA の古田さんも同じ時期に紹介してもらっていたので、3人ともそのころからの付き合いです。初期の TOGA は結構、五木田さんの作品を使って服を作っていましたね。

TOGA は今年、20周年を迎えます。そこでブランドの歴史を入れられたらと思い、タイミング的に忙しすぎてむずかしいとは思ったのですが、五木田さんに打診をしたんです。本当に素晴らしいアーティストなので。

@ TOGA

@ TOGA

—先シーズンから引き続きグラフィックデザインは Gianni Oprandi さんが担当しています。『Purple』のアートディレクターも務める彼ですが、海外に向けてビジュアルを発信するにあたって、勉強・参考になる、またはすごいと思った点はありますでしょうか?

僕の写真には広告的な強さがないので、そこを Gianni のグラフィックで補ってもらっています。写真的に良いものは、一枚もののポスターにすると良くも悪くも、ファッションや広告の世界だと地味に見えてしまいがちです (美術展のポスターとファッションの広告を比べてもらうとわかりやすいです)。

『Purple Fashion』は、アートから見たファッション的な側面から始まった雑誌です。そのアートディレクターをしている彼がグラフィックデザインをしてくれるので、写真として良いと思ったものを渡しても、きちんとファッションにして落とし込んでくれるんです。なおかつ写真的な側面も残してくれるので、そこが TOGA らしさとしてすごくフィットしているんです。

また、写真の上に載る彼のグラフィックはかなり大胆なものですが、かなり小さくなるクレジットの書体や大文字小文字のバランスも、すべて手を入れてくれています。

@ TOGA

@ TOGA

—TOGA のキャンペーンを08-09年秋冬から毎シーズン撮られていますが、ブランド設立20周年の今年は何か特別なことをしたいと考えていますでしょうか?

実は2000年初期にも何度か、TOGA の写真を撮っています。そのころは発表する場所も少なかったので、なんとなく消えてしまっていたんです。そこできちんとやっていこうと思い、シーズン初めの “Newspaper” としての形で仕切り直したものが、菊地凛子さんをモデルに起用して撮影した2008年です。

なので、初期のころからのものも含めてまとめられたらと、TOGA 側が考えてくれているようです。新たなアーティストを加え、結構、豪華なものになりそうです。

写真家・鈴木親が語るファッション写真のロジックとは

Chikashi Suzuki

Chikashi Suzuki

<プロフィール>
鈴木親 (すずき・ちかし) 1972年生まれ。96年渡仏し、雑誌『Purple』で写真家としてのキャリアをスタート。『Purple』(仏)、『i-D』(英)、『Dazed & Confused』(英)、『CODE』(オランダ)、『Hobo』(カナダ)、『IANN』(韓)、『honeyee.com』(日)、『GQ』(日)、『commons&sense』(日)、『Libertine / DUNE』など国内外の雑誌で活動。Issey Miyake、United Bamboo、Toga などのワールドキャンペーンを手掛ける。主な作品集に『shapes of blooming』(treesaresospecial刊/2005年)、『Driving with Rinko Kikuchi』(THE international刊/08年)、『CITE』(G/P gallery刊、09年)など。

Creative Team
Direction and Photography Chikashi Suzuki
Paintings Tomoo Gokita
Graphic Design Gianni Oprandi
Styling Yasuko Furuta
Model Seo Yu Jin at Esteem
Hair Hiroki at W
Make up Itsuki at Signo