It's time to seriously consider how to communicate within the Japanese fashion industry: part 1

そろそろマジメにファッション業界のコミュニケーションを考えてみよう part 1

Photography: Nils Geylen via flickr

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そろそろマジメにファッション業界のコミュニケーションを考えてみよう part 1

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文: 飯山 満  英語翻訳: 倉増アンバー

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Photography: Nils Geylen via flickr

これを読んでいるみなさんは、おそらくなんらかの形でファッション、あるいは、それに関連する仕事に携わっていらっしゃる方々ではないかと思う。そして、これを書いている筆者も、現在ファッション業界の人間だ。よく「ファッション業界は特殊で閉鎖的だ」と言われる。もっとも業界を問わず、いわゆる「業界関係者」は、自分たちが属している業界のことを、半ば自虐的な意味も込めて「自分たちの業界は特殊で閉鎖的だ」と言うことが多いが、それを差っ引いてもファッション業界は十分に特殊で閉鎖的だというのは、いまさら説明する必要も無いだろう。

さて、その閉鎖的な世界の中で、古くから独自にビジネスを発展させてきたファッション業界だが、ここに来て、さまざまな変化の波にもまれ続けている。その中でも、特にIT化の流れは、業界内に大きなインパクトを与え続けているというのは、みなさんもきっと感じているだろう。生産も流通も、そして販売もコミュニケーションも、このIT化の流れが、なにからなにまで変えようとしている。特にコミュニケーションの分野では、ソーシャルメディアと呼ばれるものが、まさにすべてを変えるような勢いを見せている。いや、実際には、もう既に変わっている。少なくともファッション業界の外では。私たちが特殊で閉鎖的な世界の中で日々ビジネスを行っている間に、よその業界は変化の波に的確に対応している。それにファッション業界全体が気付いていなかっただけだ。その現実を、私たちはまず直視しなければならない。

2/2ページ:ファッション業界のPR は、PRであってPRではない

では、私たちは、これからどうすれば良いのだろう?それが、この連載のテーマだ。私たちが、これまであえて見て見ぬふりをしてきたファッション業界におけるマーケティング、そしてコミュニケーションの問題点をえぐり出しながら、これから避けられないであろうIT化を中心とした変化の波に、どう対応していけばよいのかを考えてみたいと思う。

Photography: west.m via flickr

これまでファッション業界では、特にブランドは、ターゲットとなる消費者に対するコミュニケーション戦略として、広告とPRを中心に展開してきた。しかし筆者が見る限り、誤解を恐れずに言えば、特にファッション業界のPR は、PRであってPRではない。少なくともPRの本来の意味である「Public Relations」とは程遠いものだし、それどころか 「Press Relations」ですらないと思うこともしばしばある。

いや、ファッション業界には “アタッシェ・ド・プレス” というポジションがあって、この人がプレスリリースの発信からメディア対応まで一通りこなしているじゃないかと思うかもしれない。実際アタッシェ・ド・プレス、あるいはPR担当は、きちんとプレスとの関係性構築を行ったり、それらをより深めるために頑張っていたりもするだろう。しかし現状、特に日本のファッション業界に限って言えば、これらPR担当がやっていることは「プレスとの関係性構築」ではない。

あえて言うなら「ブランド」、「(ファッション雑誌に限定された) プレス」、そしてその周辺でビジネスを行っている、ジャーナリストや評論家、そしてスタイリストやモデルなどを含んだ形で構成されている、ある種の「サロン」の中における閉鎖的な人間関係の構築である。つまり、こういった限られた関係者によって作られた「サロン」の中で、かわいがってもらえるように頑張るというものだ。

ファッション業界では、この「サロン」にも似た閉鎖的なコミュニティが、特にブランドコミュニケーションに関して強く影響を与える構造になっている。実際、このコミュニティ内部のパワーバランスが、ブランドコミュニケーションに関する施策のパフォーマンスに直結するようなことは日常茶飯事だし、さらには次のシーズンのトレンドでさえ、ここから生まれることも少なくない。そのためマーケティング全般、特にコミュニケーション活動を考える際、このコミュニティの存在が不可避なものとなってくるし、パフォーマンスを向上させるためには、コミュニティ内の人間関係を的確にマネージしなくてはならないという実に属人的なスキルが求められることとなる。

極端に言えば、このコミュニティ内で上手く立ち回ることができれば、マーケティングやコミュニケーションをあまり考えなくても、それなりのことができてしまう業界構造になってしまっている。ただ、近年この構造が、特に海外を中心に変わってきているのも、また事実だ。その最大の要素がソーシャルメディアとも言えるだろう。次回は、このソーシャルメディアが、業界構造にどのような影響を与えたかを掘り下げて考えてみよう。

 

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