Dolce & Gabbana (ドルチェ&ガッバーナ) 2015年春夏コレクションに見る、情熱的なマタドールウーマン

“1516年から1713年、スペインの影響下にあったシシリー…”

Dolce & Gabbana (ドルチェ&ガッバーナ) による2015年春夏コレクションのテーマは直截簡明だ。デザイナーの Domenico Dolce (ドメニコ ドルチェ) の生まれ故郷であるシチリアは、これまでにも幾度となくショーのインスピレーションとして登場している象徴的な土地。中でも今回のショーでは、16世紀初頭に国王カルロス1世の支配もと「太陽の沈まない国」としてその存在感を世界に知らしめたスペイン王国と、その支配下において独自の文化を築き上げたシチリアに想いを馳せている。先シーズンにも増してボリュームのあるショーでは合計82ルック、述べ65人ものモデルが登場。ウエストをコルセットで強調したミニドレスや、マニッシュなパンツスーツ、そして豪奢なレースのガウンなどブランドを象徴するルックは今季、マタドールやフラメンコの衣装を思わせる深紅と漆黒によって艶やかに生まれ変わった。シチリア南部に位置する世界屈指の活火山、エトナ火山の噴火のように情熱的な女性像を表現する今季のコレクションで反芻して登場したのが、Sacred Heart (聖心) を意味するハートとカーネーションのモチーフ。カーネーションはスペインの伝統文化の象徴であると同時に、Domenico Dolce の母親が愛した花でもある。恒例のフィナーレ・マーチでは、白いマタドールシャツに豪奢なエンブロイダリーが躍るブルマー、そして同じくマタドールを彷彿とさせる黒のフラットシューズが登場。Dolce & Gabbana のシグネチャーともいえる気高いフェミニズムと、むせ返るほどの色気が遺憾なく発揮されたコレクションとなった。

Dolce & Gabbana
URL: http://www.dolcegabbana.com