tfp recommends online art gallery

自宅がミュージアムに ! オンラインでアート鑑賞

By Google Arts & Culture

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自宅がミュージアムに ! オンラインでアート鑑賞

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ext: mariko uramoto
edit: mikiko ichitani

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、各地の美術館やギャラリーの臨時休館が相次いでいるが、オンライン上でさまざまな作品が鑑賞できるサービスも続々と生まれている。人混みや時間を気にせずに、ひとりでゆっくりとアートと対峙できるオンラインサービスは、実際に足を運ぶのとはまた違う体験をもたらしてくれるだろう。今回は展示や作品の個性を最大限に引き出したユニークなアートのオンラインコンテンツを紹介。家にいながらにして楽しめるバーチャルのギャラリーツアーへ。

東京国立近代美術館

《ガストホーフ・ツァ・ムルデンタールシュペレ》 2000-02年、油彩・キャンバス、196×296cm、シカゴ美術館蔵 ©Peter Doig. The Art Institute of Chicago, Gift of Nancy Lauter McDougal and Alfred L. McDougal, 2003. 433. All rights reserved, DACS & JASPAR 2020 C3120

《ガストホーフ・ツァ・ムルデンタールシュペレ》 2000-02年、油彩・キャンバス、196×296cm、シカゴ美術館蔵 ©Peter Doig. The Art Institute of Chicago, Gift of Nancy Lauter McDougal and Alfred L. McDougal, 2003. 433. All rights reserved, DACS & JASPAR 2020 C3120

同世代から後続世代に多大な影響を与えてきたイギリスを代表する現代美術家、Peter Doig (ピーター・ドイグ)。彼の初期作から最新作までを集めた日本初個展の「ピーター・ドイグ」展がオンラインサービスの「ニコニコ美術館」で鑑賞可能。Peter Doig は1959年、スコットランド生まれのアーティストで、2002年よりポート・オブ・スペイン (トリニダード・トバゴ) を拠点に制作を行っている。多様なイメージによって構成される彼の作品は、鑑賞者の想像力を刺激し、“ロマンティックかつミステリアスな風景を描く画家” としても知られている。今展では幅3メートルを超える大型作品も出品されており、圧倒的な迫力をオンライン上で体験できそうだ。さらに、4月30日からは「【展覧会をつくるお仕事】ピーター・ドイグ展の再放送を見ながら「企画する学芸員」と「作品の状態を確かめる保存・修復の専門家」と「記録に残す写真家」に質問しよう」も「ニコニコ美術館」にて公開。生まれては消えていく美術展は、どのようにして作られるのか? 何年も前から展示について企画する学芸員。海外に渡航して作品の状態を確かめる保存・修復の専門家。撤去されることが運命づけられた美術展を記録に残す写真家。普段なかなか触れることのできない、展覧会の裏側を支える専門家たちのインサイド・ストーリーも合わせてチェックしてみて。

HP: www.momat.go.jp
動画ツアー: live2.nicovideo.jp

京都国立近代美術館

ラジスラフ・ストナル 《耐熱ガラスのティーセット》 1931年 ©︎チェコ国立プラハ工芸美術館蔵

ラジスラフ・ストナル 《耐熱ガラスのティーセット》 1931年 ©︎チェコ国立プラハ工芸美術館蔵

京都・岡崎公園内に位置し、近代美術を中心に展示をする美術館。「チェコ・デザイン 100年の旅」では、1920年から現代まで100年のチェコのデザインの歴史を紹介している。チェコは芸術家のアルフォンス・ミュシャを輩出し、チェコ・キュビズムと呼ばれる独自の様式を生み出した。また、「もぐらのクルテク」に代表されるアニメや独創的なおもちゃなど、世界を魅了する数々のデザインを生み出した国としても有名。現在、京都国立近代美術館は臨時休館中のため、その展示の模様をオンラインサービス「ニコニコ美術館」で公開中。チェコ文学者の阿部賢一、展覧会の企画に携わる株式会社イデッフ代表の柴田勢津子、京都国立近代美術館 特定研究員の本橋仁の3名が展示室を回りながら家具やプロダクト、ポスターなどチェコ国立プラハ工芸芸術美術館所蔵の作品を中心とした約250点の作品を鑑賞。それぞれの作品のバックストーリーや当時のデザインの潮流なども合わせて語っている。

