加茂克也『KAMO HEAD』、7年撮りためた作品集が命日に発売
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加茂克也『KAMO HEAD』、7年撮りためた作品集が命日に発売
Katsuya Kamo
Releases his 2nd photo book “KAMO HEAD”
世界を舞台に活躍したヘア&メイクアップアーティスト加茂克也の作品集 『KAMO HEAD』が、一周忌の命日である2月28日に発売。写真家の戎康友が撮り下ろしている。販売元は twelvebooks。
1997年の JUNYA WATANABE COMME des GARÇONS (ジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソン) から UNDERCOVER (アンダーカバー)、CHANEL (シャネル)、MINTDESIGNS (ミントデザインズ)、ANREALAGE (アンリアレイジ) まで、22年にわたりパリコレを中心にランウェイで発表されたヘッドピース約220点を収集。
加茂克也の作品集には先行する1冊『GASBOOK 29 KATSUYA KAMO“100 HEADPIECES”』(2013年) がある。これはラフォーレミュージアム原宿で開催された個展「加茂克也展‘100 HEADPIECES’」に合わせて制作されたもので、国内外の雑誌エディトリアルやヘッドピース作品などのヴィジュアルが約100点、加茂本人の厳選で収録されていた。
対する今回の『KAMO HEAD』は、先述のラフォーレミュージアム原宿での個展をきっかけにスタート。2019年に病気で倒れるまで、写真家の戎康友が毎シーズン撮りためてきた。「コレクションが終わったタイミングで、時間を見つけては、加茂さんと一緒に撮影を繰り返しました。およそ7年間、20回近く撮影しています」と戎氏は振り返る。
『KAMO HEAD』に収められているのは、約220点のヘッドピース。加茂が制作で愛用していた発泡スチロール製のマネキンにのせて撮影した。「加茂さんにいわれたのは、モノクロで撮りたい、ということ。白バックで、凝ったライティングや仕上げはせず、なるべく普通に撮りたいというのが彼の希望でした。私はショーでこのヘッドピースを見ることがなかったので、これらの加茂さんがつくったヘッドピースを、かなりニュートラルに見たように思います」。
渡辺淳弥、高橋盾、森永邦彦から Karl Lagerfeld (カール・ラガーフェルド) まで、多くのデザイナーからの支持を集め、ランウェイでは世界屈指のヘアアーティストとしてトップを走り続けた加茂克也。雑誌では有名モード誌からインディペンデントなメディアまで、加茂自身の感性がおもむくまま、クリエイティブなビューティを惜しげなく生み出し続けた。撮影チームにおけるヘアメイクとしての彼は、どんな存在だったのか。「若い頃からずっと一緒に仕事してきたので、存在、という認識はしてないが、服とそれを着るモデルをつなげてくれるヘアメイクとして、いちばんファッショナブルにしてくれる人だった」と戎氏が話すように、アートピース級のヘアをつくってなお、必ずファッションとしての着地を見せていた彼の才能と熱量は、改めて唯一無二だったと思う。
『KAMO HEAD』は現在、販売元の twelvebooks でプレオーダー可能。3月中旬より順次書店にも並ぶ予定。