世界屈指の電子音楽フェスティバルが日本初上陸。Unsound が大阪で開催
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世界屈指の電子音楽フェスティバルが日本初上陸。Unsound が大阪で開催
unsound
holds electronic music festival in osaka
ポーランド・クラクフを拠点に、世界屈指の実験音楽、電子音楽フェスティバルで知られる Unsound (アンサウンド) が日本初開催。「Unsound Osaka」と題し、9月5日(金)から9月7日(日)の期間、大阪市内の複数会場で開かれる。出演アーティストには、石橋英子、 ∈Y∋ (アイ)、灰野敬二、そして東京公演で約15,000人の観客を動員したポーランドの作曲家兼ピアニスト Hania Rani (ハニア・ラニ) などが名を連ねる。
2003年の誕生以来、これまでに30以上の都市で開催され、ジャンルや国境を越える冒険的なサウンドとコラボレーションを追求してきた Unsound。今回行われる大阪版は、万博を超えて文化的な交流を広げたいというポーランドの思いから実現した。
初日は、グラングリーン大阪の文化装置「VS. (ヴイエス)」で開催中の展覧会「sakamotocommon OSAKA 1970 / 2025 / 大阪 / 坂本龍一」とコラボレーション。オープニングには、アメリカのミュージシャン Jim O’Rourke (ジム・オルーク) と、濱口竜介監督のアカデミー賞受賞作『ドライブ・マイ・カー』などの音楽を手掛ける石橋英子が登場し、20世紀ポーランドの急進的な作曲家 Włodzimierz Kotoński (ヴウォジミエシュ・コトニスキ) の楽曲をライブリミックスする。続いて、ロックをベースに多様なジャンルを演奏する灰野敬二が、1970年の大阪万博の際に François Baschet (フランソワ・バシェ) が制作した音の鳴るオブジェ「バシェ音響彫刻」を演奏。さらに、オーストラリアを拠点にするオーディオビジュアルアーティスト Robin Fox (ロビン・フォックス) が、レーザーと音を駆使した作品『Triptych』を披露する。
2日目の舞台は、湾岸部に位置する名村造船所大阪工場跡地のクリエイティブセンター大阪。会場には、STUDIO PARTITA (スタジオ パルティッタ)、Black Chamber (ブラックチェンバー)、そして屋外 DJ ステージの3つのステージが出現する。STUDIO PARTITA では、竹笛・篠笛演奏者の立石雷と、大阪拠点の音楽家兼作曲家・日野浩志郎によるコラボパフォーマンスを皮切りに、Hania Rani が、ピアノとエレクトロニクスを融合させた新曲『Chilling Bambino』を披露。さらに、大阪でバンド Boredoms (ボアダムス) を立ち上げ、世界中にカルト的ファンを持つ ∈Y∋ (アイ) が、ビジュアル・アーティスト C.O.L.O (コロ) との A / V ショーを展開。ポーランドのプロデューサー 2K88と日本のラッパー ralph (ラルフ) がタッグを組む一幕も予定されている。
Black Chamber では、日野浩志郎と、関西を中心に演奏・演出活動を行う中川裕貴によるデュオ KAKUHAN が、ポーランドの打楽器奏者 Adam Gołębiewski (アダム・ゴワビエフスキ) とセッション。続いて、日本のサウンドアーティスト FUJI||||||||||TA (フジタ) と、ニューヨークのアーティスト Ka Baird (カー・ベアード) が、空気や呼吸を用いた実験的パフォーマンスを披露。さらに、シカゴのフットワークダンス創始者 RP Boo (アールピー・ブー) が、ポーランドのドラマー Gary Gwadera (ゲイリー・グワデラ) とパフォーマンスを行う。屋外ステージには、大阪のローカル DJ 陣が登場。Black Chamber の追加出演者も近日中に発表される予定だ。
最終日は、1935年に開館した大槻能楽堂で開催。最初に登場するのは、時間を忘れさせるほどの歌声で「見えない世界へのポータル」とも形容される Antonina Nowacka (アントニーナ・ノヴァツカ)。続いて、ポーランドの作曲家兼演奏家の Raphael Roginski (ラファエル・ロジンスキー) が、2024年に Unsound から再発され、高い評価を得たアルバム『Plays Coltrane and Langston Hughes』の楽曲を披露する。そして、ポーランドのマルチ演奏家兼作曲家 Piotr Kurek (ピョートル・クレク) が、アンダーグラウンドの象徴的存在 Jim O’Rourke と石橋英子を迎え、共に特別なパフォーマンスを繰り広げる。大阪に集う実験音楽の最前線。唯一無二の3日間をぜひ体感してみて。