HP: www.momak.go.jp/
動画ツアー: live2.nicovideo.jp

東京国立博物館

1872年 (明治5年) に誕生した日本で最も長い歴史を持つ博物館。収蔵件数は12万件にものぼり、収蔵品のうち国宝は87件、重要文化財は646件を数え、有名な美術品や考古遺物が数多くラインナップしている。豊富なコレクションの数々を見られる常設展示 (総合文化展) のほか、近年では「国宝 阿修羅展」、「鳥獣戯画—京都 高山寺の至宝—」など長蛇の列ができるほどの人気特別展を次々と連発。2011年に開設したYouTubeチャンネルでは、研究員による展示紹介の動画を配信中。仏涅槃図2作品の比較と国宝「十六羅漢像」の見どころをたっぷりと紹介する「沖松研究員が語る、仏涅槃図の世界」や、「市元研究員が語る、博物館で見る青銅器の鑑賞方法」など4本のオンラインギャラリーツアーが登録されていて、アート初心者にもわかりやすい丁寧な解説が評判を呼んでいる。

HP: www.tnm.jp
動画ツアー: www.youtube.com

三菱一号館美術館

今年で開館10周年を迎えた三菱一号館美術館。それを記念した展覧会「画家が見たこども展 ゴッホ、ボナール、ヴュイヤール、ドニ、ヴァロットン」は、19世紀末、パリの前衛芸術家グループ「ナビ派」の画家たちが描いた「こども」の作品にフォーカスし、当時の都市生活や近代芸術と子どもの関係を検証するというもの。「ナビ派」は印象派に続く世代の芸術家グループであり、ゴーガンやファン・ゴッホに影響を受け、親密さや素朴さを追求。主要なメンバーにはポール・セリュジエ、ピエール・ボナール、モーリス・ドニなどが名を連ねている。本展では、彼らの作品を軸として国内外の美術館や三菱一号館美術館のコレクションから厳選した約100点を紹介。三菱一号館美術館は2月28日より臨時休館に入っているが、展示内容をオンラインサービス「ニコニコ美術館」内で紹介。解説は館長の高橋明也、ゲストにミュージシャンの坂本美雨を迎え、二人のクロストークも必聴だ。

HP: mimt.jp/kodomo/
動画ツアー: live2.nicovideo.jp

Google Arts & Culture

By Google Arts & Culture

By Google Arts & Culture

2011年にGoogleがスタートしたサービスで、世界各地の2000施設を超える美術館や博物館などのコレクションを楽しめるデジタル美術館。ルーヴル美術館やメトロポリタン美術館、大英博物館をはじめとする海外有数の施設のほか、東京国立博物館、国立新美術館、神戸ファッション美術館、中村キース・ヘリング美術館など国内約100施設がラインナップしている。特筆すべきは自社で開発した「アートカメラ」により撮影された超解像度画像。このカメラを用いて撮影した美術作品は10億以上のピクセルで構成されていて、拡大ズーム機能を使えば肉眼では確認できないほどのディテールを隈なく見ることができる。また、ストリートビューで建物内部の撮影をした美術館や博物館の中をバーチャルに歩き回ることも可能。展示室から展示室へ、実際に施設の中を歩いているような感覚を味わえる。公式 Google Keyword blog では最新情報をアップしているのでぜひチェックを。

HP: artsandculture.google.com

HASARD

2019年4月に設立された日本発のオンラインミュージアム。「誰でも、いつでも、無料でオンライン上でアートを楽しむことができる」をコンセプトに、時間も場所も気にせず、ゆったりと作品を鑑賞できる機会を創出。19世紀後半を代表するデンマークの画家、ハンマースホイの作品展『静』や、印象派の中心人物、ゴッホの作品展『彼の見た景色』、ミュシャが製作したポスター作品を紹介する『POSTER』など人気作家の展示が無料で楽しめる。また、今年4月10日から始まった常設展示『モネ それは再び 動き始める』では“動く絵”が登場し、話題を呼んでいる。風にたなびく草花や流れる雲、揺れる水面など、モネが描いた絵の中の風景がリアルに動き、立体的な奥行きを感じられる。

HP: wam-hasard.com