LOEWE
2025 SS Menswear Collection: A Radical Act of Restraint

ロエベが2025年春夏メンズウェアコレクションを発表。静謐かつラディカルなシルエットへの賛美

LOEWE 2025 SS Menswear Collection: A Radical Act of Restraint
LOEWE 2025 SS Menswear Collection: A Radical Act of Restraint
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ロエベが2025年春夏メンズウェアコレクションを発表。静謐かつラディカルなシルエットへの賛美

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2025 SS Menswear Collection: A Radical Act of Restraint

LOEWE (ロエベ) が2025年春夏メンズウェアコレクションを発表。「A Radical act of Restraint (ラディカルな節度)」をテーマに、20世紀の最も独創的な作家たちのアートワークが並ぶショースペースにて、革新的かつ洗練されたシルエットのルックがお披露目された。

LOEWE の春夏メンズウェアコレクションがお披露目されたのは、木材で作られたショースペースである。会場全体に配置されたアートワークの数々は一見無作為に選び出されたように思えるが、実はアメリカの作家 Susan Sontag (スーザン・ソンタグ) が提唱した「芸術の官能美学」に呼応している。1966年のエッセイ『反解釈』(1966) の中で彼女は、作品に意味を押し付けようとする現代批評の傾向に反対し、代わりにアートオブジェクトの神秘と、鑑賞者がそれぞれの仕方で関わることのできるような美しさを信じた。

70年代、80年代ニューヨークのダウンタウンを写したポートレートで知られる Peter Hujar (ピーター・ヒュージャー) が撮影した一足のハイヒールの写真は、ショーのプレゼンテーションにも使用された。 スコットランドの先駆的な建築家兼デザイナー Charles Rennie Mackintosh (チャールズ・レニー・マッキントッシュ) の作品からは、彼が1897年にアーガイル ストリート ティールームのためにデザインした「Half Moon Chair」と「Hat, Coat and Umbrella Stand」がピックアップされた。

イタリアの建築家兼デザイナー Carlo Scarpa (カルロ・スカルパ) の異素材を接合する卓越した技術は1995年にデザインされたイーゼルに見ることができ、戦後期のアメリカを代表するアーティスト Paul Thek (ポール・テック) が「ハーメルンの笛吹き男」の物語に基づいて制作した「The Personal Effects of the Pied Piper」は、物語のキャラクターの森の住処を想起させるように地面に配置されている。

広大なショースペースと、そこに散りばめられた個人的なオブジェクト。ミクロとマクロの絶えまない相殺は、削減と精度の追求を積み重ねることで生まれたコレクションにも表れている。繰り返し登場するブラックのテーラードスーツはスリムでありながら、そのテクスチャーはボリュームに反応してスポンジのように動く。組み合わせているのは伸長したオックスフォードシューズのみだ。

顔の中央から胸に向かって垂れ下がるようにあしらわれた長いフェザーは、Scarpa や Mackintosh の作品における、上方へと向かう垂直性を逆転させたかのよう。ディアスキンで作られたパズルバッグはつややかな仕上げで、新たなアティチュードを表現している。

▶コレクションの全ルックはこちらから。