【インタビュー】ジュエリー業界のゴッドマザー Lynn Ban (リン・バン) に聞く、これがマイルール YES & NO
News
【インタビュー】ジュエリー業界のゴッドマザー Lynn Ban (リン・バン) に聞く、これがマイルール YES & NO
Interview: Lynn Ban Puts Finger On Her Rebel Heart
幼い頃よりポップカルチャーやゴシックファッション、そして Zaha Hadid (ザハ・ハディド) の近代建築に影響を受けた彼女。「Zaha 本人が私の作品のファンだと言ってオーダーしてくれた時は本当に感激だったわ」と語る彼女の作り出すジュエリーは、今や世界各国の名だたるファッション誌、そしてMadonna (マドンナ) や Beyoncé (ビヨンセ)、Rihanna (リアーナ) がラブコールを送ることで知られている。
Editor – Shunsuke okabe
漆黒のアイラインにスリークなヘアスタイル、そして黒い洋服。一目でそれと分かる、それが Lynn Ban (リン・バン) スタイルだ。
シンガポール出身。銀行に勤める父親、そしてファッション業界で働く母親とともに4歳で NY に移り住んで以来、現在に至るまでこの大都市にクリエイションの拠点を置いている。
幼い頃よりポップカルチャーやゴシックファッション、そして Zaha Hadid (ザハ・ハディド) の近代建築に影響を受けた彼女。「Zaha 本人が私の作品のファンだと言ってオーダーしてくれた時は本当に感激だったわ」と語る彼女の作り出すジュエリーは、今や世界各国の名だたるファッション誌、そしてMadonna (マドンナ) や Beyoncé (ビヨンセ)、Rihanna (リアーナ) がラブコールを送ることで知られている。
現代的でありながら近未来的、アヴァンギャルドかつエッジー…Lynn Ban の、”アンコンベンショナル (型にはまらない)” なクリエイションの源を、本人の言葉と共に紐解いてみよう。
– 早速ですが、ちょうど先週カナダで幕を開けた Madonna (マドンナ) の最新ツアー「Rebel Heart (レベル・ハート)」にて、Lynn さんがジュエリーデザイナーとして参加することが発表されたとのこと、おめでとうございます!
ありがとう!彼女には2013年に雑誌のエディトリアルで「Bauhaus (バウハウス)」コレクションのリングを着用してもらって以来、よく指名してもらうんだけど、今回はツアーでコラボデザイナーとして名を挙げてもらえたのは本当に光栄と言うほか無いわね。
– Steven Klein (スティーブン・クライン) の撮影によるモノクロのストーリーですね。スタイリストは Arianne Phillips (アリアンヌ・フィリップス) だったでしょうか?
よく覚えてるわね!そう、Arianne はこの撮影以来『Harper’s Bazaar (ハーパーズ・バザー)』、『Vogue (ヴォーグ)』、『V (ブイ)』マガジンなんかでも使ってくれた。私自身、幼い頃からポップカルチャーに影響を受けて育ったから、彼女のようなパワフルなアイコンに私のジュエリーを着用してもらえるのは単純に嬉しいわ。
– Madonna に限らず、今や世界中のセレブリティ御用達のジュエリーデザイナーとして知られていますが、ブランドの創設はわずか4年前とのこと。それまでのバックボーンについて少し教えてもらえますか?
今スタジオを構えているのは NY なんだけど、初めてその地に足を踏み入れたのは大昔のこと。両親に連れられて訪れたんだけど、エネルギッシュな NY の街に強く感銘を受けたのを覚えているわ。
ジュエリーに興味を持ち始めたのは母の影響ね。宝石の目利きだった彼女のコレクションを見るうちに、自分でもジュエリーを作りたいと思うようになった。
ファッション業界でのキャリアは、Barney’s New York (バーニーズ・ニューヨーク) が最初ね。昔からクチュールに強い関心があったこともあって、ヴィンテージのクチュールドレスのコレクター、ディーラーとして働いていたの。
その後ブランドを立ち上げたのが2011年。先の経緯もあってか、デビューコレクションで Barney’s New York がエクスクルーシブで取り扱ってくれたことで、ファッション業界でもすぐに話題になったわ。
– ジュエリーの世界では、ファッションにも増して歴史や伝統が重んじられる印象がありますが、Lynn さんは独学でデザインを学ばれたとのこと。そのインスピレーションはどこから来ているのでしょうか?
先ほど言ったようにポップカルチャーの影響、あとは、シンガポールの近代建築と、NY のメトロポリスも大きなインスピレーションね。
そのほかにも古代の鎧、バウハウス、昆虫、David Bowie (デヴィッド・ボウイ) などロックスターたち、あとゴシックファッション…いろんなデザインインスピレーションを、現代的に表現するのが私のクリエイションなの。
– ゴシックファッションやアンダーグラウンドカルチャーに興味があるようであれば、原宿の竹下通りはもちろんチェック済みですよね?
まだ行ってないわ!どこなの?
– ゴシックファッションのお店がいっぱいある小さな通りです。凄く混み合ってるんですが、面白いファッションの人や、若い原宿キッズがいっぱいいて面白いと思います。
行きたい、あとで場所を送って!
– もちろん!ところで今日も全身真っ黒の装いですが、今回 Dover Street Market Ginza 限定でデザインしたリングは、これまでに無いくらいカラフルですね。
今回エクスクルーシブでデザインしたのは、私のシグネチャーのアーマーリングと、「ロイヤル」コレクションのコイルリング。この2つは、私がブランドをローンチした当時にデザインしたアイコンピースなの。
ロジウムメッキのステンレスシルバーの表面に、イリデッセントメタルでコーティングしていて、見る角度によってまったく異なる表情を見せてくれるところがお気に入りよ。
– 今日の手元を見ても分かりますが、これまでのコレクションではブラック、ホワイト、シルバーといったミニマルなカラーのみしか使っていなかったあなたにとって、今回のコレクションは大きな方向転換だったのではないでしょうか?
そうね、私のジュエリーといえば、やっぱりイメージするのはモノクロね。黒か白か、はっきりしたものが好きなの。だから色を使うとしても、目の覚めるようなサイケデリックなものが好きね。
– いつかのインタビューで「これまで聞いた中で最も心に響いたアドバイスは、Yes よりも多く No と言うこと。」と仰っていたのが印象的でした。
そうね。別に攻撃的になりなさい、という意味じゃないんだけど、最大公約数的デザインではなく、自分の創造性を優先することがデザイナーにとって大事なんじゃないかしら。
No とはっきり言えるということは、その逆に肯定するもの、自分の愛するもの、自分の関心のあるものに対する強い意識があるということ。私が影響を受けたパワーウーマンたちも、恐らくこうして自分のクリエイティビティに忠実に行動するはずよ。
– 自身に明確な意見が無いと No と言うことは難しいですよね。では、もう一歩踏み込んで「好きなこと」と「嫌いなこと」をそれぞれ教えてもらえますか?
私が好きなことは、努力を惜しまないこと、自分の個性を信じること。私が嫌いなのは、その逆ね。あと嫌いな色はブラウン。中間色は好きじゃないの。私が好きな自分の感性に正直でパワフルなパーソナリティは、Lynn Ban にも共通したフィロソフィーね。
<ショップ情報>
店名: Dover Street Market Ginza
住所: 東京都中央区銀座6-9-5
時間: 11:00-20:00 (日~木)、11:00-21:00 (金、土)
TEL: 03-6228-5080
HP: ginza.doverstreetmarket.com
Lynn Ban Official HP: www.lynnban.com