acne studios
spring summer 2023 collection

秋元梢とともに参列、一癖も二癖もあるウェディングパーティーへ。アクネ ストゥディオズ 2023年春夏コレクション

acne studios spring summer 2023 collection
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秋元梢とともに参列、一癖も二癖もあるウェディングパーティーへ。アクネ ストゥディオズ 2023年春夏コレクション

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spring summer 2023 collection

model: kozue akimoto
photography: shono inoue
edit & text: manaha hosoda

パリでのコレクション発表10周年を迎え、祝福ムードに満ち溢れた Acne Studios (アクネ ストゥディオズ) 2023年春夏コレクション。パリの象徴的なアート施設である Palais de Tokyo (パレ・ド・トーキョー) に特設されたショー会場は、ブランドカラーであるピンクに彩られた。この大きな節目を記念して、モデルの秋元梢とともに現地からコレクションの模様をお届け。めくるめくアクネワールドにようこそ!

ぐずついた空模様が続いていたパリ ファッションウィーク3日目、Acne Studios のアニバーサリーを祝福するかのように太陽が顔を覗かせた。会場となったのは、セーヌ河岸からエッフェル塔を臨め、パリの伝統と革新が共生する現代アートの殿堂 Palais de Tokyo。入国規制が緩和されたこともあり、会場に駆けつけた顔ぶれも国際色豊かで、久しぶりにファッションウィークならではの高揚感を味わい、表情も自然と明るい。コロナ禍以降、初めてパリ ファッションウィークにカムバックを果たした秋元梢の足取りも、心なしか軽やかだ。

1996年にスウェーデン・ストックホルムで Jonny Johansson (ジョニー・ヨハンソン) によってスタートした Acne Studios。2013年秋冬シーズンにパリで最初のコレクションを、当時パリ私立モード美術館として知られていたガリエラ宮で発表。同氏は、パリでのデビューコレクションを「非常に野心的」であったと評し、「フランスの伝統を象徴する美術館と現代的な方法でコラボレーション」することが目標だったと語っている。「スカンナジビアとフランスの文化の出会い」から始まった10年の歳月は、私たちには想像がつかないほど険しい道のりであったに違いない。変遷を遂げながら、常に進化してきた Acne Studios が今回、Palais de Tokyo というパリを象徴する施設でコレクションを発表するということは、一種の原点回帰であり、新たな挑戦とも言えるだろう。今でこそモデルがファッションウィークに訪れることも珍しくないが、その先駆けとして秋元梢がパリに足を踏み入れたのも、およそ10年前。最初に訪れた Acne Studios のショーに想いを馳せながら、真紅のドレスに袖を通す。

コレクションのテーマはずばり、ひねりの効いたウェディングパーティー。会場には、ピンクのシルクシーツで覆われたベッドが並び、手作りの貝殻を散りばめた燭台がディスプレイされた。数シーズン、ミュージシャンと共演を果たしてきた Acne Studios だが、今回のショーではアヴァンハープ集団 LEYA & Eartheater (アースイーター) がライブセットを披露。美しいハープとバイオリンの音色とともに、ファーストルックとして繊細なレースにピュアなライトブルーのリボンがあしらわれた、Acne Studios 流のウェディングドレスが登場。コレクションはこれでもかというぐらいパステルカラーに彩られ、終始ロマンティックなムードを演出しつつも、エッジを加えるスパイクスタッズが繰り返し登場し、ブランドの反骨精神を強調する。

「パリのアクネ ストゥディオズの10周年を祝うショーをやりたかったのですが、最も象徴的なイベントとして思いついたのが結婚式でした。結婚式は常に人種のるつぼであり、美意識の選択のきっかけになるので、とても魅力的です。結婚式には、かわいらしさやキッチュさ、甘さがある一方で、真剣さや緊張感、弱々しさもある。私は、テーブルクロスからシャンデリア、ウェディングシーツ、花嫁の靴、リボン、かわいい花まで、あらゆるものを参考にして、クラシックでキッチュなウェディングをアレンジしたいと思いました。ブレザーを開いて 下を見せたり、ドレスに小さな花を添えるのは詩的だからです」
― クリエイティブ・ディレクター Jonny Johansson

シルクやチュール、クロッシェニット、ジャージーといった素材が織りなすエレガントなドレープに、ヘビーメタルからインスパイアされたスパイクのチョーカーやベルト、バッグをかけあわせた絶妙なバランスは、まさに Acne Studios だからこそなせる技。今季デビューを果たしたスウェーデン語で「フラット」を意味するショルダーバッグ「Platt」も、ミニマルなデザインにスパイクやチェーンで飾られたストラップがパンチを効かせる。さらに、初登場となったジャカードプリントの「AS」モノグラムも、オーセンティックな雰囲気を醸しつつ、よく見るとサイケデリックな仕上がりに。アメリカ人アーティストの Karen Kilimnik (カレン・キリムニク) が描いた猫のナイーブなパステル画がバケットバッグの底に、コートジボワールのデザイナー Lafalaise Dion (ラファレーズ・ディオン) のシグネチャーであるタカラ貝を使ったドラマチックなイヤリングやネックレスなど、挑発的なコラボレーションピースが Acne Studios のあくなき探究心を体現する。

コレクション発表後には、同会場でアフターパーティーが開催され、ショーとはまた趣の異なるパリのユースカルチャーの熱気が満ちた一夜が繰り広げられた。これからさらにひろがる明るい未来を予感させる Acne Studios のセレブレーション。The Fashion Post では、この特別な機会を記念して、秋元梢とともにパリでファッション撮影を敢行。翌週より各週ずつファッションストーリーを公開予定(全4回)。