お正月にイッキ見したい!TFPクリエイターズおすすめのVODリスト
News
お正月にイッキ見したい!TFPクリエイターズおすすめのVODリスト
TFP creators' choice
best Video on Demand movies
怒涛の年末を乗り越えて、自宅でゆっくり過ごすという人も多い日本のお正月。そんな余暇を持て余した読者へ向けて、TFPクリエイターズが全力でおすすめする VOD (動画配信サービス) 作品をリストアップ。かねてから話題になっていた大作から、気軽にトライできる短編オムニバス作品、知らなかった世界の裏側を映し出す社会派ドキュメンタリーまで幅広くカバー。今の気分に合う作品がきっとみつかる、珠玉の10選をクリエイターたちのコメントとともに紹介します。
2019年公開の話題作3選
「マリッジ・ストーリー」
『イカとクジラ』(2006)『ヤング・アダルト・ニューヨーク』(2016) の Noah Baumbach (ノア・バームバック) 監督が、離婚プロセスに戸惑い、子の親としてのこれからに苦悩する夫婦の姿をリアルで辛辣ながら思いやりあふれる視点で描いた Netflix オリジナル映画。妻ニコール役を Scarlett Johansson (スカーレット・ヨハンソン)、夫チャーリー役を Adam Driver (アダム・ドライバー) が演じるほか、Laura Dern (ローラ・ダーン)、Alan Alda (アラン・アルダ)、Ray Liotta (レイ・リオッタ) らベテラン実力派俳優が共演。
「夫婦が別れにいたるまでの感情のレイヤーを、ていねいに一枚いちまいピンセットで剥がして眺めている気になった。思いやりまで失われたわけではないけれど、その優しさにすがりつかない程度にはふたりとも大人で。こんなに説明しづらい複雑な時期をよく逃さないで捉えたものだなと思う。主演のふたりも最高に魅力的」—KAZAK編集発行人・aggiiiiiii
HP: www.netflix.com
「モダン・ラブ ~今日もNYの街角で~」
ニューヨーク・タイムズ紙の人気コラム「Modern Love」に実際に投稿されたエッセイに基づく、アメリカのロマンティック・コメディ・アンソロジー・テレビドラマシリーズ。描かれるのは、ニューヨークを舞台に繰り広げられる愛の喜びや苦悩についてのユニークな物語。Anne Hathaway (アン・ハサウェイ) や、Andy Garcia (アンディ・ガルシア)、Dev Patel (デーヴ・パテール)、さらには Ed Sheeran (エド・シーラン) など多彩なキャストにも注目。
「各話30分、1話完結のオムニバスドラマでありながら、巧みな演出でとても奥行きのあるドラマ。基本的にどのストーリーからみても楽しめるので、その日の気分に合わせて好きなキャストや気になるタイトルから観ることができます。ニューヨークという一つの街を舞台としているため、最終話にはご褒美のようなアフターストーリーの回収も。ニューヨークのような大都市で、次々と巻き起こるドラマのようなリアルストーリー。心がふっと暖かくなって、優しい気持ちになれる作品群とともに穏やかな年明けを迎えたいものです」—TFP編集部・I
HP: www.amazon.co.jp
「アメリカン・ファクトリー」
アメリカにある中国企業の工場について描いたドキュメンタリー映画。中国のガラスメーカー「フーヤオ」は、業績不振により閉鎖してしまったゼネラルモーターズのオハイオ州にある工場を買い取り、初のアメリカ進出を果たした。一度は仕事を失ったアメリカ人スタッフたちは「これでまた働ける。しかも中国のお金持ち企業なら待遇だって良くなるかもしれない!」と期待に胸を膨らませるが、まず同社が労働組合の結成を断固阻止しようとするあたりから、さっそく暗雲が立ち込めはじめる…。オバマ前大統領夫妻設立のハイヤー・グラウンド・プロダクションズ共同製作作品としても知られ、2019年サンダンス映画祭で監督賞を受賞した。
