世界的ファションデザイナーの半生を描いた『ジャンポール・ゴルチエのファッション狂騒劇』

パリを代表する天才ファッションデザイナー Jean-Paul Gaultier が企画、脚本、演出を手がけ、自身がデザイナーとして成功を収めるまでの半生を描いたミュージカル『ファッション・フリーク・ショー』の裏側に迫ったドキュメンタリー映画。2018年にパリで初公演を迎えた後、全世界で35万人以上の観客を熱狂させた本舞台。自身のコレクションと 2 足の草鞋を履いて創り上げるショーの舞台裏はトラブルの連続で、衣装合わせ、ダンサーの故障、演出のいざこざなど多くアクシデントに見舞われた。Madonna (マドンナ)、Rossy de Palma (ロッシ・デ・パルマ)、Catherine Deneuve (カトリーヌ・ドヌーヴ) らに加えて、ファッション界の女帝 Anna Wintour (アナ・ウィンター) も登場も登場し、多様性に溢れるクリエーションを通して2020年代の世相を先取りつつも、作品に真摯に向き合う同氏の本当の姿が紐解かれた。

『コックと泥棒、その妻と愛人』(1990)

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Jean-Paul Gaultier が初めて映画衣装を手がけた本作。あるレストランを舞台に、4人の男女の10日間が皮肉たっぷりに描かれたヒューマンドラマ。高級フランス料理店に通う泥棒のアルバートと、妻のジョジーナ。夫に愛想をつかしていた彼女は店の客マイケルと出会い、恋に落ちる。しかし、料理を提供することにしか興味のないコックのリチャードも、次第に3人の関係に巻き込まれてゆき、自体は複雑になってゆく。シーンが変わるたびに赤、青、黄などと、セットや衣装の色が丸ごと変わってゆく特徴的な演出で話題を生んだ。

『キカ』(1993)

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スペインの巨匠監督 Pedro Almodóvar (ペドロ・アルモドバル) による愛憎劇。作家のニコラスと知り合い、恋に落ちたメイクアップアーティストのキカだったが、すぐに彼の義理の息子ラモンも関係を持ち始める。さらに、ラモンに想いを寄せるアンドレアも、3人と関わるようになり、個性豊かな人々が入り乱れてゆく。また、そのスタイリッシュでエキセントリックな世界観にアクセントを加えた奇抜な衣装は、観る者を魅了し注目を集めた。Jean-Paul Gaultier  が得意とする、異素材同士の組み合わせが用いられており、Victoria Abril (ビクトリア・アブリル) 役のアンドレアが身につけていたドレスもそのひとつ。黒いタイトロングドレスに血しぶきのような赤い装飾が施され、プラスチック製の胸も剥き出しになっており、既存の枠組みに捉われない同氏の世界観が炸裂している。

『フィフス・エレメント』(1997)

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『レオン』(1995) の Luc Besson (リュック・ベッソン) 監督が20年間以上温めた企画を、100億円を投じて完成させた SF アクション映画。2214年を舞台に、地球滅亡の危機に立ち向かう人々の姿が独創的に描かれた。Jean-Paul Gaultier は本作で1000着以上の衣装デザインを手がけたほか、数百人のエキストラひとりひとりの衣装チェックも行ったという。Milla Jovovich (ミラ・ジョヴォヴィッチ) が着用したボンデージスタイルやキャビンアテンダントらの衣装は、出演者たちも当惑したというほど個性的で異彩を放っており、作品のユニークな世界観に大きく貢献している。