Fendi
pequin

【History】 フェンディのペカン

テンションとコントラスト(緊張と対比)から生成される FENDI の世界観。ノスタルジックだけでは語れない伝統と、やむことのない革新への動きを明確にシンボライズしたひとつがペカンといえる

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【History】 フェンディのペカン

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text: kaori mori
edit: miwa goroku

FENDI (フェンディ) の世界観をたった2色のストライプで表現したモチーフ「pequin (ペカン)」。1983年の発表当初はキャンバス地に描かれ、その後さまざまなファブリックやレザー、毛皮などに用いられた。究極のシンプルなデザインだからこそ掻き立てられるイマジネーションの数々によって、職人たちが巧みな技で仕上げた異素材との組み合わせは、伝統と革新が見事に形となった典型といえる。今やFFロゴと並ぶ、FENDI を象徴するモチーフなのだ。

最新の2020年リゾートコレクションでもペカンのモチーフが随所に。素材やアイテム、取り入れ方で表情を変えていく

ウイーン芸術を取り入れた現代の粋

ペカンが誕生したのは1983年。チェコ出身でのちにウイーン分離派の中心メンバーにもなった建築家のJosef Hoffmann (ヨーゼフ・ホフマン / 1870-1956) の作品からインスパイアされたという。直線的で幾何学的なフォルムを得意としていた彼は「方形のホフマン」の異名を持ち、建築物をはじめ、インテリアや食器などモダニズムの代表として現在でもファンの多い芸術家だ。このHoffmann が愛した装飾を彷彿とさせる幅広のストライプを、「FF」ロゴの象徴である黒と茶の2色で染めたのがペカンである。以降、FENDI の存在をシンプルに表現するモチーフとして、また多様なアイデアのシンボルのひとつとして、メゾンの伝統と革新を担い続けている。

ペカンとMOONSTAR、新たな革新

2020年春、多くの名作を生み出してきたペカンファミリーに、メイドインジャパンのシューズブランド「MOONSTAR (ムーンスター)」とのコラボレーションが新たに加わる。2020年春夏メンズコレクションのショーで初お披露目された、キャンパスとラバーのスニーカーである。スニーカー本体とソールの間にゴムを挟み、専用の釜に入れて高温で圧力を加えながら加硫剤を加えるというバルカナイズ製法を採用しており、スニーカーは接着剤を一切使うことなくゴムのみで接着されている。ショーではガーデニングムードを体現するキーアイテムのひとつとして、幅広いスタイリングに活躍。高いデザイン性と耐久性を兼ね備えたスタイルは、今の気分と時代のニーズに心地よくフィットしていきそうだ。

 

ペカンのモダンなストライプは男女を問わず、アウトドアからタウンまで活躍しそう。このコラボレーションではこのほか、アースカラーを基調にしたアイボリーからミリタリーグリーン、ブラウン、ブラックなどの単色もあり、FFロゴのシューズも展開している。

職人技で魅了するFENDI が日本のシューズブランドの技術に着目し、タッグを組んだのは嬉しいサプライズ。革新のための柔軟な姿勢こそ FENDI の魅力なのかもしれない。

ローマ神話の火の神「バルカン(Vulcan)」を語源とするバルカナイズ製法で作られたコラボシューズは、双方のデザインと技術力の真髄を強くアピールした仕上がり

MOONSTAR とのコラボコレクションは2020年1月中旬より、世界のFENDI 直営店およびfendi.comにて発売予定。

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