「本ドキュメンタリー全体を通して強く感じるのは、とにかくアメリカと中国の文化に共通項が少ないこと。ほとんどない、と言ってもいいかもしれない。生きる目的やベースとなる価値観が違いすぎて、トラブルがもはや喜劇と化してくる。何よりクレイジーなのは、こんなに何もかもうまくいかない様子を2年弱にわたって記録することを許可したフーヤオ!それだけ器量があるなら労働組合くらい許してやれよ。僕はこの作品で、ファンタジーを余裕で超えてくるリアルを目撃した」—STUDY 編集長・長畑宏明
HP: www.netflix.com
ファッションやメイクにも注目の3選
「マーベラス・ミセス・ベイゼル」
2000年代に大ヒットしたファミリー・ドラマ「ギルモア・ガールズ」の Amy Sherman-Palladino (エイミー・シャーマン=パラディーノ) 監督・脚本で贈るコメディドラマ。1958年のニューヨークを舞台に、自分にスタンドアップコメディの才能があると気づく専業主婦を主人公に当時のニューヨークの風俗、芸能界の裏側、ユダヤ人社会が描いた。主演の Rachel Brosnahan (レイチェル・ブロズナハン) は、第75回および第76回ゴールデングローブ賞女優賞 (ミュージカル・コメディシリーズ部門) および第70回エミー賞主演女優賞 (コメディシリーズ部門) を受賞。
「1958年、NYのアッパーウエストサイドに暮らす裕福なユダヤ系の専業主婦ミッジ・メイゼルが、夫の浮気をっかけにコメディエンヌの才能を開花させていく。良き妻、良き母であることが女性の生きる術だった時代に、模範として渦中にいたミッジが覚醒し、既存の女性らしさという枠に中指突き立てまくる様がとにかく痛快。
HP: www.amazon.co.jp
「アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺」
1997年、ファッション界の巨人、ジャンニ・ヴェルサーチを含む5人の命を奪ったアンドリュー・クナナン。その生い立ちと、世間を騒然とさせた凶行を克明に描いた実録ドラマ。Darren Criss (ダレン・クリス)、Édgar Ramírez (エドガー・ラミレス)、Penélope Cruz (ペネロペ・クルス)、Ricky Martin (リッキー・マーティン) など豪華ハリウッドスターが実在の人物にしか見えない熱演で世界中が大絶賛。リミテッドシリーズ部門における作品賞や主演男優賞などエミー賞7冠、ゴールデングローブ賞2冠に輝いた。
「ジャンニ・ヴェルサーチの実在の邸宅や90年代のワイルドバロックなファッション にうっとりしつつも、主人公の連続殺人犯が自分勝手で残酷で大嘘つきで嫌気がさすのだけど、なぜかその不気味なサイコパスの言動や欲望に美しさを感じてしまう不思議なドラマ」—スタイリスト・早川すみれ
HP: www.netflix.com
「ル・ポールのドラァグレース」
ドラァグクイーン界のゴッド マザー、ル・ポールが主催する勝ち抜きコンテストで、アメリカズ・ネクスト・ドラァグ・スーパースターの称号と賞金10万ドルを目指し、クイーン達が様々な課題に挑戦する様子を捉えたリアリティ番組。個性的で豪華絢爛な衣装や、ドラァグクイーンたちの人間ドラマ、毎週登場する豪華なゲストたちなど見どころ満載。
「完璧に作り込んだ自分で、ありのままの自分を表現するというのは、ものすごいエネルギーと覚悟とユーモアのセンスが要るようだ。生半可だと面白いくらい必ずボロが出る。ファンタジーと裏腹のリアリティが終始あけすけのギリギリアウト感。シーズン関係なくランダムに観ても楽しめるため、一度手を出したらドラァグ漬けになること間違いなし」—TFP編集長・G
HP: www.netflix.com
いまさら観てないとは言えない大作ドラマシリーズ2選
「ゲーム・オブ・スローンズ」
