History Of Vintage Dress

ヴィンテージドレスの魅力、とっておきの1着の見つけ方

History Of Vintage Dress
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ヴィンテージドレスの魅力、とっておきの1着の見つけ方

History Of Vintage Dress

by Daisuke Yokota

小さなころ思い描いた花嫁像。映画や本に出てくる登場人物たちのドレスデザインに想いを馳せながらも、いざ実際に探すとなるとなかなか想像通りのデザインに巡り合うのは難しいもの。レースにサテン、チュールなど素材の繊細さとデザインの大胆さが同居するドレススタイルは時代の流れとともに変化を遂げているからだ。

小さなころ思い描いた花嫁像。映画や本に出てくる登場人物たちのドレスデザインに想いを馳せながらも、いざ実際に探すとなるとなかなか想像通りのデザインに巡り合うのは難しいもの。レースにサテン、チュールなど素材の繊細さとデザインの大胆さが同居するドレススタイルは時代の流れとともに変化を遂げているからだ。

スタイリストをはじめ、海外デザイナーに至るまでファッション感度の高い業界人たちから高い支持を受けるヴィンテージドレス専門アンティークショップ Dorian Gray (ドリアン・グレイ) では50年代、60年代を中心に、古くは1900年代のアメリカのヴィンテージドレスを取り扱っている。オーナーを務めるのは全盛期の沢田研二やキャンディーズなど芸能人のスタイリストとして活躍した経験を持つ大村さん。スタイリスト時代に訪れたアメリカ西海岸のヴィンテージドレスショップにて「こんなに美しいドレスがあるのか……」と衝撃を受け、帰国後ヴィンテージドレス専門店を渋谷に開業。スタイリスト時代に培った審美眼と持ち前のキャラクターで開業してから33年経つ現在でも多くのファンを持つ。そんな大村さんに、時代背景やトレンドから年代別のドレスデザインの変化を紐解きながら解説してもらった。

1900年代 (ヴィクトリアン)

レースや刺繍が主流の時代。その中でもとりわけ今人気なのは貴族が舞踏会で着ていたものではなく、外出着にしていたと思われるコットン素材のドレス。合わせる小物も華美な装飾よりも可憐な小花や、麦わらのカンカン帽などクラシックに揃えてみたい。なにはともあれ、繊細なレースと細かいピンタックなどのディテールは、時代を経っても変わらず乙女心をくすぐるファクターのようだ。

1920年代

時代を象徴するのは、映画『華麗なるギャツビー』(2013) で Carey Mulligan (キャリー・マリガン) 演じるデイジーが着こなしていたようなパーティードレス。シルク素材をふんだんに使い、細部にはビーズ刺繍などきらびやかなアクセントを施しているのが特徴。アクセサリーもぐっとゴージャスに合わせて、一生に一度の晴れの日だからこそ誰よりも輝くドレスに身を包んで見るのはいかがだろう。

1940年代

この辺りから、女性のボディラインがはっきりと主張することが美しいという風潮が出てくる。肩パットがしっかりと入った大きめのパフスリーブも特徴のひとつ。素材はサテンやタフタなど光沢感のあるものが人気に。スタイリングのコツは、ファーのケープや、フェザーのヘッドピース、カラーストーンのアクセサリーなど色味や素材の異なる組み合わせがおすすめ。今っぽくおしゃれに引き上げてくれる。

1950年代

長きに渡った世界大戦も集結し平和ムードがアメリカ全土に広がった1950年代。「アメリカNo. 1」を声高に叫ぶムーブメントに呼応するように質の良いものや、明るいイメージのデザインが多い傾向に。時代を象徴するアイコンとして世の女性たちが憧れたのはハリウッド黄金期を代表する大女優 Audrey Hepburn (オードリー ヘップバーン)。『ローマの休日』(1953) や『麗しのサブリナ』(1954) といった作品の劇中で彼女が着用していたようなウエストがきゅーっと細く、デコルテが綺麗に出ている華やかなドレスが流行となり、そのデザインの DNA は現代にまで受け継がれている。また、白い手袋に床までの長さのドレスなど、伝統的な花嫁スタイルが生まれたのもこの時代だ。

1960年代

高級既製服『プレタポルテ』が誕生した時代。オーダードレスの時代から、既製ドレスの時代に代わり、女性のこだわりを形にしたデザインが多く登場。中でもトレンドになったのは、ウエスト位置が高めのハイウエストやエンパイアラインなど。リネンやコットンガーゼ生地などを使ったカジュアルなデザインも登場し、ドレスも多様化してゆく。伝説のファースト レディ、Jacqueline Kennedy (ジャクリーン・ケネディ) も時代を象徴する女性のひとり。彼女が身につけたドレスのように、清楚かつ品の良いデザインが人気を博した。

1970年代

シフォンやチュールにレースをふんだんに重ねたヴィクトリア朝デザインのウェディングドレスがまたもやトレンドに浮上。襟元はハイネックで清楚に。背中に続く並んだくるみボタンや胸元や肩、袖に透けるチュールやヴィンテージレースが一周回って女性たちの憧れとしてカムバック。素材は化繊が主流になり、パールビーズやスパンコールなどを使いアンティーク感いっぱいのディテールでありながらモダンな印象を与えている。

1980年代

1940年代を取り入れたデザインがリバイバル。ファッション業界全体で、肩幅が広く大きな肩パットも主流になったこの時代。一斉を風靡した英国のダイアナ元王妃の着用したドレスのように、大きくふくらんだパフスリーブやサテンをたっぷりと使ったプリンセススタイルのドレスが人気に。ビーズの刺繍など大げさと思われる程華やかなものが多く登場した。

店舗情報
店舗名 ドリアングレイ
住所 東京都渋谷区神山町4-20
営業時間 12:00~18:00
定休日 日曜、祝日 (試着のみ受付可能)
問い合わせ先 03-3481-0133
HP www.dorian-gray.net