UNDERCOVER x Taro Mizutani

【ファッション写真連載】vol.01 水谷太郎 × UNDERCOVER

UNDERCOVER x Taro Mizutani
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【ファッション写真連載】vol.01 水谷太郎 × UNDERCOVER

UNDERCOVER x Taro Mizutani

by Miwa Goroku

水谷太郎 × UNDERCOVER
UNDERCOVER (アンダーカバー) 2015-16年秋冬コレクションのタイトルは「hurt (=傷、傷み)」。ガラスの破片が突き刺さったようなショルダー、ボディにはナイフで切り裂いたようなスラッシュが入り、裾はライターの熱で歪められたべっ甲のビニールがエレガントな、しかしどこか不穏なドレープを打つ。マキシ丈のスカートやコート、タートルネックのニットなどには、ベルギーの現代美術作家 Michaël Borremans (ミヒャエル ボレマンス) の絵画作品が大胆にのせられ、モデルの顔もまた、Borremans 作品に通じる透明のマスクで覆われている。Borremans はデザイナーの高橋盾が敬愛するアーティストのひとり。静謐な中に突き詰めた狂気的な作風が、UNDERCOVER 独特のシュールな世界観に通じている。

国内外のフォトグラファーにフォーカスを当てる TFP の新シリーズ企画「FASHION PHOTOGRAPHY」。第1弾は、東京発のファッションブランドと蜜月関係にあるフォトグラファーたちが自ら厳選したフォトストーリーを、連載形式で紹介。彼らの目線を通して、2015年秋冬コレクションの舞台裏に迫る。

Photo by Taro Mizutani

Photo by Taro Mizutani

水谷太郎 × UNDERCOVER

UNDERCOVER (アンダーカバー) 2015-16年秋冬コレクションのタイトルは「hurt (=傷、傷み)」。ガラスの破片が突き刺さったようなショルダー、ボディにはナイフで切り裂いたようなスラッシュが入り、裾はライターの熱で歪められたべっ甲のビニールがエレガントな、しかしどこか不穏なドレープを打つ。マキシ丈のスカートやコート、タートルネックのニットなどには、ベルギーの現代美術作家 Michaël Borremans (ミヒャエル ボレマンス) の絵画作品が大胆にのせられ、モデルの顔もまた、Borremans 作品に通じる透明のマスクで覆われている。Borremans はデザイナーの高橋盾が敬愛するアーティストのひとり。静謐な中に突き詰めた狂気的な作風が、UNDERCOVER 独特のシュールな世界観に通じている。

Photo by Taro Mizutani

Photo by Taro Mizutani

UNDERCOVERのショーは、デザイナーの高橋盾を中心に、演出の若槻善雄、ヘアメイクの加茂克也、コーディネーターの大塚博美らがクリエイティブを司る。フォトグラファーの水谷太郎はその傍らで、モデルのオーディションからフィッティング、リハーサル、本番までをドキュメントする。「信頼のおける最小限の登場人物で、最高のパフォーマンスを生み出す。僕が一緒に仕事をするファッションブランドは、そんな基本姿勢でクリエイションに臨んでいるところが多い。だからチームメンバーは確立されているし、みな経験値も高い。そんな最高のスタッフがショーの直前ギリギリまで、神業と力業を繰り出しながら詰めていく。そんな彼らの常軌を逸したエネルギーにあてられるたび、UNDERCOVERの人気のゆえを思い知らされる」。もともとフィルム派で知られる水谷だが、ここ1~2年はデジタルも駆使。「たとえば雑誌をめくっていて、フィルムの写真にはどこか意図しないノスタルジーというか、鈍さや重さのような違和感を感じることが多くなってきた。一方でデジタルは、ものすごいスピードで進化を続けている。フィルムでもデジタルでも、良ければいい。最近はそういう考え方で写真を撮っている」。

Photo by Taro Mizutani

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Photo by Taro Mizutani

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世界に認知されるファッションブランドの裏側には、そのイメージを支えるフォトグラファーの存在が必ずある。UNDERCOVERの場合、パリデビューを果たした2003年春夏シーズンからは、富永よしえが5年にわたって舞台裏に密着し、彼女が記録したイメージは 1冊のドキュメンタリー写真集『The Shepherd : UNDERCOVER』(2008年) にまとめられている(*現在は古本屋での高値取引)。その後、富永よしえからバトンを引き継ぎ、現在に至るまでUNDERCOVERのブランドイメージを生成しているのが水谷太郎、そして富永よしえを師匠に持つ守本勝英の2人だ。高橋盾・デザイナーは、シーズンやコラボレーションによってこの2人を交互、あるいは連続して起用し、ルックブック等を制作するスタイルを続けている。

今年で25周年を迎えるUNDERCOVER。来年の初春には、ランウェイ、バックステージからコラボレーションプロジェクトまでを網羅するアーカイブ本が、アメリカの出版社 Rizzoli New York (リッツォーリ・ニューヨーク) から出る予定だ。

Taro Mizutani

Taro Mizutani

<プロフィール>
水谷太郎 (みずたに・たろう)
1975 年東京都生まれ。東京工芸大学芸術学部写真学科卒業後、自身の写真家活動を開始。 ファッション誌をはじめファッションブランドの広告やアーティストのポートレイトなどを中心に活躍する。13 年3 月にWATARU、荒井俊哉、守本勝英らと合同写真展「流行写真」を実施。同年11 月には自身初の個展「New Journal」を Gallery 916 で行った。今年5月14日 (木) からは、アートディレクター/アーティストの永戸鉄也との合作プレゼンテーション「STILLSCAPE」をla kaguで開催する。作品集に『Here Comes _e Blues』。
HP: www.bnm-jp.com/bnm-affiliation/?id=1382690313-624155

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