順調にヒット作を飛ばす Netflix (ネットフリックス) のティーンドラマ。単調な日々に嫌気がさして大人に当たったり、ふさぎこんだり、誰しもが経験したことのある思春期特有の空気を纏った作品たちは、国や世代を超えて大きなムーブメントを巻き起こしている。劇中に登場する主人公たちだけでなく、親や教師といった大人たちと痛みを分かち合ったり、長年抱えてきた未解決のモヤモヤをキャラクターに重ね合わせてみたりと、今だからこそ共感できるポイントも多いのかもしれない。さらに作品を彩るカメラワークや衣装、年代をMIXさせた秀逸なサウンドトラックなど見所満載。気軽にトライできる話題のドラマシリーズをチェックしてみて。

1.  ノット・オーケー

Netflixオリジナルシリーズ「ノット・オッケー」独占配信中

海外ドラマを観始めることに抵抗のある人にまず入門編としておすすめしたいのが、今年スタートしたばかりの「ノット・オーケー」。メガヒットシリーズ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」の制作総指揮 Shawn Levy (ショーン・レヴィ) と「このサイテーな世界の終わり」の監督 Jonathan Entwistle (ジョナサン・エントウィッスル) がタッグを組んだ話題作。両作品に共通するこじらせたティーンエイジスプリット、幾十にも練り上げられた伏線の数々、秀逸なサウンドトラックなどヒット作に不可欠な黄金バランスは健在。キャストには、『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(2017) の共演で話題となった Sophia Lillis (ソフィア・リリス) や Wyatt Oleff (ワイアット・オレフ) などアップカミングな若手キャストが勢揃いしているところも見所のひとつ。現在公開中の1シーズンは、各話20分前後の全7話構成となっており、2時間39分という映画レベルの時間で追いつけてしまう手軽さも魅力的だ。あっという間に最終話まで進んでしまうので要注意。

＜あらすじ＞
17才の女子高生シドニーは、父親の死によって変わってしまった家族関係、学校では恋や友情、性の目覚めなど、青春時代に誰しもが経験するような問題に悩みながら、退屈でモヤモヤする毎日を送る。そんなある日、彼女の中にあった “普通じゃない” スーパーパワーがなぜか突然覚醒。さらに彼女を取りまく個性的な友人、クラスメートたちを巻き込みながら、事態は思いもよらない方向へ展開していく。果たしてシドニーは積み重なる苦難から無事解放され、“普通” の学校生活を送ることはできるのか——。

監督: Jonathan Entwistle (ジョナサン・エントウィッスル)
出演: Sophia Lillis (ソフィア・リリス)、Wyatt Oleff (ワイアット・オレフ)、Sofia Bryant (ソフィア・ブライアント)、Richard Ellis (リチャード・エリス)
HP: www.netflix.com

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2. セックス・エデュケーション

Netflixオリジナルシリーズ『セックス・エデュケーション』シーズン１～２独占配信中

英国発の学園ドラマとして、配信開始から4週間で4000万を超える視聴数を叩き出し、大ヒットした本シリーズ。思わず2度見してしまうほどのセンセーショナルなタイトルから想像できるように、著名なセックス・セラピストを母に持ちながらも、自身はいまだ童貞という究極のこじらせボーイが、豊富な知識を駆使して友人たちの性の悩みに向き合うというストーリーなのだが、蓋を開けてみるとロジックだけでは解決できない問題ばかり。好きな相手がどうしても振り向いてくれない、相手のことを好きなはずなのにセックスがうまくいかない、いつも相手を喜ばせることだけを考えていたから、自分が相手にどうしてほしいかわからない……。この悩みの核はセックスに限らない。大人になったわたしたちですら、いまだに正解の分からない問いに正直に向き合うティーンの姿は、ときにもどかしく、ときに深い共感をもたらすことだろう。恋人、友人、家族、自分自身のアイデンティティ。登場人物たちは大人も子供も関係なく常に悩みやコンプレックスを抱えている。そんな痛いくらい愛おしいキャラクターたちの成長が元気をくれること間違いなし。

＜あらすじ＞
セラピストの母を持つオーティスは、経験もないのに性的な知識が豊富な高校生。ひょんなことをきっかけに学校でも有名なバッドガール・メイヴと知り合いになったことでオーティスの学生生活は大きく変化してゆく。そして、彼の「才能」を見抜いたメイヴと共に、同級生たちの性の悩み相談に乗る秘密の「セックス問題相談クリニック」を開くことに――。

原作・製作: Laurie Nunn (ローリー・ナン)
出演: Asa Butterfield (エイサ・バターフィールド)、Gillian Anderson (ジリアン・アンダーソン)、Ncuti Gatwa (ンクーティ・ガトワ)、Emma Mackey (エマ・マッキー)
HP: www.netflix.com

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3. このサイテーな世界の終わり

Netflixオリジナルシリーズ「このサイテーな世界の終わり」シーズン１～２独占配信中

Charles Forsman (チャールズ・フォースマン) による連載漫画のキャラクターから着想を得たドラマシリーズ、「このサイテーな世界の終わり」。幼い時から独特の感性を持ち、生き物を殺傷することにも何も感じない自称サイコパスの少年が、殺人という次なる快感を求めて獲物に定めた同級生と関わることで事態が展開してゆくロードムービー。双方のモノローグが効果的に作用し、どこか気味の悪い不協和音のような展開から、物語が進むにつれて思春期特有のヒリつくようなとげとげしさや、背伸びをしたプライド、脆く純粋な感情が少しずつ画面に映し出されてゆく。2シーズンを通じ、巧妙な伏線の先で新たな問題に巻き込まれ、そのたびに自力で這い上がる彼らの成長は、一目瞭然。ロンドンのヴィンテージショップで掘り出したような真似したくなる衣装や Blur (ブラー) のギタリスト Graham Coxon (グレアム・コクソン) が仕掛けるブリットポップのBGMがまた秀逸。『俺たちに明日はない』の名カップル、ボニー＆クライドを彷彿とさせる若い男女の逃避行に目が離せない。

＜あらすじ＞
自称サイコパスの少年・ジェームズと、人生のすべてを変えたい転校生・アリッサ。お互いの欲求を満たすために思いついたロードトリップだったが、その道程は想像以上に山あり谷ありで——。

監督: Jonathan Entwistle (ジョナサン・エントウィッスル)
出演: Jessica Barden (ジェシカ・バーデン)、Alex Lawther (アレックス・ロウザー)、Steve Oram (スティーヴ・オーラム)、Wunmi Mosaku (ウンミ・モサク)
HP: www.netflix.com

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