オーストリアの新進気鋭フォトグラファー、Hanna Putz (ハンナ・プッツ) インタビュー
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オーストリアの新進気鋭フォトグラファー、Hanna Putz (ハンナ・プッツ) インタビュー
Interview with Hanna Putz
この作品が生まれる過程にはどんな背景があるのだろう?そんな好奇心からスタートした、TFP がいま気になる国内外のクリエイターの作品のアイディアを紐解くインタビュー連載。ファッション、アート、文学、音楽、映画などの分野から、彼らが何を考えて制作したのかクリエイター自身の言葉で作品ごとに解説してもらった。時代の変化に敏感な表現者たちが何を感じ取り意識的にアウトプットしているのか、すこし彼らの脳内をのぞいてみよう。
*You’ll find the English text after the Japanese.
この作品が生まれる過程にはどんな背景があるのだろう?そんな好奇心からスタートした、TFP がいま気になる国内外のクリエイターの作品のアイディアを紐解くインタビュー連載。ファッション、アート、文学、音楽、映画などの分野から、彼らが何を考えて制作したのかクリエイター自身の言葉で作品ごとに解説してもらった。時代の変化に敏感な表現者たちが何を感じ取り意識的にアウトプットしているのか、すこし彼らの脳内をのぞいてみよう。
アーティスティックな環境で育ち、自身も写真家として活躍する Hanna Putz (ハンナ・プッツ) は、モデル出身という経歴を持つ。17歳の時に地元ウィーンでスカウトされた後に、パリとロンドンへ拠点を移し、『Italian Vogue (イタリアン・ヴォーグ)』や『French Marie Claire (フレンチ・マリー・クレール)』などの雑誌、そして、Vivienne Westwood (ヴィヴィアン・ウエストウッド) や Harrods (ハロッズ)、Levi’s (リーバイス) の広告ヴィジュアルで活躍するなど、モデルとして成功を収めてきた。しかしその後、写される側から写す側へとキャリアを転向し、現在は写真家として目覚ましい活躍を遂げている。日常のひとコマを捕らえたようでありながら、現実と虚構の曖昧さが魅力となり、幾度となく見入ってしまう作品群。今回はそうした彼女が表現する世界観に惹かれてインタビューを試み、自身が厳選した5つの作品を、それぞれのエピソードと共に紹介してもらった。
—幼い頃からものづくりに興味があったのですか?
小さい頃から、ずっともの作りが好きでしたね。ただそれを続けてきて、今に至っています。
—モデルを経て、フォトグラファーとして活動することになった経緯を教えて下さい。
レンズの前に立つ仕事を続けていると、その反対側に立った時にはどのように感じるのかを、自分自身に問いかけるようになるのです。
—数ある芸術表現の中から写真を選んだ理由と、キャリアをスタートさせてから一貫して掲げている哲学があれば教えて下さい。
人々を観察することに関心を抱いた結果、写真を選びました。最近は、実際に起こっていることを見て、発見していこうという姿勢を除いては、特に方向性を決めずに制作しています。
—写真の構図や色、被写体のポージングなどが特徴的ですが、撮影の際はどの程度ディレクションを加えていますか?
50/50 (フィフティ・フィフティ) ですね。半分は演出していますが、半分は実際に発見したものです。ただ、どちらにしても、結果という観点において違いはありません。
—現在進行中のプロジェクトについて教えてください。
RONDADE という出版社から、近々日本で写真集を出版する予定です。それと最近は、女性のサッカープレイヤー・チームが夜間に練習する姿を捕らえた、一連の作品制作を終えたところです。また、現在は画家のアトリエに漂う空虚感を表現したシリーズ作品に取り組んでいます。
1. Untitled (Nr.02), 2014
親友のNとその側にいたAとLを写した作品。私はこの3人が大好き。ウィーンで撮影。
2. Untitled (working title 01), 2015
ベルリンにある友人のスタジオで、2016年に撮影したもの。この写真を撮った後、一緒にディナーへ。
3. Untitled (Il 2), 2017
2016年の年末に、ベルリンで撮影。
4. Untitled (KL), 2015
ウィーンにある私のスタジオで撮影した写真。母と父がプリントを持っていてくれた。作品を持ったり、撮影するために助けを必要とする時、両親が近くにいてくれて、時間を割いてくれることに感謝している。
5. Untitled (Moskau), 2014
モスクワで撮った写真。オーストリア出身の新進アーティストを集めたレジデンス・プログラムで、1ヶ月間現地に滞在。
<プロフィール>
Hanna Putz (ハンナ・プッツ)
1987年、ウィーン生まれのアーティスト。写真を中心に活動し、これまでに、KUNSTHALLE Wien、Lentos Museum、21er Haus、MOCP、FOAM Museum、The Photographers Gallery、AUTOCENTER Berlin、FOTOHOF Salzburgで作品を展示し、昨年には第六回モスクワ・ビエンナーレに出展。また、『TAR Magazine』『New York Magazine』『Libération』『SPIKE Art Quartely』『Zeit Magazin』『i-D』 『Another Magazine』『Wallpaper*』『EINE』『DUST Magazine』『Dazed&Confused』など、著名媒体での露出も多数。さらに、客員教授として、リンツのUniversity of Art and DesignとワイマールのBauhaus Universityで教鞭を執った経歴を持ち、現在はウィーンとベルリンを拠点に活動している。
—How did you become interested in creating things? Did you like to make things as a child?
I have always been making things and just never stopped doing that.
—After being a model, how and why did you start a career as a photographer?
After standing in front of the lens for some time you asked yourself how it must feel to be on the other side of it.
—Among all the methods of artistic expression, why did you choose photography? Also, what creative philosophies that you have maintained since the beginning of your career?
It results in my interest in observing people. Aside from seeing and trying to find out what’s actually happening I haven’t come up with any philosophy recently.
—Composition, color and posing of your works stand out. How much do give directions when shooting?
50/50. Half of my photographic work is staged, half is found. There is no difference between the two in terms of the result.
—What projects are you currently working on?
I’m about to publish a book in japan with the publisher RONDADE and recently finished a group of works based on a team of female soccer players training at night.
Besides I’m still working on a series based on the void of the atelier of painters, its ongoing.
<Concepts of works>
1. Untitled (Nr.02) , 2014
This is my dear friend N. besides her are A&L. I like them all very much. I photographed it in Vienna.
2. Untitled (working title 01), 2015
This is in Berlin. I photographed it in 2016 in the Studio of a friend. Afterwards we had dinner together.
3. Untitled (Il 2), 2017
This was also in Berlin, in the end of 2016.
4. Untitled (KL) , 2015
This is in my Studio in Vienna. The print is held by my mother and my father, thankfully they took time and were around when I needed someone to hold my work and take a photo.
5. Untitled (Moskau) , 2014
This was in Moscow. I spent a month there, at a residency for emerging Austrian artists.
<Profile>
Hanna Putz is an Artist born in Vienna in 1987. She works primarily in the medium of photography. Her work has been exhibited at KUNSTHALLE Wien, Lentos Museum, 21er Haus, MOCP, FOAM Museum, The Photographers Gallery, AUTOCENTER Berlin, FOTOHOF Salzburg and at the 2016 6th Moscow Biennale. Her work is published in TAR Magazine, New York Magazine, Libération, SPIKE Art Quartely, Zeit Magazin, I-D, Another Magazine, Wallpaper*, EINE, DUST Magazine and Dazed&Confused amongst others. She was a visiting lecturer at the University of Art and Design in Linz, Austria as well as at the Bauhaus University in Weimar, Germany. Lives and works in Vienna/Berlin.