DIOR
SUMMER 2021 MEN'S COLLECTION

クチュールメゾンが描くアーティストの肖像画、ディオール サマー 2021 メンズ コレクション

©JACKIE NICKERSON

DIOR SUMMER 2021 MEN'S COLLECTION
DIOR SUMMER 2021 MEN'S COLLECTION
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クチュールメゾンが描くアーティストの肖像画、ディオール サマー 2021 メンズ コレクション

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DIOR (ディオール) が Kim Jones (キム・ジョーンズ) によるサマー 2021 メンズ コレクションを7月13日にオンライン上で発表した。公開された約10分のショートフィルムは、2部構成となっており、どちらも短編映画のような仕上がりとなっている。

ビデオアーティストの Chris Cunningham (クリス・カニンガム) が編集とサウンドトラックを手がけた第1部では、本コレクションで Kim Jones がコラボレーション相手に選んだガーナ生まれ、ウィーンを拠点に活動するアーティスト Amoako Boafo (アモアコ・ボアフォ) にフォーカス。アーティストが持つロンドンとガーナのアトリエにて撮影されている。

Amoako Boafo は、淡色の背景に描かれた力強く、印象的な肖像画で広く知られるアーティスト。自身のアイデンティティと黒人であることを称賛するポートレートシリーズ『ブラック・ディアスポラ』は高い評価されており、2017年には「ウォルター・コシャツキー アートプライズ」で審査員賞を受賞。最近では、ソロモン・R・グッゲンハイム美術館をはじめ公私を問わず多くの収集家、諸機関から幅広くコレクションされている。

Kim Jones と Amoako Boafo の出会いは、2019年。マイアミのルベルミュージアムで互いの作品に一目惚れしたことが今回のコラボレーションの始まりだったという。もともと Kim Jones は幼少期をボツワナ、タンザニア、エチオピア、ケニア、ガーナといったアフリカの国々で過ごしたバックグラウンドを持つ。加えて、DIOR もまた長きにわたりモロッコからコートジボワールまでアーティストや職人との絆を育み、アフリカ大陸から多くのインスピレーションを得てきた。そうした様々な背景が重なった今回のコレクションでは、1点1点が Kim Jones と Amoako Boafo の対話によって生み出されており、アイデンティティやクリエイティビティのパワー、そしてアートを称賛するものになっている。

Jackie Nickerson (ジャッキー・ニッカーソン) が手がけた映像の第2部、そしてコレクションのルックブックは、すべて黒人モデルを起用。Amoako Boafo の作品から採用されたブルー、コーラル、グリーン、そして蛍光イエローがコレクションを彩っている。そして、プリントもまた、アーティストの作品の特徴となっているグラフィックパターンから採用されており、実際に肖像画が全面に配されたニットも登場。スリムなシルエットとレイヤードが特徴的で、スポーツウェアにインスパイアされながらも、クチュールメゾンならではのテイラリングが発揮され、洗練されたエレガンスを湛えている。

勿論、「ディオール オブリーク」の配されたタンクトップやソックス、ビッグサイズのサドルバッグなどメゾンのコードも顕在。アトリエ ヴェルモンが手がけた刺繍はメゾンのアーカイブを参照している。現代アートとメゾンの歴史が融合され、見事に共生を果たしているのも Kim Jones のなせる技だろう。また、Stephen Jones (スティーブン・ジョーンズ) のベスクバレーがさらにアーティスティックなタッチをコレクションに加えている。

DIOR は今回のコラボレーションを機に、今後ガーナで Amoako Boafo が指揮をとる若きアーティストのためのアートイニシアチブを支援していくことも発表した。