いよいよ公開!映画『Daughters』主演・三吉彩花にミニインタビュー
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いよいよ公開!映画『Daughters』主演・三吉彩花にミニインタビュー
4 questions to
ayaka miyoshi
about new movie "daughters"
interview & text: manaha hosoda
TFPで連載中の写真家・髙橋恭司によるファッションページ「シンクロニシティ」で Paco Rabanne (パコ ラバンヌ) のブルーが鮮やかなドレスを見事に着こなしてくれた女優・三吉彩花が主演を務める映画『Daughters』が9月18日ついに公開となる。
本作は、ファッションイベントの演出や映像を手がけてきた津田肇の初長編作品。三吉彩花と阿部純子をW主演に迎え、東京・中目黒を舞台にルームシェア生活を送るふたりの女性、彩乃と小春を描く。突然の妊娠からはじまり、友情や仕事、家族との絆が丁寧に綴られ、監督がこれまで培ってきた豊かな色彩感覚が作品を鮮やかに彩っていく。tiit tokyo (ティート トウキョウ) のデザイナーである岩田翔がファッションディレクターを務めていることもあって、物語だけでなくファッションも楽しめる作品だ。
撮影が開始されたのは2019年の3月。四季の移り変わりをカメラにおさめるべく、1年をかけて撮影された渾身の作品は、監督や出演者にとっても感慨深い仕上がりのようだ。念願の公開日が近づく中、友達を親身に支える等身大の女性像を演じきった三吉彩花に本作の魅力を尋ねてみた。
―上海国際映画祭のアジア新人賞部門入選おめでとうございます。選考において「最も美しい映像」という評価があったそうですが、確かに圧巻の映像美でした。三吉さんが一番気に入っているシーンはどこですか?
衣装やインテリアにもこだわって、全体を通して景色も人物もすべてが美しい作品になるようスタッフみんなで心がけました。わたしは、(阿部演じる彩乃と)ふたりで水の中を泳いでるシーンが気に入っています。静岡まで行って、ダイビングの免許が取れる深いプールで撮影したのですが、結構大変で……こんな綺麗な映像になるとは思いませんでした。ナレーションはありますが、基本的には水の音だけで静かな、まるで時間が止まってしまったかのような映像が気に入っています。
―今回の役柄は世代も近かったと思います。小春に共感する部分はありましたか?
実は、最初に台本を読んだ時、お互いが逆の役に共感していました。わたしは彩乃の感情が揺れやすいところに共感して。小春はちゃんと空気を読みながら、NOと思ったらちゃんと口に出すことができる足し算引き算が上手な子だなと思っていて。わたしも意見を求められたら、こう思う、そう思わないなどちゃんと言うんですけど、基本的には人にあわせて話すので、そういうところは似ていると思います。
―撮影から公開まで少しタイムラグがあったかと思いますが、完成した作品を改めて観てみて、いかがでしたか?
去年1年間ずっと撮影していたのですが、ナレーションを録ったのは今年に入ってから。撮影当時の記憶を蘇らせながらその時感じていたニュアンスを伝えるのには苦労しました。とはいえ、この作品は、10代から出演してきた中でも一番思い入れが強い作品になりました。阿部ちゃんや監督をはじめ、周りの環境が本当に恵まれていました。今まではプレッシャーを感じたり、演じることを気にしすぎて何が正解かわからなくなったりしていたんですけど。この役は自分がそのまま感じたことを言ったら正解だなと思ったので、自然体でいることができました。改めて観ても、本当にこういう人たちいるよなって思えます。
―妊娠や母親になることについて改めて考えさせられる映画でした。この作品に出会って何かご自身の考え方が変わったり、改めて気づいたことはありますか?
この作品には、子供を産む決意をしたシングルマザーがいて、それを支える親友がいて、お腹にはやっぱり一生懸命生きている子供がいる。考えると、3人で成長しているんだな、と。別に血が繋がっていようと、繋がってなかろうと、ちゃんと支え合って、みんなの命がしっかり繋がっている。喧嘩してぶつかったりと、綺麗な部分だけ描かれているわけではないけれども。人と人との繋がりについて改めて見つめることのできる映画だと思います。