話題の「ドレス・コード?—— 着る人たちのゲーム」展がついに東京でも開催へ
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話題の「ドレス・コード?—— 着る人たちのゲーム」展がついに東京でも開催へ
Tokyo Opera City Art Gallery
holds "DRESS CODE: Are You Playing Fashion?" exhibition
昨年、京都と熊本で開催され話題を呼んだ「ドレス・コード?—— 着る人たちのゲーム」展がついに東京に上陸。東京オペラシティ アートギャラリーにて、2020年7月4日(土)から8月30日(日)まで事前予約制で開催される。
本展は、ファッションを「着る」だけでなく、「視る/視られる」ものと定義し、特定の文化や社会、グループで通用するコードから生まれる駆け引きあるいはゲームにも似た自己と他者とのコミュニケーションについて着目。京都服飾文化研究財団 (KCI) が収蔵する衣装コレクションを中心に、ファッションやアートのほか、映画やマンガなどに描かれたファッションも視野に入れながら、300点を超える作品で構成。現代社会における新たな〈ドレス・コード〉、わたしたちの装いの実践をゲームになぞらえ、「組織のルールを守らなければいけない?」「服は意思をもって選ばなければならない?」「与えよ、さらば与えられん?」といった13のキーワードから見つめ直してゆく。
ファッションは、単に流行の服やスタイルを意味するだけではない。ある時代や地域、文化や慣習と結びついた服装全般を含めることができるだろう。そこには、暗黙の〈ドレス・コード〉ともいえるさまざまな形の規範やルールが存在し、しばしば人々の行動や思考にも影響を与えてきた。たとえば、学校や職場で制服やスーツを着るなどがそうだ。一方で、〈ドレス・コード〉は時に破られたり、置き換えられたり、 別のコードが生まれることもある。トレンチ・コートやデニムはかつて軍服や労働着として認識されていたが、今ではそのコードは失われ、着飾るためのアイテムのひとつとなっている。
自己表現からあえてコードを逸脱した個性的なファッションに身を包む人もいる。会場では、男性用のスーツや制服から、Gabrielle Chasnel (ガブリエル・シャネル) が手掛けたシャネル・スーツをはじめ、川久保玲による COMME des GARÇONS HOMME PLUS (コム デ ギャルソン・オム プリュス) のスーツ、Maison Martin Margiela (メゾン マルタン マルジェラ) のコートやドレス、Vetements (ヴェトモン)、beautiful people (ビューティフルピープル) といったブランドが手掛けてきたといった最新のスタイルまで、ファッションに見られるさまざまな装いの実例を実際のコレクションピースを用いて展開する。
さらに衣服を通じて、時に自分の嗜好や属性を表明することもあれば、コスプレのように別の人格を演じることもある。これは服を着ることが “何者か” になる行為であることを意味すると言えるだろう。Hans Eijeklboom (ハンス・エイケルブーム) による大量のストリート・スナップはファッションにおける他者へ/からの眼差しを、石内都が撮る古着の写真は着用者の人格や記憶を、それぞれ浮き彫りにしている。本展では、これら現代美術作家による多彩な表現の実践を取り上げ、着ることの意味を深く掘り下げる。
また、服はファッションのみならず、文学や演劇、映画、マンガなどにおいては登場人物 (キャラクター) の性格や行動、感情を表す要素となるなど、物語を進める重要な役割を担っている。フィクション (虚構) の世界にとどまらず、ヴァーチャル (仮想世界) が日常化した現代においてはリアリティを強く感じさせるものも多い。会場では、映画ポスターの展示のほか、演劇カンパニーのマームとジプシー、チェルフィッチュによるインスタレーションなどを通して、服とキャラクターについて考察する。また、KCI が収蔵する18世紀の衣装を題材に、18 世紀フランス革命の死刑執行人サンソン家を描いた坂本眞一氏のマンガ『イ ノサン』『イノサン Rouge』とのコラボレーションを実施。フランス革命期の衣装と登場人物を通じて、現実と非現実が交差する特別な空間を作り上げる。
東京展では、東京オペラシティの3階・4階に広がるアートギャラリーの展示室全てを使用した大規模な展示空間が出現。Noir Kei Ninomiya (ノワール ケイ ニノミヤ) 2020年春夏コレクションや、COMME des GARÇONS (コム デ ギャルソン) 2016-17年秋冬コレクションの衣装作品が、本展初登場となる。さらに、既存の作品群も東京独自の展示方法を予定しており、京都や熊本での展示を楽しんだ人も新鮮な気持ちで楽しむことのできる仕掛けが多く取り入れられている。本展を通して、装いの本質について多角的に思い巡らしてみるのはいかがだろう。