サラ・ムーンのレンズを通して語られるメゾンの歴史。写真集『DIOR BY SARAH MOON』
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サラ・ムーンのレンズを通して語られるメゾンの歴史。写真集『DIOR BY SARAH MOON』
Dior
releases photobook "DIOR BY SARAH MOON"
DIOR (ディオール) が写真家の Sarah Moon (サラ・ムーン) との対話の延長として、彼女が撮影した写真をエレガントなボックスセットに収めた形で展開。Delpire (デルピール) 出版書より発売される。
Christian Dior (クリスチャン・ディオール) とその後継者たち、とりわけウィメンズコレクションのクリエイティブディレクターの Maria Grazia Chiuri (マリア・グラツィア・キウリ) が創造したシルエットの発揮する力が、Sarah Moon の儚くも力強い陰影のある写真を通して表現された。さらに、同氏の作品のテーマである「複雑さゆえに荘厳である、多面的な女性らしさ」を印象的な3巻構成で披露。各巻にて、DIOR のさまざまな側面と、そのクリエイションの建築的なエッセンスが取り上げられている。
第1巻では、ブラックとホワイトの無限のバリエーションを掘り下げる写真のセレクションが展開されており、特に1947年から1957年までの、DIOR MONSIEUR (ムッシュ ディオール) によるアイコニックな作品にフォーカスが当てられた。中でも際立つのは、 マヨルカ島出身のモデル、Andrea Gutiérres (アンドレア・グティエレス) の優雅さだ。Sarah Moon は彼女を、「過去と現在に属する、タイムレスな女性を体現する」モデルだと序文で記している。
ところどころカラー写真を挟んだ第2巻は、時間を遡り DIOR のアーカイブにフォーカス。 Yves Saint Laurent (イヴ・サン=ローラン)、Marc Bohan (マルク・ボアン)、Gianfranco Ferre (ジャンフランコ・フェレ)、John Galliano (ジョン・ガリアーノ)、Raf Simons (ラフ・シモンズ)、Maria Grazia Chiuri (マリア・グラツィア・キウリ) によるアイテムと、Olivier Saillard (オリヴィエ・サイヤール) によるテキストが添えられ、アーティストのレンズを通して常に進化し続けるメゾンの歴史が語られた。
そして、第3巻では、2016年に始まった Sarah Moon と Maria Grazia Chiuri の対話が再現された。人を惹きつけるオーラを放つおぼろげな写真は、2人を結ぶ特異な絆を明らかにし、Maria Grazia Chiuri の作品の段階的な進化が示された。
Maria Grazia Chiuri は下記のように語っている。
「かつて私は彼女の写真を通してファッションというものを理解しました。私が DIOR に来て、ファッションデザインにおける女性らしさの新たな解釈を模索し始めたとき、その学びを思い出しました(……)。Sarah Moon の特徴は、無意識の動きと過去に遡る直感に形を与える能力、そして言葉では言い表せない雰囲気を描き出す才能にあります。このような理由から、彼女のビジョンは私の DIOR における創作プロセスが語るストーリーを 見事に転写することができました。それは時代に根を下ろし、自分の心に耳を傾けることで力を引き出す女性のビジョンです。」