服の力を見せつけた夢いっぱいの Valentino (ヴァレンティノ) 2019-20年秋冬オートクチュールコレクション
News
服の力を見せつけた夢いっぱいの Valentino (ヴァレンティノ) 2019-20年秋冬オートクチュールコレクション
Valentino
haute couture Fall/Winter 2019-20 collection
by Daisuke Yokota
ファッションディレクターの萩原輝美がパリ オートクチュール コレクションを速報レポート。
パリの夏の夕暮れ、青い空に心地よい風が吹く中ヴァレンティノの19年秋冬クチュールコレクションが発表された。
ショー会場となる屋敷の緑いっぱいのガーデンからモデルが登場する。光と風と緑の中、イエローのコーディネイトから始まった。
ファーストルックは、デイジーのフラワーモチーフニットにフリンジのロングスカートと大きなハットを合わせている。花は、ビーズにモールやスパンコールを組み合わせ立体的に上半身を包み込む。ボディを幹に咲きほころぶ花の樹木のようだ。アルパカのようなニットのフリンジはナチュラルで太く、大胆に使われている。
ボルドーにオレンジ、深いグリーンにブルーマリンを合わせたダブルフェイスのカシミヤは流れるようなドレープのコートやケープで登場する。インナーに合わせるシルクションやタフタの質感や色のコントラストが美しい。
シルエットはアシンメトリーなだけではない。タフタの大胆なボータイ、サイドのスリットから覗くインナードレス、後ろ姿から見え隠れする技やディテールなど細部まで美しい。
得意の象嵌ドレスはシルクにウールやレザー、メタリックにレースなど絵を描くように自由なタッチで組み合わされている。まさに1枚のドレスに風景画を見るようだ。
何ともロマンティック! 身に纏う1枚の服に風や光そしてたくさんの花や蝶が舞っている。
お気に入りはローズピンクとシルバーのざっくりしたツイードスーツに前身を隠すほどの大きなボータイを合わせたルックだ。量感ジャケットにタイトスカートが今年らしいレディライクな着こなしだ。
フィナーレ、ピエールパオロ・ピッチョーリと共に白衣を来た職人たちが続いた。今の職人技は伝統だけではない、新しい素材や3D刺しゅうなど進化し続けている。そこがクチュールコレクションの魅力だ。
往年の女優、ローレン・ハットンもキャットウォークに登場した。夜9時半過ぎからイタリア大使館で行われた香水の発表を兼ねたアフターパーティーでは、ヴァレンティノのロングドレスを纏う人たちが華やかにドルチェヴィータを楽しんだ。