ロンドンにおけるダブステップシーンを紐解く写真集『SIGNAL THE FUTURE by Georg Gatsas』が刊行
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ロンドンにおけるダブステップシーンを紐解く写真集『SIGNAL THE FUTURE by Georg Gatsas』が刊行
Photo Book "SIGNAL THE FUTURE" by Georg Gatsas
スイス人フォトグラファー、アーティストである Georg Gatsas (ゲオルグ・ガッサス) が作品集『SIGNAL THE FUTURE by Georg Gatsas』を刊行した。
スイス人フォトグラファー、アーティストである Georg Gatsas (ゲオルグ・ガッサス) の作品集『SIGNAL THE FUTURE by Georg Gatsas』が刊行された。本作は、ダブステップというカルチャーが一時代を築いた2008年から2017年までの期間にロンドンで撮影されたポートレイト写真やクラバー達のスナップ写真、都市建築のイメージを中心に構成され、音楽がどのように身近な都市環境を作りかつ都市環境によって形成されたのかを解き明かしていく。
James Blake (ジェームス・ブレイク)、SBTRKT (サブトラクト) など来日のたびに大きな話題を呼ぶアーティストたち。総じてポスト・ダブステップと呼ばれる彼らのスタイルの系譜をたどると、1999年イギリスのロンドンで新たなエレクトロ・ダンス・ミュージックとして誕生したダブステップに突き当たる。非常に太いベース音と、リバーブのかかったドラムパターン、細切れにされたサンプル音、時折挿入されるボーカル等を特性とし、Skrillex (スクリレックス)、Burial (ブリアル) といったアーティストたちは当時のアンダーグラウンドなミュージックシーンの寵児となった。
イギリスのクラブカルチャーにおいてダブステップが起こした一つの現象を捉えた本書には、民族的に多様な人々が登場する。彼らの大部分は労働者階級で驚くほど結束力が強く、街や愛すべき音楽によって繋がっている。本作品を通してダンサーのステップや、各々の動きを通じてのコミュニケーションが垣間見え、南ロンドンの街ブリックストンの夜のストリートで生きる者たちの輪郭をどことなく感じることができるだろう。写真のほかにイギリス人作家、文化批評家である Mark Fisher (マーク・フィッシャー) が晩年に残した文章をはじめ、音楽論や文化論のライターとして高く評価を得ている面々のエッセイも共に収録しており、作者が可視化したアーバニズム、コミュニティ、「アンダーグラウンド」、資本主義、ネットワーク化した未来志向といったものを様々なアプローチで幾層にも積み重なったカルチャーを包括した内容となっている。
書籍情報 | |
タイトル | SIGNAL THE FUTURE |
作者 | Georg Gatsas |
出版元 | LOOSE JOINTS |
価格 | ¥6,000 |
装丁 | ソフトカバー |
体裁 | 202 x 290 mm |
ページ数 | 232ページ |
エディション | 限定1,000部 |
HP | twelve-books.com |