自然と共存する女性—マリア・グラツィア・キウリがデザインするディオール2020春夏 プレタポルテ コレクション
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自然と共存する女性—マリア・グラツィア・キウリがデザインするディオール2020春夏 プレタポルテ コレクション
dior
spring summer 2020 collection
Text: Terumi Hagiwara
2020年春夏パリ コレクションをファッションディレクター萩原輝美が速報レポート。今回は、Dior (ディオール) 2020春夏 プレタポルテ コレクション。
2020年春夏パリコレクションは Dior (ディオール) からスタート、緑の中のロンシャン競馬場に特設会場を設えた。中に入るとスクエアのスペースいっぱいに木々がそびえ立ち、緑の香りに癒される。無機質な建物の外観とは対照的だ。ベンチシートには麻のクッションが敷かれ、ラスティックなイメージが漂っている。
今シーズン、Dior のアーティスティックディレクター Maria Grazia Chiuri (マリア・グラツィア・キウリ) がイメージした女性はムッシュ ディオールの妹、Catherine Dior (カトリーヌ・ディオール) だ。彼女はグランビルにある生家の庭を愛し育てた人物だ。
コレクションは麻のショートパンツのコンビネゾンからスタートした。とてもフレッシュ!メッシュのアンクルブーツとラフィアの帽子が軽快さを添える。
ラフィアに立体的にエンブロイダリーを施したスカートやドレスはナチュラル感いっぱいで白Tシャツと合わせて夏一番に着たいアイテムだ。
コットンや麻に墨色で描かれた花々は、繊細でエレガントに仕上がっている。ブルーシャツやボーダーニットと合わせてリアルなコーディネイトだ。くるぶしを見せるスカートの裾からエスパドリューがのぞいている。
バージャケットもナチュラルカラーで登場しているが、中にシャツを合わせベルトでウエストを何重にも閉め、モダンでカジュアルな着こなしだ。「バー」ジャケットがぐっと身近に感じられる。
今シーズンも多くのラグジュアリーブランドがサスティナビリティを意識している。今回、ガーデンを実現したのは環境デザインを手がけるアーティスト集団。コレクションで集められた木々はこの後いくつかの長期プロジェクトに参加するそうだ。
自然と向き合う女性像、ミス ディオールをイメージしたコレクションはぐっとモダンでリアルになった。