2人が創出するグレーの風景。山野アンダーソン陽子と三部正博による展示「Longing for Grey」が開催
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2人が創出するグレーの風景。山野アンダーソン陽子と三部正博による展示「Longing for Grey」が開催
Yoko Yamano Andersson and Masahiro Sambe's
exhibition "Longing for Grey" is currently on view at Vague Kobe
スウェーデン在住のガラス作家・山野アンダーソン陽子と、東京を拠点に活動する写真家・三部正博による「Longing for Grey」展が Vague Kobe (ヴァーグ 神戸) にて開催される。本展では、それぞれのアプローチに焦点を当て、光・味・香り・記憶が交わる空間を創り出した。タイトルにも含まれる「grey」をテーマに、山野による約250点の新作グラス、三部が光と影の狭間を繊細に切り取った写真群が展示される。会期は、2026年1月19日(月)まで。
山野アンダーソン陽子は、1978年に日本で生まれ、現在はスウェーデンのストックホルムを拠点に活動するガラス作家。北欧最古のガラス工場であるコースタ内の学校で吹きガラスの手法を学び、スウェーデンの国立美術工芸デザイン大学で修士課程を修了。ガラスという素材の特性を探求しながらも、多様な文化や文脈における人々の行動や私的な癖に着想を得た作品を制作している。三部正博は、1983年生まれ東京都出身の写真家。音楽、ファッションに加え、美術、建築の分野においてもコミッションワークを手掛ける。2015年頃よりライフワークとして撮りためている「landscape」では、ありきたりな風景に潜む人間と自然の曖昧な境界の生々しさを記録している。
2018年よりスタートした「Glass Tableware in Still Life」プロジェクトを通じ、ガラス・絵画・写真といった異なる表現を横断し、新しい風景を生み出してきたこの2人。Vague Kobe にて開催される今回のエキシビションでは、それぞれの表現に着目し、光・味・香り・記憶が交わる展示空間を構想した。山野による光を受けてゆるやかに表情を変えるカップやジャグなどの約250点の新作品。三部による光と影のあいだに揺らめく気配をとらえ、透明と不透明、現実と記憶のあいだを静かに周遊する写真が展示される。タイトルにも含まれる「grey」をテーマとし、白と黒のあいだに漂う曖昧な時間、誰かを待つときに生まれるほのかな期待や希望、 その風景を包む一瞬の光やガラスの中に沈む濃淡を表現した作品が一堂に会する機会となる。
さらに本展では、スウェーデンのクラフト蒸留所 Stockholms Bränneri (ストックホルム ブランネリ) と Vague Kobe (ヴァーグ コウベ) が共同開発した、ほうじ茶・山椒・エルダーフラワーを蒸留したオリジナルクラフトジンも提供・販売する。また、12月27日(土)には、2構成のトークイベントも実施予定。出展作家の山野アンダーソン陽子と三部正博を中心に、蒸留家・江口宏志、写真家・鈴木理策を迎え、異なる切り口から展示空間に漂う「grey」の気配を言葉として立ち上げていく。異なる材料を調和させて新しい余韻を生み出すように、ガラスと写真、ジンと空間が響き合いながら、Vague Kobe の中に、 淡くにじむグレーの風景が静かに漂うエキシビションとなる。

Longing for Grey #001 Masahiro Sambe 2025 Type-C print 49.3 x 37.7 cm