エミー賞®受賞総数が過去最多を記録し、海外ドラマの王者と名高いスペクタクル超大作ドラマが遂に今年完結。夏と冬が不規則に巡る架空の世界を舞台に、七つの王家が覇権をめぐり繰り広げる壮大な “玉座取りゲーム”。禁断の愛や、国の平和を脅かす “謎の種族” の存在など、単なる覇権争いでは終わらないドラマの数々がテレビの枠を超えた壮大なスケールで描かれる。
「ファンタジー、恋愛、政治、戦争、いろんな要素が入っていて全1〜8シーズン、1話ずつすべて濃厚。まとまった時間があるときにイッキ見するのをおすすめします。逆に時間を空けてしまうと、登場人物が多いので、名前と顔が一致しなかったり、子役が急に大きくなっていて、誰が誰だかわからなくなる可能性も……」—ライター・浦本真梨子
「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」
架空の第二次アメリカ内戦によって新たに成立した全体主義国家を舞台に、出生率が異常に低下して一部の女性が “侍女” と呼ばれ性と生殖の奉仕を強制される近未来を描いたカナダ文学界の巨匠 Margaret Atwood (マーガレット・アトウッド) のディストピア小説をドラマ化。行動を極限まで制限された監視下の世界で、どのように今を “生き抜く” かが、主人公の目線を通して力強く描かれる。全米で社会現象を巻き起こし、世界中で物議を醸し出している衝撃作。
「ただのダークファンタジー作品だろう、ぐらいのテンションで見始めた本作、正直度肝を抜かれました。もし人類が子供を産めなくなってしまったら?昨今のフェミニズムムーヴメントにも紐づく、女性の役割、社会との関係性、そして強さを改めて考えさせられる物語。特にヒロインを演じる Elisabeth Moss (エリザベス・モス) は『マッドメン』(わたしのドラマキャリアの始まりになった作品) でもひときわ異彩を放っていた女優さん。本作で本領発揮された大迫力の演技にも注目です」— TFP編集部・H
HP: www.hulu.jp/the-handmaids-tale
スキマ時間についつい観ちゃう短尺作品2選
「ラブ、デス&ロボット」
『デッドプール』(2016) で知られる映画監督 Tim Miller (ティム・ミラー) と David Fincher (デヴィッド・フィンチャー) が製作総指揮として携わっており、不気味な魔物、度肝を抜く展開、ダークな笑いなど2人の世界観が炸裂の大人のアニメを集めたアンソロジー。主にSF・ファンタジー・ホラー・コメディといった複数のジャンルの短編で構成されており、2019年のエミー賞で短編アニメーション賞を獲得した。
「アニメでは見たことのない表現が多く、ほとんどがバッドエンドです。不思議と続きが見たくなるのは、グロ美しい映像表現のせいでしょうか。見てはいけないものほど見たくなる方におすすめです」—フォトグラファー・渡辺宏樹
HP: www.netflix.com
「B: The Beginning」
映画『キル・ビル』でアニメパート監督を務めた中澤一登が原作、監督、キャラクターデザイン、総作画監督を務め、「攻殻機動隊」シリーズや「PSYCHO-PASS サイコパス」シリーズなど、ハードな描写を得意とする Production I.G が夢のタッグを組んだノンストップクライムアクション。王立警察の天才捜査官キース・フリックは捜査の最前線へ復帰し、連続殺人鬼”キラーB”を追う。謎の少年、黒羽は彼の味方か?それとも追い続けてきた因縁の相手か?シーズン2の制作も決定し、国内外で評価の高いアニメーション作品。
「全体的に重いストーリーだが、迫力ある戦闘シーンと音楽に一気に引き込まれる。とにかく映像が美しく、キャラクターはもちろん背景も細部まで作り込まれていて、一時停止してじっくり見たくなるほど。豪華声優陣が演じる登場人物たちも魅力的で、思わず殺人犯に共感して切なくなったり…。シーズン2の制作も決定しているので、今のうちに見ておくべき作品」—TFP編集部・M
HP: www.netflix.com