【TFP推薦図書】Virgil Abloh (ヴァージル・アブロー) による、ハーバード大学デザイン大学院での特別講義『“複雑なタイトルをここに”』が書籍化
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【TFP推薦図書】Virgil Abloh (ヴァージル・アブロー) による、ハーバード大学デザイン大学院での特別講義『“複雑なタイトルをここに”』が書籍化
TFP Recommend Book - "Insert Complicated Title Here"-
by Daisuke Yokota
2017年10月にハーバード大学デザイン大学院でおこなわれた、Virgil Abloh (ヴァージル・アブロー) による特別講義の記録が、『“複雑なタイトルをここに”』というタイトルで日本においても書籍化された。
2017年10月にハーバード大学デザイン大学院でおこなわれた、Virgil Abloh (ヴァージル・アブロー) による特別講義の記録が、『“複雑なタイトルをここに”』というタイトルで日本においても書籍化された。
自身のブランド OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH™ (オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー™) と Louis Vuitton (ルイ・ヴィトン) メンズウェアのデザイナーを兼任しながらも、建築家、アーティスト、技師、クリエイティブ・プロデューサー、DJ など様々な分野で活躍する Virgil Abloh が、ハーバード大学デザイン大学院の講堂を埋め尽くすほどの聴衆の前で語ったのは、“独自のデザイン言語” を培うための “ショートカット” について。建築家とエンジニアのルーツを持ち、学生時代に築いたツールやテクニックをファッション、プロダクトデザイン、音楽の言語へと変換させることによって各分野のカルチャーを牽引してきた彼のデザインプロセスの舞台裏、エディティングの本質をシェアすること、問題解決、ストーリーの紡ぎ方をオリジナルのスライドに Off-White の服作りの事例や、当時進行中であった NIKE (ナイキ) や IKEA (イケア) といったブランドとの極秘資料を交えて解説。さらに、Le Corbusier (ル・コルビュジエ) や Donald Judd (ドナルド・ジャッド)、Peter Saville (ピーター・サヴィル)、Rem Koolhaas (レム・コールハース)、Jim Joe (ジム・ジョー) といった世代だけでなく時代をも超越した “メンター” との関わりを通して、クリエイティブに生きる方法を紹介する。彼のブレない思想、哲学はいかなる形のプロジェクトにおいても決して揺らぐことがなく、誰もがうらやむ夢のような成功譚ですら、ロジカルで誇張やおごりのないストーリーテリングによって現実味を帯び、聴衆の発想を豊かで前向きなものに変換させる助けとなったことだろう。
オーディエンスの高揚感の伝わる独特の書籍デザインは、ロンドンを拠点とするデザインスタジオ Åbäke (アバケ) が担当。見開きの左ページがイントロダクション・聴衆の反応と質問・講義のスライド、右ページが講義となっており、ページをめくるごとにキャッチボールのようなやりとりを感じることのできるユニークな構成になっている。日本語版の帯には「言葉が世界を動かす」という意味が込められた Virgil Abloh による手書きのテキストが刻まれている。あらゆる局面において対話を重視し、成功を掴んできた彼の基本指針が集約されたこのメッセージは本書における一貫したテーマも担っている。本講義を行うに際し、「自分自身のやり方を初めてちゃんと立ち止まって考えてみた」と語るとおり、時代のオーソリティーと称される Virgil Abloh の考え方、メソッドをまとまった形で伝えた最初の文献をぜひチェックしてみてほしい。
書籍情報 | |
タイトル | “複雑なタイトルをここに” |
著者 | Virgil Abloh (ヴァージル・アブロー) |
訳者 | 倉田佳子、Daniel Gonzalez (ダニエル・ゴンザレス) |
版元 | ADACHI PRESS |
価格 | ¥1,600 |
HP | adachipress.jp |